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パレスチナ出張記【3】ガザ入域編(後編)

広報担当 大村 真理子
2017年8月17日 更新

イスラエルによる荷物検査

4月20日朝、堀潤さん、パレスチナ事業担当並木、そして私は現在イスラエルとガザの行き来ができる唯一の検問所、エレツ検問所に到着しました。

「エレツ検問所へようこそ」「エレツ検問所へようこそ」

カメラを持ち込めるかどうかが不安な中、まずは荷物検査。大きな銃を持ったイスラエル兵が検査担当です。(ここからは撮影禁止でしたので、写真はありません。イメージはそのまま、飛行機に乗る際の赤外線による荷物検査で大差はありません)
前日、並木がこの検査に引っかかり、カメラを持ち込めず入域を断念しましたので緊張の一瞬でしたが、結果は・・・【なぜか全員OK】(えーー!嬉しいけど)。

並木いわく、「とにかく流動的。昨日言っていたことが今日翻ることはしょっちゅうだし、理由も提示されないので分からない」とのこと。何はともあれ、ここでモタモタして「やっぱりそのカメラNG」と言われてはいけないので、ここはありがたく早足で通過。もちろん、心の中は、「これで記録ができる、良かった・・・」という安堵でいっぱいです。まずは第一関門突破というところでしょうか。

イスラエルによる口頭での検問

荷物検査が終わったら、続けて口頭での検問です。これも空港と同じようなイメージで、1人1人係員のチェックを受けます。提出するのは、パスポートと入域許可証(イスラエル政府とパレスチナ自治政府に1ヵ月以上前に申請)、受ける質問は人によって様々ですが、私は「何のためか?」「何回目か?」「中で何をするのか?」「父の名前(申請時に家族の名前を提出しています)」でした。ここも全員、無事通過。イスラエルによる検問は以上です。鉄の回転扉を通って(堀さんの動画では2:32頃のシーン)、金網に四方を囲まれた通路を通過し、次の検問に向かいます。

金網に四方を囲まれた通路。次の検問に向かう道です金網に四方を囲まれた通路。次の検問に向かう道です

パレスチナ自治政府による検問

イスラエルの検問を越えても、検問は続きます。今度はパレスチナ自治政府「ファタハ」の検問。パスポートや許可証を提出し、ここはスムーズに終了。そしてここで終わりと思いきや、最後は同じくパレスチナ側「ハマス」の検問です。前回詳細を書きましたが、パレスチナは自治政府を担う「ファタハ」とガザの実質政府「ハマス」でもめているため、検問所も2つに分かれていました。

まとめると、①イスラエル政府による荷物検査 ②イスラエル政府による検問 ③パレスチナ自治政府「ファタハ」による検問 ④ガザ実質政府「ハマス」による検問 の計4回の検問を経て、ようやくパレスチナ自治区・ガザ地区に入域ができたことになります。事前準備として1カ月以上前からパスポートや経歴書、家族の名前や入域理由などを両政府に提出し、それぞれから許可を得ていますが、その上で更に4回の検問を経ての入域となりました。エレツ検問所に到着してからここまで、約2時間が経過していました。

初めての「壁の向こう側」

私にとっては初めてのガザ地区。「高さ8mの壁の向こう側」にようやく到着です。気温は日本の初夏くらいでしょうか。湿度はなくカラっとしています。このあたりはこれまでいた「イスラエル側」と何も変わりません。壁一枚あるだけで陸続きですから、当たり前ですね。上空では鳥も自由に壁を越えて行き来しています。「人間は何をやってるんだろう」と悲しくなりました。

ガザ内部では移動にタクシーを使っています。この日のドライバーは、リヤードさん64歳。リヤードさんの運転で、JVCのパートナーである現地NGOの「Ard El Insan(アルド・エル・インサーン)」の事務所に向かいます。

リヤードさんにはこの後何度も助けていただくことになりますリヤードさんにはこの後何度も助けていただくことになります

リヤードさんは、ガザ地区で生まれ育った男性です。タクシー運転を生業にしてきたそうですが、情勢の悪化により、給料は昔の4分の1程。それでお子さん9人と奥さまを養っていると言います。ガザ地区の失業率は世界最悪レベルの43%ですから、仕事があるだけまだ良いのかもしれません。「仕事がないのは一番辛いこと」とリヤードさんは言います。

ガザ地区は、2014年のガザ戦争で発電所が破壊されたため、現在は1日に2~4時間しか電気が通っていません。「1日にそれだけしか電気が通らなくて、一体何ができると思う?しかも、持ち回りで回ってくるから、いつ電気が来るのか、誰も分からない。病院にすら電気がない」と生活の様子を教えてくれました。また、「あなた達はガザの様子を外に届けるためにここに来た。だから僕は、この街の様子を、あなた達に話す。ここでどんなことが起きているのか、伝えたい。これは世界へのレター(手紙)だ」とも。「世界へのレター(手紙)」。この言葉は、今も私の心に深く残っています。何がなんでもこの手紙を受け取り、持ち帰らなければなりません。

そうこうしている内に、「Ard El Insan(アルド・エル・インサーン)」の事務所に到着です。

ガザ中心部付近。建物は古いですが、「壁」が見えない場所であれば、普通のまちに見えなくもありません。※もちろん占領・封鎖下にあるので、その時点で「普通」ではありませんがガザ中心部付近。建物は古いですが、「壁」が見えない場所であれば、普通のまちに見えなくもありません。※もちろん占領・封鎖下にあるので、その時点で「普通」ではありませんが
荷物や人を運ぶ馬車も活躍荷物や人を運ぶ馬車も活躍

次回は、ガザ地区に住む人々の声をお届けします

(今回は2:32~4:00頃までのお話でした)

<パレスチナ出張記【4】につづく>

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