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第1号 2008年7月31日発行
目次
発行に寄せて
「多様な生計手段」〜良い技術は放っておいても普及する?!〜
幼苗一本植え(SRI)
への挑戦
今年もやります!試験田。
 発行に寄せて
JVCカンボジアはどんな活動をしているの?
JVCカンボジアの職員ってどんな仕事をしているの?
そもそもJVCが活動している「カンボジア」ってどんな国?

カンボジア事務所で働く日本人駐在員が、日本への一時帰国に伝えられることはごくごく一部です。
もちろん報告できる時間が短いということもありますが、「あー、これが面白い!」と思っても、日々活動をしている中で「風化」してしまったり、他に伝えるべきことが多すぎて、伝えきれずになっていることもあります。

そんな「日常」の出来事を、できるだけみなさんにお伝えできるようにと思って、JVCカンボジアチームと考えたのが、このメールマガジンです。

試行錯誤になるかと思いますが、JVCカンボジアのことやカンボジアという国について幅広く知ってもらえるように頑張りたいと思います。また、JVCカンボジアの活動を支えてくれる、JVCカンボジアチームの活動や「カンボジアチームのメンバーが持つカンボジアでの経験」もお伝えしていきたいと思います。またその他にも、何らかの縁でJVCの活動に関ってくれた方たちの経験や感想も記事にしていきたいと思います。

月に1回、毎月下旬の発行を目指してこれから頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いします。
JVCカンボジア事務所  代表 山崎 勝 、 駐在員 坂本 貴則
 「多様な生計手段」〜良い技術は放っておいても普及する?!〜
坂本 貴則
写真1:「物体」とソムラオン村村長とスタッフ
写真2:捕獲される虫たち
写真3:村に広がる「虫捕獲機」
1ヶ月半ぶりにカンボジアに戻ると前回は見られなかった「物体」(写真1参照)がそこかしこに設置されています。

なんだなんだと思って興味を持っていると、ちょうどJVCの活動村の村長から話を聞くことができました。

どうやらこの「物体」の名前はオンティアッ・チャップ・サッルアッと言い、翻訳すると(辞書で調べました)「虫を捕る仕掛け」となります。どうやって虫を捕るかというと、一晩(夜7時くらいから朝4、5時くらいまで)取りつけられた蛍光灯をつけっぱなしにしておくと、その光に虫たちが集まってきてビニールぶつかります。ぶつかった虫たちはそのままするすると下に落ち、朝起きると下にごっそり虫たちがたまっているという仕組み。一晩で大体1、2キロの虫が捕れます(写真2)。

農村部にも電気があるの?と疑問に思われる方もいるかも知れません。答えは、ありません。ないのにどうやって蛍光灯をつけるの?というと、(車で使う様な)バッテリーを充電して、それで蛍光灯をつけます(ちなみにこのバッテリーはテレビを見るのにも使われたりします)。バッテリーを一度充電すると2000リエル(約50円)かかりますが、二晩は持つそうです。

そもそも何でそんなにしてまで、虫を捕るのでしょうか?カンボジアに何度も来られている方は分かるかも知れませんが、そう、カンボジアの人は食べるからです。人が食べるということは、つまり、売れるということです。大体1キロ4000リエル(約100円)で売れるようです。ここで一度計算をしてみます。

一日に1,2キロ取れるということだったので、仮に1.5キロとすると、6000リエル、またバッテリーの充電が二日に1回で2000リエルなので、一日では1000リエル。その他に経費もかかると思うので、一日1000リエルで計算すると、6000-1000-1000=4000リエル(約100円)、が粗利となります。この仕掛けは、話を聞くと1ヶ月半くらいは続けられるということだったので、すごく単純に計算すると4500円くらいはこれで収入が得られる(しかもほとんど労働力を投入しないで!)ことになります。

「いつからこの仕掛けを始めたんですか?」と私が村長さんに聞くと、「2年前くらいから」との答えが返ってきました。「どういうきっかけで始めたんですか?誰かから教えてもらったんですか?」と私が聞くと、「市場の近くに住む中華系クメール人がやっているのを見て、真似をしてやってみた」と答えてくれました。

誰かが研修をしてやり方を教えてくれたわけではなく、ましてやお金を支援してくれたわけではありません。農家が「これはいい」「役に立つ」と思うものは放って置いても勝手に広がってんだなとつくづく感じました。私たちの活動もぜひそう思ってもらえるよう、できる努力はしていきたいです。
 幼苗一本植え(SRI)*への挑戦
坂本 貴則
苗床を少量で用意した
田植えの時のことを話してくれたラーイアッさん
チャンソー地区トロベアング・トゥーク村のラーイアッさん(写真)は今年、幼苗一本植え(SRI)を試しました。5月25日に苗床を準備し、6月14日に約7aの田んぼに田植えを行いました。JVCは15日目から20日目くらいまでの幼苗を植えるように指導していますが、彼女はそれをきちんと覚えていてくれて、20日目に合わせて田植えをしました。

「田植えは夫、息子、娘と私の4人でやったわ。朝2時間くらい、そのあと午後に約1時間かけて7aの田んぼに田植え。その日は暑くて3時間田植えをするのがやっとだった。たった7aの田んぼに田植えをするのに一日かかってしまったんだから効率が悪いわね」とラーイアッさん。しかし、立っているだけでもじりじりと汗ばむ暑さの中で、農作業をするのは非常に大変。しかも農家の仕事は田植えだけではなく、いろんな仕事があります。それをこなしながらなので、農家はすごいなぁといつも私は感心してしまいます。

「何が田植えをするのに大変でしたか?」と私が聞くと「そうね、ひもを使って真っ直ぐに植えるということをしたことがないので、それが大変だったわね。そのせいでいつもより時間がかかったのもあるかも」と答えてくれました。「大変だった」という言葉通り、確かに田んぼを見ると真っ直ぐな列では植わっていません…。

「子どもたちが手伝ってくれたんだけど、手伝った子どもたちも一本植ができるようになったわ。ほらあっちの田んぼを見て。あっちは子どもたちだけでやったのよ。」と別の田んぼを見せてくれました。

昨年は同じ田んぼの伝統的な方法で80kgのお米が取れたと言うことなので、今年はその倍くらいまで収量が上がると良いなと私たちは思っています。経過・結果については今後の報告で順次行っていきます!
うまくいくようにと田んぼを見つめるラーイアッさん
頼りないように見える苗
*幼苗1本植え(SRI:System of Rice Intensification)とは、イネの栽培技術の一つで、若い苗(10〜15日齢)を1本ずつ直線上に等間隔で植えることが大きな特徴です。これによりイネ本来の生育力が引き出され増収が期待できるだけではなく、病害虫への抵抗性が強くなり、農薬の利用を抑えることができます。JVCは農家へこの技術を積極的に伝えています。
 今年もやります!試験田。
坂本 貴則
苗床から幼苗を摘む山アとスタッフ
苗を田んぼに運ぶ
運転手のバンさん
暑さに負け、やる
気のないボラ君
ひもを使って幼苗一本植えに挑戦する
6月25日、厳しい日差しが降り注ぐ中、JVCカンボジア事務所スタッフ総出で、田植えを行いました。農家に「幼苗一本植(SRI)」を教えている手前、私たちも経験を積まないとダメでしょうと言うことで去年から始まった、試験田。去年は事務所の近くで田んぼを借りましたが、今年は村の人にも見てもらおうと、対象村であるRoka村のある農家の家の田んぼ8aを借りて、実践します。

8aの土地を借りるのに、農家から提示された条件は100kgのお米(籾付)を支払うこと。「8aで100kgなら収穫できるでしょう」と強気の日本人スタッフに対し、「100kgのお米は多すぎないか」とカンボジア人スタッフは自信なさげ。「きちんとやれば300kgは絶対取れる。だからやろう」という山アさんの一声で、その条件での実施に踏み切りました。

一度やることが決まれば、さくさくと物事を進めてしまうカンボジア人。6月9日に苗床を用意し、さっそく播種。15日から20日の苗を植えることを農家には勧めているので、24日前後に田植えをしようということで決まり、結局25日に田植えを決行しました。

前日に全員シェムリアップ入し、当日は朝8時頃から作業を開始しました。最初にやることは苗を苗床から摘みあげること。できるだけ根っこがきれないようにみんな努力はしているんですが、あとでよく見ると根っこがなくなっているものが結構ありました。

それが済むと今度は田植えです。等間隔を明けて縦にも横にも真っ直ぐ植わるようにしなければいけないのですが、そのためには「ひも係」の働きが重要です。しかし、ひも係となったスタッフはだらだらと適当にひもを合わせます。「おいおい、おまえらちゃんとやれよ」と山アさんの罵声が田んぼに響き渡ります。しかし結局あまり修正されず、横には真っ直ぐになりましたが、縦はずれっぱなし。仕方がないのでみなひもにつけられたマークに気にしないで、自分の感覚で真っ直ぐになっているか合わせながら植えていました。

それでもなんとか2時間半ほどで8aの土地に田植えを済ませることができ、終わったときはみんな満足げな様子でした。

私自身も稲刈りは経験したことがありましたが、田植えは初めてでいろいろと勉強になりました。苗が小さいため、水が少ないと土が硬くて植えにくいし、多くても苗が水に浸かってしまうしで、幼苗を使うということが思ったより大変だと思いました。また、大人数での田植えで、手の届く範囲だけを植えれば良かったので大変ではなかったですが、少人数であっちこっち移動しながら田植えをしていたのであれば、もっと疲れただろうなと思いました。

あとは、雨がきちんと降り、すくすくと生長してくれることを願うばかりです。失敗したら農家のみなさんに何をいわれることやら。
発行  (特活)日本国際ボランティアセンター カンボジアチーム
     東京都台東区東上野1-20-6 丸幸ビル6階
     TEL 03-3834-2388 FAX 03-3835-0519

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