
事務局長:清水 俊弘
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日常を巻き添えにする「テロ対策」
「現在、テロ対策を強化しており……。」これは国際空港のアナウンスではない。これは私が通勤に使う駅である西武池袋線保谷駅のホームで聞くアナウンスだ。「保谷」と「テロ」!? どう考えても結びつかない。逆に言えば、普通考えもしないところにまで「テロ」の恐怖を植えつけたのが「9.11」事件だ。
あの事件から5年。今でもアフガニスタンでは米軍、NATO軍による「テロ掃討作戦」が続いている。このことを、ましてやその行動を燃料補給という形で支えているのが日本であることをどのくらいの人が知っているだろうか。
アフガンへの空爆が始まって間もない2001年11月、日本政府は「テロ対策特措法」(略称)を時限立法として成立させ、その後2回の期限延長を経て、今年までに600億円を越える費用を出している。言い換えれば、我々の税金や貯金が政府のチャンネルを通じて、アフガニスタンで展開する軍事行動を支えているということになる。
これだけの税金を使っているにも関わらず、政府からはその成果や意義に関する説得力のある説明は無い。5年に渡る攻撃の中で、アフガニスタンではいったい何人のテロリストが捕らえられ、何人の市民が巻き添えになったのか。その結果、世界は安全になったのか。
暴力対暴力の無限連鎖をどう見るのか
この5年を冷静に振り返り、「テロ対策」とは何だったのかを真剣に見直す必要がある。「テロ対策」は一部の指導層を除けば、誰を相手にしているのかが分からない。そのため、曖昧な情報による攻撃も正当化され、「誤爆」も許容されるなど、実行する側の行動に無限のフリーハンドを与えやすい。
一般市民を巻き添えにしないことを大前提にしているはずの軍事行動が、越えてはいけない境界を越えてしまっていることに誰かが警鐘をならさなければならない。それが、「9.11」後の世界において、私たちNGOの活動に加わった新たな役割である。
日本では、テロ対策特措法をはじめ、有事関連3法案、イラク特措法など、この5年の間に様々な法律ができ、自衛隊の活動範囲が拡大し、それに伴う予算も増加した。
見えない脅威に対する歯止めのない防衛策を講じるのか、脅威の本質を見極め、その原因に対処する方策を講じるのか。小さな子どもたちにこれ以上、不条理な死をもたらさないためにも、後者の考え方により多くの人々の支持が得られるよう、NGOの実績を積み上げていきたい。
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