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映画「ツォツィ」の地元からの感想 
2007年4月10日 更新
 

南アフリカ現地代表: 津山直子

近年、アパルトヘイト時代の南アフリカのことや、アフリカの内戦などを取り上げた映画が増えている。それはうれしいことなのだが、欧米の監督作品で、主役級の登場人物は欧米の有名俳優が演じている映画が多く、アフリカの現地で映画を観る人たちには、登場人物の設定や言語など不自然な部分も多い。その点、「ツォツィ」は、南アの俳優や監督が、南アで撮った作品で、南アの現実をそのまま映し出しており、地元の人たちの間でも評判が高い作品だった。その後、アカデミー賞外国映画賞を受賞し、世界のスクリーンで上映されることになった快挙は、「南ア映画」が世界の舞台に立ったという点でも、地元の人たちの誇りになっている。

「ツォツィ」は、現地の言葉で、犯罪に手を染めている「ならずもの」のことだ。ツォツィ仲間の中でも「ツォツィ」と呼ばれる青年が主役で、貧困、犯罪、虐待など、南アが直面している問題を題材にしながら、その中に生きる人々の人間性を繊細に映し出し、それが心に沁みる作品だと思う。登場する人たちのちょっとした言葉の中に、哲学的な深さを感じるのは、私がソウェト(アパルトヘイト時代に作られた黒人居住区)や農村で出会う人たちの言葉や人間性の深さに通じるものがある。

ツォツィが住む家やそのコミュニティは、撮影セットではなく、実際に人々が生活している場所で、ジョハネスバーグ市の南西に位置するソウェトのドラミニ地区が舞台になっている。映画でツォツィの家として使われたのは、一人の青年が自分で建てた自慢の家で、撮影後はまた彼の家に戻っている。

私がドラミニ地区を始めて訪れたのは、まだアパルトヘイトが続く1990年だったが、1994年に民主化が実現し13年たった今でも、そこに住む人々の生活や町並みはほとんど変わっていない。映画の中でツォツィが盗みに入る家のように、旧白人居住区には黒人エリートも住むようになり、街の様子が変わってきたのとは対照的である。

「ツォツィ」は、その音楽も魅力的だが、テーマ曲を歌うのは、南アの人気歌手の「ZOLA(ゾラ)」である。ゾラはソウェトのゾラ地区の出身で、この映画では悪仲間の一人として、ツォツィが盗んだ車を買い取り、それを解体し、部品を売る男の役柄である。実は彼は本当に「ツォツィ」だった過去があり、車の盗難などに手を染めていたのだ。でも、その後生き方をあらため、歌手や俳優として成功した現在は、南アの若者たちのロールモデル的な存在である。ゾラが若者の悩みを聞き、その夢を一緒にかなえようとするテレビ番組「ZOLA7」は、南アきっての人気番組である。社会貢献にも熱心で、JVCが支援してきたテボホ障害児ホームの子どもたちやボランティアは、毎年ゾラが行うクリスマス・パーティーやピクニックに招待されていて、みんなとても楽しみにしている。

現実の南ア社会は、貧富の格差がますます広がり、犯罪も強盗殺人などより凶悪な犯罪が増えている。犯罪を減らすために、政府は2010年のサッカーのワールドカップ開催までに警察官6万人を増強する計画を打ち出したが、警察力を強化するだけでは問題は解決しないであろう。「犯罪」を生み出す社会的背景に目を向け、若者が希望を持て、お金や物を持つことではなく、真摯に生きることが尊ばれる社会づくりをしていくことが大切だと思う。

 
 


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