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2016年5月 9日 【 スタッフインタビュー2015 :17 】

第17回:南相馬事業担当 白川徹

2015年度広報インターン 渡辺 由香
2016年5月 9日 更新
一見ちょっと怖そうですが、話すとやさしい方です一見ちょっと怖そうですが、話すとやさしい方です

こんにちは。2015年度広報インターンの渡辺です。年度が変わってしまっていますが、引き続き、スタッフインタビューをお届けいたします。第17回は、南相馬担当の白川徹さんです。白川さんはJVC職員になる前は、紛争地を扱うジャーナリストだったそう。21歳の頃にはアフガニスタンでの取材をおこなった経験をお持ちです。そんな異色の経歴を持つ白川さんが今なぜ、NGOの職員となり、福島県南相馬市を担当しているのでしょうか。そこにはどんな背景があったのでしょうか。探っていきたいと思います。

もともとはジャーナリストであったと聞きました。なかなか周りにいない職業なのですが、どうしてジャーナリストになろうと思ったんですか?

中学生のときから、ジャーナリストになりたいという夢を持っていました。ちょうどイラク戦争やアフガニスタン戦争が起きた頃で、一般メディアがあまり伝えていない事実を、自分の目で見て発信していたジャーナリストの人がいて、それに憧れたのがきっかけでした。最初は記者になりたいと思い新聞社に入りたいとも思っていましたが、新聞社で特派員になれるのは30際以降だし、行きたい場所に行けるかも分かりません。ですから「もう自分でやるしかない!」と思い立って、フリーランスのジャーナリストになりました。オーストラリアの大学に在学中、大学を放り投げて日本に帰国し活動をはじめたので、21歳の頃のことでしたね。日本ではアジアプレスインターナショナルという、フリーランスのジャーナリストの集団の代表に無理やり弟子入りして、基本的なことを教えてもらいました。

なかなか普通じゃないですね(笑)。その後、どのような活動をされたんですか?

2006年の12月、初めてアフガニスタンに入りました。アフガニスタンのカブールはとても寒いところで、マイナス20度にもなるような場所でした。難民キャンプに行き取材をしていくと、毎日、寒さと飢えで人が死んで行きました。こうした現実を目にして、生の人間たちと接していく中で、改めて、この事実を伝えなければいけないと強く感じたことをよく覚えています。目の前で死んでいく人がいても、それを伝える人がいなかったら、それは僕たちの社会ではなかったことと同じことにされてしまう。それが嫌で、伝えたくて、とにかく必死でした。

アフガニスタンで取材中の白川さん(写真中央)。10キロの防弾チョッキを背負っていますアフガニスタンで取材中の白川さん(写真中央)。10キロの防弾チョッキを背負っています

日本に帰ってきて、100件くらいのメディアに片っ端から電話をかけました。当時、アフガニスタンのイシューはニュース・バリューが低いネタとして扱われていました。電話なんてすぐに切られてしまうことが多かったです。そんな中、諦めずに活動を続けていくうちに、少しづつ『AERA』、『DAYS JAPAN』、『週刊金曜日』などの媒体に取り上げてもらえるようになりました。ジャーナリストになりたての20代の若者だったけど、徐々に新聞社や雑誌などから仕事をもらえるようになりました。

ジャーナリストはある意味、危険地帯に行くことが仕事だと思いますが、恐怖心などはないんですか?

白川さんの著書『悲しきアフガンの美しい人々』(アストラ・2011年)。アフガニスタンの人々の怒り、絶望、怯え、希望が60数枚の写真とともに記録されています。白川さんの著書『悲しきアフガンの美しい人々』(アストラ・2011年)。アフガニスタンの人々の怒り、絶望、怯え、希望が60数枚の写真とともに記録されています。

もちろん迷いもあるし、当たり前に怖いです。僕だってできれば戦場には行きたくありません。でも自分がやらなきゃ、誰が事実を伝えるんだろうか?誰もやらないなら、自分がやろう。そういう覚悟のもと、取材を行っていました。どんな人にもやるべき使命があると僕は思っていて、それが僕にとっては伝えること、ジャーナリストになることでした。僕にとっての敵は人々の無知や無関心。それらと戦うために、伝えるために、ジャーナリストを続けていました。

どうしてJVCの職員になったんですか?

ジャーナリストとして活動を続けていくうちに、僕はだんだんと疲れ切ってしまったんです。金銭的にも体力的にも厳しい仕事であるし、世の中の人々になかなか響かないことにも疲れてしまって。自分の心に休息を与えることが必要だと思って、1年、立ち止まる期間を設けようと思ったんです。それで応募したのが、JVCのインターンでした。もともとアフガニスタンで活動を行うJVCは僕の取材の対象であり、現地での取材で協力してもらっている関係でした。そんな縁もあって、1年間、アフガニスタンのインターンとして採用をされました。そして2011年3月、あと1ヵ月で1年のインターンがはじまるという時に起きたのが東日本大震災でした。僕は被災地に取材に行こうと、福島県の南相馬市に向かい、原発の目の前まで行きました。そしてその被害の大きさに息を飲みました。支援も行き届いておらず、津波の被害地域では防護服を着た警官が遺体捜索をしていました。痩せこけた牛や馬、死んでしまった犬まで散乱していました。想像以上の被害に頭の中で整理がつけられず、僕はその場で取材することができなくなってしまったんです。

取材って、する方もされる方も本当にしんどいものなんです。今まで僕はアフガニスタンでは、どんなに傷ついた人にもカメラを向けてきました。それは彼らにすごく共感をして、同じ人間として「伝えたい」と思ったからでしたが、なぜか、南相馬市の人たちには同じようにはできませんでした。だから僕は取材をやめて東京に戻りました。もやもやした気持ちを抱えたまま、JVCでのインターンが始まりました。始めて2、3週間が経った頃、事務局長の長谷部さんに呼ばれて、「アルバイトがあるんだけど、興味はないか?」と声をかけられました。そしてその作業を手伝っているうちに、JVCが新たに始めることとなった南相馬の事業の担当職員になることになりました。正直、いろいろなことで頭がいっぱいな中、いつの間にかJVC職員になっていました(笑)

何か強い縁を感じますね。職員になってみていかがでしたか?

南相馬事業で関わる皆さんと。変えたい対象が南相馬に移っただけで、自分の使命には何ら変わりがないと言い切る姿が印象的でした南相馬事業で関わる皆さんと。変えたい対象が南相馬に移っただけで、自分の使命には何ら変わりがないと言い切る姿が印象的でした

正直決算やレポートも初めての経験ばかりで大変だったけど、やっていくうちに自分の中にしっくりくるものを感じるようになりました。それまで僕はジャーナリストだった訳ですが、ジャーナリストとNGO職員はやっている内容はもちろん違うけど、車の両輪の関係みたいなものであるように感じたんです。「世界をちょっとでもよくしたい」という思いで動いていることは共通していましたし、僕にとっての敵は人々の無知や無関心ですが、それらをなくすために自分自身で動いて発信をしていくということのできる場でもありました。

現在、南相馬の事業では仮設住宅で人々が集うサロン運営の活動をしています。これをやらなければ、仮設住宅で行き場がなく、孤独死してしまう人が出たかもしれません。僕がやらなきゃできなかったかもしれないこの活動で、変えられたのは小さなことかもしれませんが、それでも、「変えられた」という小さな事実が、自分を支えてくれています。

インタビューをしてみての感想

ジャーナリストとNGO職員の2つの顔を持つ白川さんは、視点をたくさん持っている人だなと感じました。自身で見てきた事実を熱く話してくださる姿にすっかり引き込まれたと同時に、いろんな視点からの話を聞けて、発見がたくさんありました。怖くても自分の使命と向き合っていくところに、真の強さを見ました。

次回予告!

白川さんが「JVC1の美人!」とおっしゃるあの方にインタビュー!

絵は苦手なようです(笑)絵は苦手なようです(笑)
撮ることは多いが、カメラを向けられることはあまりないという白川さんの面白い表情を頂いちゃいました!撮ることは多いが、カメラを向けられることはあまりないという白川さんの面白い表情を頂いちゃいました!

■白川が担当する南相馬事業詳細、ご支援はこちらから
■4月25日~29日、自身の南相馬での経験を生かし、白川は熊本地震の現地調査に入っています

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