スーダン報告会の報告

user-pic
0

4/13(火)に文京シビックセンターで、JVCスーダン現地代表の今井さんの報告会が開催されました。「岐路に立つスーダン」―南部独立と和平の狭間で― というタイトルで、今井さんが現地で実際に見聞きして感じられたことを随所に鏤めながらお話し頂きました。

IMG_0552_s.jpg
■報告会の様子
 【スーダンの歴史】
イギリスの植民地時代、分断化政策によって、北部と南部が分断された状態で統治されてきました。この影響もあり、北部はイスラム教徒が多く、言語はアラビア語、南部はキリスト教徒が多く、言語はアラビア語に加えて英語となっています。また、北部と南部のどちらにも属さない周縁化された地域として、ダルフール地方やヌバ山地(南コルドファン州)などもあります。北部中心の開発が進んだことから、南部や周縁化された地域は開発から取り残されてしまいました。北部(ハルツーム政府)に対する根強い不満から、SPLA/M(スーダン人民解放軍/運動)に代表される反政府勢力との内戦が長い間続きました。

【南北内戦後の包括和平合意(CPA)】
CPAは、2005年に合意されました。22年に及ぶ内戦を終結させたという意味では有効でしたが、南部(SPLA/M)とハルツーム政府だけの合意であり、他の勢力は蚊帳の外におかれました。
このCPAにより、南側に大幅な自治権が与えられました。また、連邦大統領を北(ハルツーム政府)から、副大統領を南(SPLA/M)から出すこととし、閣僚や議員の割合も決められました。なお、現在行われている総選挙も実はこのときに実施が決められたものでした。

【総選挙】
現在、CPAでの合意内容に従い、総選挙が行われています。初めての全国規模の選挙で、統一政府の大統領や南部自治政府の大統領など、6種類の投票が12の投票用紙で実施されています(南部の場合)。ほとんどの人々は初めての選挙ですから、投票の種類が多すぎて混乱しているに違いありません。字が読めない人も多いため、立候補者は☆や携帯などのマークを投票用紙に記載しているそうです。携帯のマークにしたら、携帯をほしい人が○を付けてくれたりするかは分かりませんが、人々はどこまで理解して投票しているのか疑問が膨らみました。とはいうものの、選挙期間中に国が一週間の休みを設けて、有権者が投票のために村に帰る動きがあったり(翌日に突然休みが一日だけに変更されて混乱したようですが)、マニュフェストが出回っていたりするそうで、総じて、人々は選挙を楽しんでいるように見えるという今井さんからの報告がありました。
さて、今回の選挙は、統一政府の大統領選は現職のアル・バシール大統領の再選が、南部自治政府の大統領選はこれまた現職のサルバ・キール大統領の再選が確実視されています。大統領選の立候補者が次々と立候補を取りやめた経緯もあり、南部独立と引き換えの密約があったのではないかと噂されているようです。
なお、南部スーダンでは、2009年頃から独立機運が高まっており、「南部スーダン共和国」などのステッカーを貼った車が走っているのを見かけることもあるそうです。

【ヌバ山地/南コルドファン州の状況】
南コルドファン州は、スーダンの中央、南北境界の北側にあり、その中にあるヌバ山地は丘陵状の山々です。この州には、ヌバと呼ばれるアフリカ系農耕・牧畜民、アラブ系牧畜民、ファラータと呼ばれる西アフリカより移住してきた牧畜民などの人々が住んでいます。CPA後は、ハルツーム政府(NCP)とSPLA/Mの共同統治となりましたが、政治的要因(NCP支持者とSPLA/M支持者)や宗教的要因(イスラム教徒とキリスト教徒)などが複雑に絡み合い、様々な住民間抗争が起こっています。
JVCは、2010年より、この地域で平和構築・地域開発事業を開始する予定です。

【まとめ】
スーダンの総選挙は、先日開票結果が出ました。予想通り、統一政府の大統領には現職のアル・バシール大統領が再選されました。これにより、南部の独立機運がますます高まってくることが予想されます。また、南コルドファン州は、2011年にCPAに基づく暫定統治のあり方を今後も続けるか否かの住民投票が行われる予定とのことです。今回の報告会に参加してスーダンの現状をより深く知ることができ、改めて、この国の未来がどのような方向に進んでいくのか興味が湧きあがりました。様々な問題を抱えるスーダンですが、再び内戦になるような事態は決してあってはならず、より平和な国になっていくことを期待したいです。

このブログ記事について

このページは、れいが2010年5月 8日 23:11に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「5/1今日は賑やかな農園でした・・・」です。

次のブログ記事は「5/18渡辺さん報告会  の感想」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

お問い合わせ

お問い合わせは、こちらまで。

jvcafricaあっとgmail.com

(あっとを@に変えてご利用ください)