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2016年8月23日 【 谷山の眼 ~NGOの視点から

戦後71年を迎えて

~NGOが感じる日本の外交政策への危機感~
JVC代表理事 谷山 博史
2016年8月23日 更新

現代の戦争は長期戦

現代の戦争は「対テロ戦争」という形態を取ることがほとんどです。「対テロ戦争」には明確な戦闘の前線がなく、戦闘員と非戦闘員が分かれているというものでもありません。「住民の中で戦われている戦争」であることが現代の戦争の特徴です。結果として、民間人に被害が出やすくなります。また、「テロリスト」の側に国家のような指揮系統が無いことが多いため、終戦交渉が難しい。そのため、戦争が長期化しがちです。

アフガニスタンの事例から学ぶ

JVCが医療支援を行っているアフガニスタンでは米軍をはじめ有志連合がタリバン殲滅のための対テロ戦争を行うと同時に、国連によって派遣された多国籍軍の国際治安支援部隊(ISAF)がアフガン政府を支援するという形で安定化作戦を行っていました。異なる目的と指揮系統をもつ2つの外国軍が「テロリスト」相手の軍事作戦の中で境界線を失い、住民を巻き込んだ戦争の泥沼に陥っていきました。私がアフガンに駐在していた2006年2つの軍隊は統合され、後方支援を名目としたISAFも住民と混在する敵の攻撃に晒され、防御が反撃に、反撃が過剰な攻撃へとエスカレートし、多くの罪のない住民を殺しました。

安法法制が可決され、日本が戦争に引きずり込まれる

昨年、与党の強行採決によって安全保障関連諸法が成立しました。安保法制で規定されている自衛隊の活動のありかたは、全てにおいて言葉でどうつくろうとも、自衛隊が戦闘行為に踏み出すことを示しています。「駆け付け警護」で武装勢力と交戦し、相手を鎮圧したり、国際平和支援法や重要影響事態法の実施において他国軍を「後方支援」したりするということは、紛争の当事者になることです。戦闘に一度参加すれば、住民を巻き込んで被害者を生み出すことになるでしょう。アフガニスタンでは「後方支援」を名目に多くの外国軍が同国に駐留しました。駐留していた多くの外国軍は戦闘に巻き込まれ、過剰な攻撃をして住民を殺すはめに陥りました。こういう状況をよく知っているアフガニスタンのNGOからも日本の安保法制に対して強く反対する声があがっています。

日本が取るべき外交は

「対テロ」戦争は終わりのない戦争です。アメリカやNATO諸国は日本をこの戦争に巻き込もうとし、日本は自ら巻き込まれようとしています。しかし、アフガニスタン・イラクの「対テロ戦争」でその限界が明らかになりました。どんなに強大な武力を用いても、紛争の解決はできず、状況を泥沼化させただけでした。

しかし、そのような状況の中日本は武力を用いず、支援と援助を行ってきた日本は「平和のシンボル」として尊敬を集めてきました。アフガニスタンやイラクで、平和を達成できなかったのは、日本が「普通の国」として武力を行使しなかったからではありません。逆に、武力によって紛争解決はしない国だからこそ、ほかにとるべき道がありました。それは、中立性を活かした紛争当事者たちの調停であり、中立的な民生支援です。今、日本が失おうとしているもの認識し、日本だからできることを考えるべきです。日本が平和主義のもとで戦後70年培ってきた国際社会の中での信頼の資産が今失われようとしています。この終わりのない戦争の時代に日本が果たすべき役割は武力によらない紛争の解決なのです。

アフガニスタンに展開する米軍車両アフガニスタンに展開する米軍車両

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