本当にラオスは貧しいの?

 数字の上で見ますと、ラオス一人当たりのGNP(国民総生産)は99年で280ドル。日本と比べると約1%で、世界で最も貧しい国の一にあげられます。

 いきづまった財政を立て直すため政府は市場開放をしましたが、現金経済が浸透していなかった農村ではそれが劇的で「現金経済が入ってきて、はじめて自分たちが貧しいんだとわかった。」という村人の発言からも見てとれます。村人は現金に依存した生活をしておらず、それがよく表れた出来事がありました。

 洪水が続いた90年代、干ばつ調査に訪れたWFP(世界食糧計画)の職員がこの状況に驚き、「こんなに米がとれなかったのに、人々は栄養不足とはいえ飢餓がない。もしこの様な干ばつがエチオピアに起きていたら大変な飢餓になっていただろう」と。

 村人は米やお金がなくても豊かな森の恵みで生活が支えられていたのです。村人は日頃から森に出て、あらゆる生活の糧を森から授かってきました。また相互扶助の習慣からも極端な貧困に陥ることなく、なんとか持ちこたえられたのです。

 そこには数字には出てこないラオスの豊かさがあるのですが、皮肉なことにその森林も外貨獲得のため商業伐採で減少してきているのです。

スタッフが洪水の写真を撮って、悲惨な様子を伝えたかったが、3、4年に一度の割合でくる洪水に人々は慣れてしまったか悲愴感が薄く、浸水した所で魚をとる逞しさまで見せたとか。
(写真=JVCラオス)