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スタッフの本棚:「パレスチナを生きる」書評(著:渡辺丘氏)

広報/ファンドレイジンググループマネージャー 並木 麻衣
2020年3月 4日 更新

パレスチナ問題はとにかく「難しい」といわれる。国際政治の複雑な絡み合い、重層的な対立構造、そして宗教や歴史が入り混じった様相を見ての感想だろう。

一方で、パレスチナに15年余り関わり続けてきた一人の人間としては、この問題が「実はシンプルだ」ということを申し上げたいと常々思っている。要は「目線をどこに置くか」なのだ。そこには人が暮らしていて、あちらもこちらも、色々な思いを抱えて暮らしている。まずは、そこに寄り添いたい。そうすれば段々と、机上の論争とは全く違う次元で、問題の形が具体的に見えてくるのではないだろうか。

朝日新聞記者の渡辺丘(わたなべ・たかし)さんが記した本書は、2015年〜2019年のパレスチナを歩き回り、人々の物語をつないだ作品だ。そのほとんどは複雑な政治・社会システムに翻弄されて暮らしてきた一般市民たちで、ときに静かに、ときに熱い思いを交えて渡辺さんに語りかけている。個々のストーリーを補うように、統計やデータ、歴史的経緯が配されているのは「新聞記者ならでは」の細やかさだ。パレスチナ、とりわけガザや東エルサレムなどは公的な統計があまりなく、データを拾うには国連やNPO/NGOなどが発行しているものをつぶさに調べなければならない。特にエルサレムの状況について、日に日に悪化していく人々の苦境と最新データが並ぶ著作は貴重であるように思う。執筆に感謝したい。

また、日本人記者の目線として、パレスチナに関わる日本人、日本に関わるパレスチナ人たちも本書に多く登場する。JVCも、OBである今野泰三さんのコメントが掲載されている。現場発の貴重なコメントが多く入っており、彼らの視野や試み、葛藤、希望を知ることができるのも、読み応えがあるポイントではないかと思う。一人のNGOスタッフとして、同じ志で生きる仲間のコメントに、勇気が貰えたような気がする。

個人的には、エルサレム駐在時によくご一緒していた渡辺さんの取材姿勢がとても強く印象に残っている。「渡辺さんは何度でも聞きに来られるんですよ」と、取材を受けたある方がおっしゃっていた。何度も何度も、ファクトや取材対象者の心の機微を確かめながら、丁寧に執筆に当たられていたのだろうと思う。

国際政治に翻弄されて生きる中東の人々の言葉に浸った渡辺さんが、現在はワシントンで米国の中東政策を担当され、日々発信されていることは大変心強い。毎朝のように国際面でお名前を拝見しながら、私たちNGOも負けないよう小さくても変化を作っていきたい、と改めて思う。

パレスチナを生きる

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