2022年1月の記事一覧
昨年10月21日に、西南女学院大学さんの国際ボランティアに関する授業で、JVC広報担当 木村が登壇しました。学生の方々は、世界が抱える課題や国際協力の重要性などを学び、様々なことを感じ取っていただけたようでした。
そして、講演後、現在実施している買取寄付キャンペーン「あなたの本で、スーダンの子どもたちたちに教育を!」にもご協力くださいました。講演を聞いていただいたことから、私たちの活動にご賛同くださり、実際にアクションを起こしてくださいました。このようなかたちで世界の現状や私たちの活動を知っていただき、そして活動にご協力くださり、大変嬉しく思っています。
講演の様子
当日はオンラインでつないで講義を行いました。
国際協力とは何か、国際協力の課題、JVCの活動を木村の経験を交えてお話ししました。また、日本の現状を踏まえて、私たちの生活も国際協力によって成り立っているということもお伝えしました。
【参加学生さんの感想】
- 真の意味での国際協力とは助けるものではなく、助け合うものという木村さんの言葉がハッとさせられ、印象的でした。
- 自分の国の暮らしが豊かであることは、同時にどこかの国の大切な資源が減っていること、どこかの国が豊かになるための開発によって貧しくなっているという問題点を知り、自分の住む日本は先進国で援助できる環境にあるため手助けになりたいと思う前に、日本国内での不十分なことや当たり前になっていて気がつかないことが多いことに目を向けて、国際協力について考えたいと思いました。
- 紛争や戦争・貧困・環境問題など、どれをとっても今を生きる私たちの未来にかかわることです。戦争や貧困などは特に当事者だけの問題としてしまいそうですが、皆で協力して互いに助け合い、すべての人が人として幸せに暮らすことができるような社会になることを願います。そのためにも、私たちはボランティア活動や世界の状況について学ばなければならないと思いました。
他にもたくさんの素敵なご感想をいただきました。
ご自身の経験や知識をもとに自分ごととして考えていただける時間になったようで、とても嬉しく思います。
寄付活動の様子
講演をきっかけに、自分たちは何ができるかを考え、寄付キャンペーンにご参加くださいました。工夫を凝らして、さらに多くの学生さんを巻き込むことによって、より大きな力に変えてくださいました。
*西南女学院大学有志の方々のInstagramはこちら
Instagramを通して国際ボランティア活動の様子を発信されています。JVCのことも紹介してくださっています。ぜひご覧ください。



不用品回収キャンペーンに参加する

今回西南女学院大学の有志の皆さんがご協力くださったブックオフコーポレーション株式会社様との提携キャンペーン、「あなたの本で、スーダンの子どもたちに教育を!」は2月28日まで行っています。
ご自宅にある不用品の寄付が、スーダンの子どもたちへの教育支援につながります。団体や職場としてもこの活動にご参加できますので、ぜひご協力ください。
>>詳しくはこちら
JVCスタッフを講演に呼ぶ
JVCでは学校や企業などでの講演を承っております。
現場を知るJVCスタッフが直接、世界の課題やNGOの活動をお話しさせていただきます。
>>お申し込み方法や詳細はこちら

2021年11月3日(水)にジャーナリスト堀潤さんの運営する8bitNewsのYouTubeチャンネルで「月刊JVC」第1回配信があり、「2021年10月25日発生のクーデター後のスーダン情勢、JVCの活動」について発表を行いました。
堀潤さん及び代表理事の今井が東京のスタジオから現地スタッフの今中・山本とオンラインで繋ぎ、写真や動画を用いながら質疑応答形式で議論を深めました。
動画は現在もYouTubeで公開中です!
リンクは≫こちら(8bitNewsのチャンネルへ)
(1)現地の状況・街の様子

・ 一般的にインターネットは遮断されている
・ 民衆はタイヤを燃やしたりするなど抗議活動を行っている
・ 軍は銃撃で対応し、10人弱(11月3日時点)が死亡、100名以上が負傷
・ 軍部は民政移管への修正をしているだけと主張するが民衆は断固拒絶
・ 2年前の虐殺ほど事態が悪化していないのは国際社会の圧力あってのこと
(2)なぜこのタイミングで起きたのか、背景事情

・ もともと2019年8月に暫定政権が発足し、最初の18ヶ月は軍部が主導、そのあとは市民側に主導権が移る予定だった。この11月に移管のはずだったが、軍部が利権を手放したくなかった
・ 議長のブルハンや、副議長のへミッティはダルフール紛争で虐殺を働いてきたので、それを文民政府に調査されたくない
・ 近隣に民主国家を望まないエジプト、UAE、サウジアラビアなどの国が資金的に軍部を支えており、ロシアも背後にいる
(3)スタッフが感じていること

・ 独裁政権の30年がやっと終わって、みんなで前に進んで行こうと思っていたところにクーデターが起きた。
カドグリ(南コルドファン州)で2011年に起きた紛争の被災者に対してずっと支援を続けてきたし、紛争の解決を目指すという課題も挙げられていたので、せっかく民主化が進みつつあったのに昔に逆戻りしてしまってガッカリしている。
(4)JVCのスーダン・南スーダンでの活動は

・ 南コルドファン州カドグリでは、紛争の影響で教育を受けられなかった子どもたちに補習校支援を行い、正規の学校に送り出している。去年は400人くらい、今年は300人が参加し、みんな一生懸命勉強して世紀の学校に編入。9月から正規学級が始まったので、そこに転入して勉強を続けている
・ カドグリのある南コルドファン州に逃れた人もいれば、国境を超えて南スーダンに逃れたひともいる。そこに自分たちで「イーダ難民キャンプ」をつくり、5万人のひとが暮らしている。
・ JVCはそのイーダ難民キャンプで、
1. 保護が必要な子どもたちに対する就学支援
2. 幼稚園の運営支援
のふたつを行っている。
現在の状況
現在では、首相のハムドゥクが復帰する事でブルハン議長と合意に至り、ある程度デモは沈静化していますが、依然として軍部が実権を握るこの体制をスーダン国民の多くは承認しておらず、民衆が軍部に対して「交渉せず、協力せず、妥協せず」の姿勢を貫いている事からも、しばらくの情勢不安が予測されます。
今後もJVCは現地の流動的な情勢を注視し、現地スタッフ及び駐在員の安全確保に努めて参ります。
次回の「月刊JVC」は、1/27(木)21:00より、8bitNews≫YouTubeチャンネル で配信予定です! ぜひご覧ください。
第二回「月刊JVC」レポートは≫こちら