2011年7月の記事一覧
さる6月6日、日本国際ボランティアセンター(JVC)の活動地域である、スーダン共和国南コルドファン州において政府軍とスーダン人民解放軍による大規模な軍事衝突が発生し、多くの犠牲者と数万人単位の避難民が発生しています。2005年の和平合意以降、現地の人々によって続けられてきた復興と再建の歩みが、今回の軍事衝突によって根底から覆されました。
私たちJVCは、2011年1月から南コルドファン州の二つの地域、タロディ郡とエル=ブラム郡で「地域からの平和づくり」として、内戦後の生活再建と平和な社会づくりを後押しする支援事業を立ち上げました。住民との話し合いを経て、事業が本格的に動き始めた矢先、今回の軍事衝突が起こりました。
JVCの事業地であるタロディ郡、エル=ブラム郡の人々も戦闘に巻き込まれ、多くが自宅を離れ、避難しています。地方では政府軍による空爆が続いているとされ、村の人々の安否が気遣われてなりません。
また、カドグリ郊外の国連施設などに避難していた人々は、食料や生活用品も欠乏する中で、州政府によって市内や周辺部の自宅に戻されています。国連と国際NGOは避難民への支援を試みていますが、州政府は国連のカドグリ市内への立ち入りを認めないなど、支援活動自体が困難な状況になっています。
私たちは、住民による地域社会復興と安定のための活動を側面から支えてきた者として、今回の事態に深い憂慮を覚えます。
以下、私たちが現場や関係者から得た情報に基づいて、今回の軍事衝突に至った背景ならびに経緯、現地の状況について報告します。