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2016年2月 5日 【 谷山の眼 ~NGOの視点から

南スーダン・自衛隊の「駆け付け警護」は問題だらけ

JVC代表理事 谷山 博史
2016年2月 5日 更新

1986年よりJVCに参加し、数々の海外現場で活動をしてきた代表の谷山。いま放っておけない世界の時事問題について、海外の現実を知る国際協力NGOならではの視点で語ります。

(JVC代表谷山博史。タイ、ラオス、カンボジア、アフガニスタンで計12年、海外駐在を経験。JVC代表のほか、日本有数のネットワーク型国際協力NGOであるJANIC理事長、NGO非戦ネット呼びかけ人を兼務。現場経験を生かした政策提言活動を積極的に行っている)

現在国会で議論されている南スーダンにおける駆け付け警護には複数の問題があります。

「駆け付け警護」は昨年成立した安保法制の一部です。安保法制では、自衛隊の任務が大幅に拡大されました。国連職員、日本のNGOだとかが紛争に巻き込まれた際に、駆け付けて警護をする、ということです。すなわち、自衛隊が紛争に武力をもって介入する、ということです。

まず、認識しておかなければいけないのは、南スーダンの状況は事実上の紛争状態にある、という現実です。各地で政府軍と反政府勢力との対立・衝突が進んでいます。もちろん、政府軍も武力を用いて対応しています。このような状況の中、自衛隊のPKO参加のルールである「PKO派遣5原則(自衛隊のPKO派遣の原則。「紛争当事者間の停戦合意の成立」、「紛争当事者のPKO派遣への同意」、「PKOの中立性の確保」が定められている。上記の3原則が満たされない場合の撤退、また武器使用は必要最小限度に抑えることを規定している)」が守られているか、かなり怪しい状況です。国会ではまともな議論がされていません。

もし、駆け付け警護を行えば、戦争の当事者になってしまいます。政府は「武力行使」という言葉を使わずに、「武器の使用」と言います。なぜか。それは、相手が紛争当事者じゃないという前提を作りたいからです。武器を使用する、という相手が国及び国に準ずる組織ではない、場合は武力行使ではない、だから憲法に違反しない、と言っています。

駆け付け警護が行われれば日本が紛争当事者になることは紛れも無い現実です。これは、明確な憲法違反です。国会では南スーダンの状況を詳しく審議することなく、架空の想定ばかり話しています。危険な状況の中に自衛隊が入り、殺し殺される事態が発生することを認識しなければなりません。

南スーダン/難民キャンプ内の幼稚園で学ぶ子どもたち南スーダン/難民キャンプ内の幼稚園で学ぶ子どもたち

JVCは南スーダンに事務所をおいていませんが、南スーダンの難民キャンプで教育支援をしています。JVCスタッフがキャンプに行った時、もし自衛隊が紛争当事者になってしまっていれば、日本人は武装勢力にとって格好のターゲットになる可能性があります。日本人を守るはずの法律が、逆に人道支援活動を行っている日本人を危険に晒すのです。

関連記事:JVCスーダン現地代表今井の現地ブログより
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