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2020年度東北アジア大学生平和交流プログラム 第2回勉強会レポート

『アイたちの学校』から在日コリアンの過去と現在を学ぶ
KOREAこどもキャンペーン2020年度インターン 佐藤たら
2020年12月 1日 更新

こんにちは、KOREAこどもキャンペーンインターンの佐藤です。

「東北アジア大学生平和交流プログラム」とは

このプログラムは「南北コリアと日本のともだち展」で繋がったNPOやNGO・個人が協力して2018年からスタートした、日本にいる大学生が東北アジアの平和について学ぶための年間プログラムで、交流と勉強会がセットになっています。今年は新型コロナウイルスの感染拡大を懸念して延期となっていますが、例年8月に開催される平壌外国語大学との「日朝大学生交流」のための事前学習としても位置付けられています。

私がこのプログラムに参加したきっかけは二つあります。一つは「南北コリアと日本のともだち展」に5年間参加し、そこで東京・ソウル・平壌に友達が沢山できたことでした。しかしそこで私が感じ取ったのは、ただ違う国に住んでいて距離が遠いので会えないということだけではなく、「会える」のに会えないという全く別の虚無感でした。このように子どもの頃に微かに感じた、物理的な距離より遠い心の距離の理由を詳しく知りたいと思ったのです。二つ目は、ともだち展で出会った友達は私や日本にいる友達と何ら変わりないのにもかかわらず、日本の友達が怖いイメージを持っていたりすることに子どもながらに嫌悪感を覚えてしまったことです。国に対するイメージがどうして私の友達と繋がるのか、日本とコリアはどうして今のような状態になってしまったのかを、自分の友達がそこにいる以上は知っておくべきだと思いました。このような経緯で参加に至りました。

『アイたちの学校』と高監督のお話

第2回勉強会は、オンライン上での開催となり、関西では7月23日、関東では7月30日に実施しました。今回のゲストは、映画『アイたちの学校』の監督であり、在日ジャーナリストとしてご活躍の高賛侑さんです。学生は事前に『アイたちの学校』を視聴し、勉強会では高賛侑さんから映画の制作動機や経緯、在外コリアンとの出会い、アメリカで取材をした際に目の当たりにした黒人差別との比較、差別ができる過程などをお話しいただきました。

『アイたちの学校』は朝鮮学校が日本政府から受けてきた差別を知らしめ、それに抗議する世論を喚起することに寄与された映画だと高さんはいいます。日本は国連などから差別に対する勧告を受けているのにもかかわらず、差別を止めることはありませんでした。さらには大阪市での助成金問題で朝鮮学校側が敗訴したという事実は、裁判所が差別を認めたということです。これをきっかけに制作に至り、韓国語版と英語版も含めて多くの所で上映されてきました。

また、在日朝鮮人の文学芸術活動をサポートする活動をする中で、中国朝鮮族自治州やアメリカで在外コリアンと出会い、日本の差別の異常性に気付くことになったそうです。中国では朝鮮民族が尊重され、それが当たり前でした。しかしアメリカでは白人に襲撃された黒人がコリアタウンを襲撃するという、ロス暴動に違和感を持たれていました。ここで差別の究極とも言える黒人差別を学び、在日コリアン差別の本質が見えてきたといいます。1876年のジム・クロウ法などの差別を受け、公民権運動に発展し人々の認識を変えるまで、黒人差別の歴史から学ばされることはたくさんありました。

どの差別も、差別をする側は相手がプライドを持てないようにするために武力鎮圧を行い、差別される側が無力であると思い込ませます。これに抵抗する人には合法で差別ができる法を作り、法律違反者に仕立て上げるのです。ここで在日コリアンの差別と比較してみると、黒人差別は政府が積極的に関与したことにより、現在アメリカの法的差別が無くなっていることに繋がります。しかし今の日本の法律ではヘイトスピーチは合法であり、これを裁判所が認定しているのです。

オンラインだからこそ実現した関西在住の高さんをお招きした勉強会。対面には敵わないものの、離れていても画面をとおして会える利点も。オンラインだからこそ実現した関西在住の高さんをお招きした勉強会。対面には敵わないものの、離れていても画面をとおして会える利点も。

いま思うこと

このお話や『アイたちの学校』を視聴して、国がそのように非人道的な差別を認める法律を現代も存在させているということに改めて悩まされました。一方で私の身近には悪気のない偏見や先入観が差別につながってしまうこともあるのではないかと感じました。例えば『アイたちの学校』にも度々出てきた、「民族教育」という言葉を聞いて私たちが何を思うかというところです。恥ずかしながら私は高監督が勉強会で仰った、「在日コリアンに対する差別がある日本社会だけれども、自らのアイデンティティーを尊重してもいい」という当たり前のことを教える、「人間教育を含めた教育」というところまでは考えが至りませんでした。幼い頃から「民族」あるいは「部族」という言葉とともに出てくる映像は、先進国からしたら「未開拓地」とも言えるような山奥などに住む集団でした。そのような偏見や先入観により「民族教育」を聞いても身近なものではないように感じましたし、むしろ未知のものであるような近寄りがたいもののように感じました。

しかしこういったことは、すぐに変えられることではありません。だからこそ私たちの世代がこのような正しい事実を学ぶべきであり、それについて考え、共有し、次世代につなげていくことが大切なのではないのでしょうか。大学生平和交流プログラムでもとても大きな問題について考えていながらも、常に自分に同じことを問いただされているように感じます。学生が過去を学び、現在を考え、より良い未来を作るために、ぜひ興味のある方は来年度からでも参加していただけると嬉しいです。

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