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パレスチナ緊急レポート 第21弾

パレスチナ 佐藤 真紀
2002年5月17日 更新

ビッドゥ診療所訪問

ビッドゥはラマラの南西にある人口2000人程度の村で、パレスチナ赤新月社とパレスチナ自治政府の保健省が共同で運営している診療所がある。実は井下医師は、2000年の10月までこの診療所で働いていたのだ。しかし、アル・アクサインティファーダが始まったために通勤することができなくなり、診療所のスタッフにサヨナラも言えずに帰国していた。今回、村落部での医療情況調査のために2年ぶりに診療所を訪れた。

診療所に勤めるパレスチナ人医師はラマラから通っているのだが、入植地の近くを通る近道は閉鎖され、迂回路にあるチェックポイントは午前10時からでないと開かないため、彼は2ヶ月前から診療所に通えていない。よって診療所は、この2ヶ月間医師不在の状態が続いており、村内の糖尿病・高血圧などの慢性患者は医師による診察を受けることなく、以前と同じ処方を看護師に処方してもらうしかなかったようだ。しかし今では、ビッドゥ村内の個人開業医が時々診療を手助けしてくれており、軍事侵攻の間も休むことなく、以前の3倍ほどに増えた患者たちを治療してきたという。医薬品などは赤新月社から滞りなく供給されており、不足品などはないとのことであった。

西岸地区にはユダヤ人の入植地が点々とあるために、自治区が分断され、治安のために検問があちこちに存在する。医者が通えない・救急車が通れないなど、医療の中立性を損なう状態は今なお続いており、今後も長期にわたり続くことが予想される。この情況で最も被害を被るのは病人・老人・妊婦・乳幼児などの弱者であるのはいうまでもない。軍事行動による直接的な死傷者はでずとも、占領による間接的な被害者は、今でも確実に存在するのだ。

血圧を測る井下医師血圧を測る井下医師

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