MovableType 4.1 は、NPO/NGOの救世主か?

NPO/NGO に関わりはじめて5年が過ぎました。

という名称からもわかるように、先頭のNは、「○○ではないもの」という意味のNonのことです。

  • 私たちは「○○ではないもの」である → では何者なのか?

個人的には、NPO/NGO にとって、まずは「自分たちが何者なのか」を他人に伝えるための情報発信や広報活動が、本来の事業と同じくらいに重要なのではないか、と常々思っています。「○○でない」とくくられているのであれば、「自分たちが何者なのか」は、常に自分自身で発信し続けなければならないのです。

「NPO/NGOだから良いことをやっているのだろう」と無条件に思われる時代は、いつまでも続かないと思います(もう終わっているかな?)。

このグラフの説明は続きで...

数多くある NPO/NGO のなかで、自団体をどう伝えるか。もちろん様々な要素がからんでくることではありますが、やはりウェブサイトがあるかどうか・充実しているか、という点は大きなポイントだと思います。(左のグラフに関しては後ほど)

そこで今回は、ブログ管理ソフトのひとつである MovableType 4.1 についてです。「救世主」はさすがに大げさですが、自団体のウェブサイトをもっと良くしたいと考えている方は、ちょっとおつきあいください。

MovableType とは、ブログ管理システムのこと

MovableTypeは、いわゆるCMS(Contents Management System=コンテンツ管理システム)と呼ばれるたぐいのソフトで、CMSの詳しい定義などはリンク先にまかせますが、ざっくり言うと、

  1. 記事の内容を入力したら、それから 決められたデザインのページを自動で作ってくれる
  2. 記事や画像などを総合的に管理でき、それを配信する準備がある

ということになります。要はブログを思い出してもらえれば結構です。記事を書いて、画像をアップロードして、更新すれば、きれいなページにしてくれて他の人が見られる、というわけです。MovableTypeも、ブログを作ってくれるブログ管理システムなわけです。

似たような仕組みはたくさんあり、それぞれにメリット・デメリットはありますが、MovableTypeの特徴としては、

  1. web 上での言及数が多い(≒ユーザーが多い=困ったときに聞ける人が多い)
  2. 国内大手ブログサービスにも MovableType を基にしたものもあるほど、ブログに強い
  3. 関連書籍が多い
  4. 各種勉強会も結構ひんぱんにある
  5. バージョン 4.1 になって、カスタマイズ性が拡張された
  6. 安い!(52,500 円) オープンソース版であれば無料!

といったことがあげられます。

それではなぜ NPO/NGO にとって MovableType なのか?

あなたの団体のウェブサイトを誰が作ってくれたものか、今は誰が更新しているかを、ちょっと思い出してみてください。たぶん、以下のような場合が多いかと思います。

  1. 誰が作った? → 知り合いでウェブサイトを作ったことがある人
  2. 誰が更新している? → 知り合いでウェブサイトを作ったことがある人(もしくはその人に更新方法を教わったスタッフ)

そして、たぶん Homepage BuilderDreamWeaver などのホームページ制作ソフトを使われていることと思います。

しかし日々運営していると、以下のように思ったりしませんでしょうか。

  1. 日々の更新ができる人を確保するのが困難だ
  2. はじめのうちは良かったけど、更新していくうちにレイアウトがずれてきた
  3. メニューの項目を一個追加したいだけで、作った人を呼ぶしかない
  4. 毎回の決まりきった小さいこともいちいち作業しなければならないので面倒(例:更新履歴の作成)

このような問題を、MovableType は、かなり解決してくれます。順に見ていきましょう。

まずは【日々の更新ができる人を確保するのが困難だ】について。

上で書いたように、MovableType はブログ管理システムなのです。「ウェブサイトは作ったことないけど、ブログや mixi の日記ならやっている」という人は多いですよね。この、「ブログや mixi の日記は多くの人が使える」ということは、とても大きなことだと思います。

MovableType で作ったウェブサイトの更新は、基本的にブログと同じようにできます。なので、ブログや mixi の日記が使える人なら、更新はできるのです。「ウェブサイトが作れる人」に比べて、裾野が一気に広がりますよね。

つぎに【はじめのうちは良かったけど、更新していくうちにレイアウトがずれてきた】です。

ブログや mixi の日記で、画面全体のレイアウトが崩れていることを見かけたことがありますか? おそらくほとんどないと思います。それはなぜかというと、画面の(記事以外の)メニューやタイトルなどのデザイン部分は、すでにかっちりレイアウトされていて、普通の記事更新をするだけなら崩れたりしないようになっているのです。そうでないと、怖くておちおち記事更新もできませんからね。MovableType も同様な仕組みをとっており、これもかなり解決します。

続いて【メニューの項目を一個追加したいだけで、作った人を呼ぶしかない】。

これはちょっと厄介ですね。上の2で、「メニューやタイトルなどのデザイン部分はかっちりレイアウトされていて」と書いたように、素人にはいじれない感じがします。たしかに、いわゆる「詳しい人」でないといじるのはちょっと難しい場合もあります。

でも、ちょっと考えてみてください。たとえばブログで、記事を整理するために「カテゴリ」を作って整理する、といったことをすると思います。映画の記事と読書の記事を分けたりするためですね。その場合は、管理画面でカテゴリを作って、各記事がどのカテゴリに属するかを決める。そうすると、メニューの「カテゴリ一覧」に、そのカテゴリが自動で追加されたりすると思います。

このように、「あらかじめ、先々の記事の充実を見越した上での拡張性を考えてデザイン・レイアウトされている」という風に考えると、例えば「メニュー項目を追加したい」といった場合でも、最初にうまくデザインさえされていれば、詳しい人はいなくても対応は可能なのです。

最後に【毎回の決まりきった小さいこともいちいち作業しなければならないので面倒(例:更新履歴の作成)】です。

こういった細かいことが、実は日々の作業のうち多くを占めたりするものですよね。でも、上記のように「記事の拡張を見越した仕組み」を組み込むことができるので、更新履歴なども自動で作らせることもできます。

でも、団体のウェブサイトとブログは違うような...

「スタッフ日記はすでにブログでやっているけど、団体本体のウェブサイトを全部ブログにするのはちょっとなんか違うのでは...」と思われるひともいらっしゃるかと思います。たしかに、団体情報や活動案内、事務所の地図などのページが、日々のスタッフ日記に埋もれてしまうのは問題ですね。

それでは、以下のように考えてみるとどうでしょうか。

  • ブログ=記事が日記風に時系列に並んでいるもの
  • ブログ管理システム=記事の内容を入力したら、それから 決められたデザインのページを自動で作ってくれる仕組み

ちょっと考えてみれば、上の両者はイコールではない、ということはなんとなくわかるでしょうか。言い換えれば、普通のブログは、当たり前ですがブログ管理システムで作られていますが、ブログ管理システムを使って、ブログらしくないウェブサイトを作ることも可能ですし、かつ難しくない、ということなのです。個人的には、メリットのほうが断然多いと考えます。

例として、手前味噌ですが、以下のウェブサイトをご覧ください。

このウェブサイトはまさに MovableType で作っていますが、あまりブログっぽくないと思いませんか? (純粋にデザインがきれいでない、コンテンツが少ない、などのツッコミはこの際なしで) どのようにしたかと言うと、

  • 表紙をブログっぽくなく一枚絵を使った固定デザインにする
  • メニューはあまり長くせず、左側に固定する

これだけなのです。要は見せ方次第、ということですね。

ブログっぽくは見えなくても、記事更新自体はブログと同じ感じでできますし(実際更新しているのはweb担当者ではない)、表紙の更新情報は新しい記事の情報が自動で入りますし、といったMovableTypeのメリットも活かした形で運営しています。

実際、現時点においても NPO/NGO の団体本体ウェブサイトに MovableTypeを使用した例もちらほら見かけつつありますし、当団体も今後そうする予定です。

最初に苦労するか、ずーっと苦労するか

長々と書いてきましたが、これで最後です。慢性的な人材不足を抱える NPO/NGO にとって、MovableType (のような仕組み)を導入する最大のメリットは、これです。

普段の更新を、だれでもかなり簡単にできる!

これに尽きます。更新されないウェブサイトに価値はない、と言い切ることはできませんが、しないよりはしたほうが絶対にいいです。更新頻度は、どれだけ見られるかに直結します。であれば、その手間をいかに省くか、と考えると、今まで説明してきたようなメリットを持つブログ管理システムの採用は、有力な選択肢といえるのではないでしょうか。

いつ苦労するかをグラフにしてみると、明らかです。

グラフ:MovableTypeとそれ以外で、いつ苦労するか?

あくまで個人的な感触ですが、最初のサイト構築時の苦労はちょっと(でないかも...)多いですが、後々、確実に楽になります。なにせ、「詳しい人」は普段は必要なくなるほど、簡単に運用できるわけですから。もちろん、最初の苦労の部分を、普通の人だけで乗り切るのは難しいですから、そこは「詳しい人」と協力して行うようにしましょう。

NPO/NGO の運営上、重要な役割を持つ広報・情報発信。その上でも欠かせないウェブサイト。そして、その運営をより簡単にする可能性を持つブログ管理システム。皆さんの団体でも、ウェブサイトのリニューアルの機会がある際には、MovableType(をはじめとするブログ管理システム)の導入も検討されてみてはいかがでしょうか。私でよければ相談に乗りますよ。

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