REPORT

東エルサレムにおけるキャリア教育を通じた青少年のエンパワメント事業

4a47a0db6e60853dedfcfdf08a5ca249-1784708567.png

東エルサレムの青少年を取り巻く環境

パレスチナの人口の約半数を占める18歳未満の青少年は、物理的・心理的暴力、移動の不自由、家族や本人の不当逮捕・拘禁など、占領政策により子どもの諸権利を侵害されています。
東エルサレムは、パレスチナ人居住区への政治的差別によりインフラ不足が著しく、特にシルワーン地域や旧市街では、統廃合による学校数の減少、教室数の不足等により、青少年の約50%は高校を卒業せず、職業選択の幅が狭められています。 
また、パレスチナには標準化されたキャリア教育のカリキュラムがなく、とりわけ特殊な環境におかれた東エルサレムの青少年たちは、学校に通っていても、自らの将来の多様な選択肢について、幅広い情報や知識を得る機会がありません。

3f3e9f6d35ebd6be9eaab80a25f774c9-1784708718.png

(活動地東エルサレム、シルワーン・アットゥーリ地区)

f54b24e519e300aae4c4e155102943ca-1784709688.png

(学校に通う女子生徒たち。通学中に入植者から嫌がらせを受けることもある)

そこでJVCはパレスチナ政府の活動が制限された東エルサレム、シルワーン・アットゥーリ地区を中心に、現地NGO・大学生・学校カウンセラー・保護者など地域社会のキャリア教育能力を開発し、パレスチナの未来を担う青少年の進路選択を持続的にサポートする仕組み作りを行う事業を実施し、青少年のエンパワメントを行っています。 

活動概要

事業地   東エルサレム、シルワーン・アットゥーリ地域(人口約75,000人)
対象 パレスチナの青少年 8~12年生(13歳~18歳)
期間 2026年3月~2029年2月(予定)
分野 青少年、キャリア教育

活動
目的

東エルサレムのパレスチナ人居住区において、青少年のキャリア選択を学校や地域で支える仕組みが作られ、青少年がより幅広い選択肢の中から自身の将来を考え、それに向けて行動できるようになる。

現地パートナー団体

AWC(アットゥーリ・シルワーン女性センター)

2007年、パレスチナの女性達によって設立された現地団体。
シルワーン・アットゥーリ地区にて、地域の女性や子どもの支援を行っています。

6b5feb7dc863e8082a27cef113d0a0bb-1784709009.png

活動の詳細

保護者や地域住民を巻き込んだキャリア教育の仕組みづくり 

(1)青少年向けキャリアガイドの開発

東エルサレムの青少年が、進学・就労を含む多様なキャリアパスや、それぞれの関心や適性にあった将来の選択ができるよう、キャリアガイドを作成します。キャリアガイドは青少年のキャリア選択に役立つ情報を主としながらも、家族からの理解やサポートを促すことも目的としています。

(2)指導者向けキャリア教育研修プログラムの開発と研修の実施

作成したキャリアガイドを用いて、青少年へのキャリア教育を担う指導者に向けた研修を作成します。作成にあたっては、東エルサレムの事情に精通した専門家から意見を聞き、座学や実習を取り入れます。また、作成した研修プログラムを大学生や学校教員、学校カウンセラーに実施し、青少年のキャリア選択を支える仕組みをつくります。

(3)保護者向け研修の実施

青少年が希望する進路について、保護者からの理解やサポートが得られるよう、保護者に対しても研修を行います。キャリア教育専門家を招いた東エルサレムの青少年の進路についての研修や、地域の慣行に通じた専門家を招いた子どもが教育を受ける権利や、女性の教育・就労の権利について研修を行います。子どもや女性の権利についての研修では、男性向けの回も設け、青少年のキャリアを地域で支える環境をつくります。

青少年へのキャリア教育

(1)進路ワークショップの開催

現地のキャリア教育・カウンセリング専門家がファシリテーターとなり、8〜12年生(16〜18歳)の青少年を対象に、進路ワークショップを実施します。青少年が自身の興味・関心を認識・表現し、将来を見据えた進路の希望を考える場を設けます。希望者には個別相談の時間も設け、フォローアップを行います。
さらに、教育やソーシャルワーク専攻の大学生も参加し、自身の体験を共有します。彼らは将来のキャリア教育の担い手でもあるため、専門家のファシリテーションを間近で学べる場ともしています。

(2)大学訪問・キャリアフェアの開催

地域の中高生や保護者を対象に、パレスチナの大学・専門学校へ訪問し、大学職員や学生による学校紹介や構内案内、体験授業などを行います。 
また、キャリアフェアを開催し、パレスチナの大学・専門学校のブース出展や進学相談、専門家や指導者向けキャリア教育研修を受けた大学生らによる個別キャリア相談、青少年向けの進路選択に関する参加型ワークショップを行います。

(3)学習支援

青少年の希望進路に必要な科目について、学習支援を行います。8~10年生は大学生のチューターから、11〜12年生は専門の講師から学習指導を受けます。習熟度テストも実施し、正答率が低い生徒には補習でフォローアップをしていきます。
また、参加生徒のうち半数が女子学生となるように配慮し、家族や家計状況、成績を鑑みてよりサポートが必要な青少年を対象とします。さらに学校に通っていない青少年も対象とし、彼らには優先的に学習指導を行います。

fb5c81ed3a220004b71069645f112867-1784709173.png

(学習支援の様子)

「パレスチナでの活動」ページに戻る

2026夏募金キャンペーンにご協力ください