
調査研究担当: 高橋清貴
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サミット直前、13日の夕刻までのぎりぎりの折衝で、合意を前提とした成果文書がまとまった。指摘すべき重要な点があるので、急ぎ、高橋個人の見解を書いておきたい。
ピン議長が草案を作り、6月に市民社会との対話を行ってドラフトをまとめてきたが、8月下旬に米国から500項目以上にわたる修正提案が出され、それを機に各国の思惑が錯綜し、混乱を極めていたが、最終的にどうにかまとまったものだ。しかし、中身を見ると、重要な項目が削除され、また内容的に後退し、それがために全体としてビジョンが感じられない文書となってしまった。
「平和」の部分で、「軍縮・核不拡散」の項目がすべて削除されてしまった問題は大きい。この二項目は、日本政府が、「政府としての優先事項」として掲げてきたものであり、また先の8月30日のパブリックフォーラムにおいても成果文書に軍縮を盛り込むよう努力すると述べている。どのような平和を国際社会につくっていくのか、軍縮・不拡散はまさしく、私たちが向かうべく国際平和へのビジョンを示す羅針盤のようなものだ。どのような交渉が行われたのか、米国によって削除されたものを復活させるために日本政府はどのような外交努力をしたのか。政府からのきちんとした説明が求められる。
「安保理常任理事国入りしたい」と願う政府ならば、国連拠出金や開発分野での貢献(「開発」部分も成果文書は十分なビジョンを示せていない)だけでは十分ではない。また、軍縮や核不拡散は、日本政府が押す「人間の安全保障」の根幹に関わるものである。今回の成果文書には「保護する責任」のように、人権的観点から人々を守るという側面と主権介入を示唆する側面の両方を併せ持つ項目も含まれた。それだけに、成果文書全体がどのようなビジョンで貫かれているかが、重要なのである。
冒頭のような慌しいプロセスであったこともあり、平和構築委員会や人権理事会など、まだまだ詰めてかなければならない項目がたくさんある。それだけに成果文書の基調ビジョンをつくる柱となる軍縮・不拡散が削除されたことは、大いに憂慮すべきものであろう。そのほかの項目の詳細な分析も、追って報告したい。
資料:成果文書(Clean Proposed Outcome 13 Sept 3pm)(PDF:193kb)
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