
イギリス時間 7月8日 19:10 (日本時間 9日 03:10)
調査研究担当: 高橋清貴
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G8サミットは終了しました。日本政府はアフリカ支援への増額を改めて発表しましたが、重要なのは言葉だけでなく、具体的なアクションで示すことです。今回の日本政府の表明を受け、JVCから下記プレスリリースを発表します。
緊急プレスリリース
2005/7/9
「日本政府の対アフリカ開発支援」に関して
今回のG8サミットにおける「日本政府の対アフリカ開発支援」に関し、日本政府はこれまで十分に取り組んできたとは言えないアフリカの貧困問題に対して、積極的な支援の姿勢を公式な場で表明したことをまずは歓迎します。しかし、これまで私たちが政府開発援助(ODA)のあり方に関して提言してきたことを繰り返すまでもなく、重要なのは言葉ではなく、具体的なアクションで示すことです。G8というハイレベルの政治の場でのコミットメントは、大枠を決めるものに過ぎません。私たちは、日本政府が、ここでの約束を果たすに当たって、情報公開、説明責任、意味ある市民参加を確保しながら、特にアフリカの草の根の人々の声をしっかり反映させて実施されていくことを期待します。このことを確認した上で、今回の支援内容に関してコメントします。
[1] 5年間で100億ドルのODA増額について
厳しい財政難の中、日本政府はサミット直前までODAの増額はアフリカ向けODAの倍増、「保健と開発」に関するイニシアチブのために5年間で総額50億ドルの拡充に限られていました。サミット直前において、ODA総額の増額を決めたことは前例のない画期的なことだと考えます。しかしながら、今回のサミットは、国連改革、特に日本の安保理常任理事国入りを交渉中という文脈の中で行われたものであり、その意味で今回のODA増額がアナン報告書が示す安保理入りの条件を満たすためのパフォーマンスと取られないとも限りません。今回のサミットのテーマが貧困削減とアフリカ支援であることを確認し、今回表明された支援策がそのために決定したものであることを日本政府は実行をもって示す必要があると考えます。
サミット直前に発表された2005年の「骨太の方針」では、ODAは「事業量の戦略的拡大」という表現で留まっています。今回の増額も、同じ意味で解釈されることになります。日本政府は、どのような財源で増額し、どのような目的に使用するのか、そのビジョンと具体的計画を早急に明らかにすべきであると考えます。
[2] アフリカ支援策の方向性について
日本が今回示したアフリカ支援策の内容は、保健と教育の二つを重要優先分野としてはいますが、全体として、アジアでの経験を元にアフリカに自由主義経済を定着させ、経済成長を促進することに力点が置かれているように思われます。発表された支援内容では、日本が得意とするインフラ支援について明示的に言及はしていません。しかし、日本政府は様々な機会にインフラを通じた経済成長を、アジアで成功させた日本の得意分野として標榜しており、今回のアフリカ支援においてもインフラ支援に重点がおかれるものと推測します(例えば、保健分野支援として水供給のためのインフラ)。アジアのもう一つの重要な経験は、環境や社会に大きな影響を与えるインフラ支援を行うには、住民の「意味ある参加」が不可欠であり、そのために社会環境ガイドラインの徹底などが不可欠です。アフリカにおいて、これが十分に行われるように必要な要件(技術協力や必要な制度作り、内貨予算確保や税制の改革など)に十分な配慮を行って実施されることを望みます。
[3] 貧困削減に対する日本政府の考え方について
貧困削減は、援助のみによって実現するものではありません。特に、アフリカの自立を進めるためには、債務削減や不公正貿易の改革、税制確保を含む必要な制度改革、小型武器の蔓延などの治安状況の改善、人権についての理解の徹底など、様々な要因の連関に注意する必要があります。これまで、日本は貧困削減について経済成長という手段の重要性以外は、いかなる形でも包括的なビジョンと戦略を発表していません。今回のサミットを契機として、日本政府の貧困削減に向けたビジョンを明確に示し、そのためには、現在の複雑なODAの実施制度と構造の改革を進めることを要望します。また、改革に当たっては、2003年にOECDの開発援助委員会が行った日本のODAに対するピア・レビュー報告を参考にすべきです。
[4] 9月の国連特別総会に向けて
貧困問題が、安全保障や人権と密接な連関のもとにあることは、昨年発表されたハイレベルパネル・レポートやアナン報告書『In Larger Freedom』において、特に強調されている点です。9月の国連特別総会は、今回のサミットで表明した約束をより包括的な文脈の下で、日本の考え方を示す良い機会です。日本は、国連改革について、包括的なビジョンと戦略を早急に市民に公開し、市民と議論する場をつくることを提案します。その中で、今回の「アフリカ支援」について検討されることが、何よりもこれまで十分な信頼と支持を得られなかったODAを市民と共により良いものにしていく機会であると考えます。
このリリース関する問い合わせは、
日本国際ボランティアセンター
調査研究・政策提言担当 高橋清貴(kiyo@ngo-jvc.net)
電話:077-3458-6004(グレンイーグルス)
03-3834-2388(東京)
までお願いいたします。
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