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ミスティカとは?体と頭と、"心"を使うワークショップ!メキシコ滞在記【2】

アフガニスタン事業担当 加藤 真希
2018年2月 6日 更新

私のおうちは文化センター メキシコ滞在記【1】編のつづきです。

半年間メキシコで研修を受ける機会を得た私の活動計画では、女性グループや先住民グループなど、各地の市民社会組織で活動している人たちに向けた合宿型のワークショップに参加することを主要目的の一つとしていました。このワークショップの大きなテーマは三つ。市民社会組織(CSO)の強化、アグロエコロジー(有機農業)、そしてコミュニケーション。期間はなんと5ヶ月に亘ります。もちろん毎日というわけではなく、1週間の合宿を毎月実施するプログラムで、6月に始まり10月が最終月、これはトウモロコシの種を撒いてから収穫する時期にも重なっています。

その三つのテーマ全てに関係してくるワークショップの重要な要素として、「ミスティカ」というものがありました。このスペイン語を直訳すると、「儀式」となるのですが、どうもニュアンスが違うような気もするので、ここではそのまま使います。

東西南北の方角には水、風、火、土が表象されているらしい。諸説あり。東西南北の方角には水、風、火、土が表象されているらしい。諸説あり。

ワークショップの初日、最初のプログラムがこのミスティカでした。私にとっては初めての経験です。何かというと、『今日一日この場所を使わせていただきます』と大地・自然に対する敬意を払う行為で、メキシコの先住民の伝統でもあります。(グアテマラでも見かけました。)形式は様々あると思いますが、私たちは基本のエレメントとして、火、風、水、土を象徴するアイテムを並べ、一人ひとりが何かお供えしたいものを持ち寄っていました。花や葉っぱだったり、自分にとって大事なものや食べ物を置く人も。何に思いを込めるかは自由です。

炭と松ヤニで火を起こす。独特のアロマが立ち上る。炭と松ヤニで火を起こす。独特のアロマが立ち上る。

ミスティカは、自然への深い敬意を表す行為であると同時にコミュニティ形成の場でもあります。ワークショップに参加してくる人のバックグラウンドは本当に様々で、あらゆる地域から、活動分野が違う仲間が集い、得意分野もばらばら。年齢層も広い。そのような多様な集まりが輪になり、誰かのリードで自然に対して感謝の意を述べ、このワークショップを通じて多様性を尊重するコミュニティを築きます、という誓いのような言葉をかけます。誰かが何かを共有したければその場にもなります。詩を詠んだり、歌ったり、思い出を紹介したり、悩みを打ち明けたり、なんでも。怒りも、涙も、喜びも、ここでたくさん共有されました。9月にメキシコが大地震に見舞われたときも特別にミスティカを行い、火を見つめながら皆で犠牲者への冥福を祈り、支援方法を考え、私達の生活(自然との向き合い方)を振り返りました。

誰かが誰かの上に立つのではない。常に輪になって並ぶ誰かが誰かの上に立つのではない。常に輪になって並ぶ

ミスティカは毎朝、日が昇る前に始め、ちょうど太陽が顔を出す頃に終えて、スピリチュアルに気持ちをリフレッシュしたその足で畑に出て大地を耕す、という日々でした。

私は正直、初めの頃は毎朝1時間もかけてこの儀式を行うことにどれだけの意味があるのか半信半疑というか、とってつけた感のようなものを持っていたのですが、だんだんと、このスピリチュアルな時間の意義を感じるようになってきました。ワークショップではとにかく動き、議論し、成果物を作り出す作業が盛り沢山です。よくよく考えてみると、そこでフル回転するのは頭と体。でも、ミスティカでは、心を使います。自然と自分、そして自分と人との繋がりを想像して感じる場所です。静かな夜明け前、皆でちらつく炎と立ち上る煙を見つめていると、先住民族の人たちがかつてより大切にしてきた大地との向き合い方が視えるような気がしてくるのでした。

夜明け前から火を起こす。夜明け前から火を起こす。

「儀式」「スピリチュアル」と言うと、少しいかがわしい印象を抱く人もいるかもしれません。けれど実際はそこまで特別なことではなく、全員で準備・片付けをし、身近な植物などをお供えする、日常生活の一部として馴染んだものでした。犬がお供え物を食べてしまった事件も何度か発生したり、寝坊して参加しない人が出てきたり、とても世俗的でもありました(笑)。どんな形式であっても、自然に思いを馳せたり、人間の繋がりを感じてみたりという"心"を使う余裕を、もっと持ちたいなと感じます。

マヤ文明で重要なシンボルであるマヤ文明で重要なシンボルである"豹"の人形がお供え物として置かれていたときも

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