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第4回:カンボジア事業担当 山崎勝

2015年度広報インターン 清水 春香
2015年11月26日 更新
「自分で食べるものは自分で作りたい」という思いから、農業をはじめた山崎さん。「自分で食べるものは自分で作りたい」という思いから、農業をはじめた山崎さん。

こんにちは。広報インターンの清水です。
スタッフインタビュー第4回目は、カンボジア事業担当の山崎勝さんです。山崎さんは私(清水)の通う大学で、「国際NGO論」という国際協力のあり方やNGOの活動について学ぶ授業の教鞭をとっていたこともありました。先生に取材できる機会なんて滅多にありません。生徒の一人としてグイグイ探っていこうと思います!

まず、国際協力に携わろうと思ったきっかけは何ですか?

高校生の頃から漠然と海外に行きたいと考え、大学では国際関係を学びました。大学時代はアルバイトでお金を溜めては海外へ行ったり、自転車で国内を旅行しました。もう20年も前の話ですが、初めて行ったパキスタンで体調を崩してしまい、サッカルという中部の街で、たまたまバスで隣に座った方にとてもお世話になりました。自分たちの食べる分を削って、私の食事の世話もしてくれました。その時に初めて、海外に行くのであれば、「自分で食べるものは自分で作りたい」と思うようになりました。これが農業に興味をもったきっかけです。

大学三年生になってはじめた就職活動では、海外で仕事をしたいという思いから船会社に就職したいと思っていたのですが、不景気の影響で採用の枠がほとんどなく、「この際、学生のうちに農業してみるか」と大学を休学して栃木県にある農村指導者養成専門学校のアジア学院へ行くことにしました。小さいころから親が家庭菜園をしたこともあり興味はありましたが、この決断にいたったのは、やはりパキスタンでの経験が大きいですね。

アジア学院では、どんな経験をしたのですか?

アジア学院ではいろいろな国の人がいたので面白かったのですが、価値観の違いで衝突してしまうこともありました。ただ、バックグラウンドの違いから衝突してしまっても、みんな、「平和で健康に生きたい」という根底にある想いは同じだということに気が付きました。様々な生き方をしてきた人びとに会って話を聞いたことがとても良い経験になり、「もっとたくさんの人に会って話してみたい」と考えるようになりました。同じことは、数十年たった今でも強く思います。

そして、アジア学院で2年間を過ごし、どこかで農業をしたいと思っていました。そんなときに知人から「NGOがカンボジアで職員を募集しているみたいだよ」と教えてもらい、応募したのがこの世界に入ったきっかけですね。もともと国際協力に興味があったとか、なにか大きなきっかけがあったというよりは、さまざまな偶然が重なって、今こうして国際協力に携わっています。

大学時代、シリアのラタキアでの1枚大学時代、シリアのラタキアでの1枚
同じく大学時代、ダマスカスのボーリング場で会ったシリアの青年と同じく大学時代、ダマスカスのボーリング場で会ったシリアの青年と

話は変わりますが、学生時代に居酒屋のバイトで名物店員だったと聞きましたが(笑)。

居酒屋でのバイトは、なかなか面白かったです。あの頃は、まだ、景気が良かった時期で、お客さんも多く忙しかったのですが、地元のお客さんなどとも知り合いになりました。「今日、山崎君入ってる?」と店に電話がかかってくることもありました。あとは、私がバイトに入っているとだいたい友人が飲みに来て、結局、その後、僕の部屋で飲んでいました。さらに、バイトに入っていない日は、バイトしていた居酒屋に飲みに来てしまうので、結局、ほぼ、毎日居酒屋に行っていました。ですので、バイトで稼いだ分も結局、ほとんど飲み代に消えていました。でも、居酒屋のマスターとおかみさんには、公私共にすごくお世話になりました。いずれにせよ、大学で講義を受けていた時間よりも、圧倒的に居酒屋にいた時間の方が長いことは間違いありません。それだけ、そこで学んだことも多かったでしょう。

さて、本題に戻って、これまでずっとカンボジアに関わる活動を中心にされていますが、カンボジアへのこだわりはなにかありますか?

特にカンボジアにこだわっているという意識はありません。極端な話、どこの国でもよいのですが、これまで培ってきたカンボジア人スタッフや友達などの人間関係があるので、これからもカンボジアに関わる活動はやっていきたいと思っています。もちろん、カンボジアやカンボジアの人たちのことは好きです。この前も一緒にバーベーキューをしてきました。

僕はカンボジア人の生き方が好きです。2000年に別のNGOのスタッフとしてカンボジアに派遣されたばかりの頃、大洪水が発生して米の緊急支援を行いました。そこであるおばあさんが「残り僅かな米を食べ終えたら、もう死んでしまうと思っていた」と、とても支援に感謝していました。その時、身近に「死」があることを思い知らされましたが、「朝、目が覚めたこと。今日ここに米があること。いま生きていること」に素直に感謝するカンボジア人は率直にすごいと思いました。どう生きるかということの前に、今、生きているということに感謝することを自分は忘れてしまっていたな、と。こうした彼らへの尊敬の気持ちが、僕がカンボジアに長く携わる理由の一つかもしれません。

先日も出張へ行っていましたが、カンボジアではどんな一日を過ごしていますか?

現地事務所には、数十名のカンボジア人スタッフがいますが、私が出張に行ったときは、会議をしたり、村を歩き回ったりしています。スタッフには、遠慮せずにガンガン自分の意見をぶつけています。日本にいるときとは違って、かなり厳しくスタッフには接していると思います。ただ、それは、彼らが目指すカンボジアの姿に、少しでも近づける手伝いをしたいからです。

僕は5年前に帰国しましたが、それまでは10年間、カンボジアで活動をしていました。2004年からJVCで働いていますが、今でも当時から一緒に働いていたスタッフが何名か現地事務所で働いています。また、私が出張すると、昔のスタッフが会いに来てくれたりします。こうしたスタッフや農家を始め、カンボジアで出会った人たちから多くのことを学びました。今度は、カンボジアを通して自分が学んだことを、他の若いスタッフに伝えていかなくてはいけないと思っています。ですので、カンボジアに出張に行く時間は、とても貴重ですし、スタッフと話していると、つい、熱が入ってしまいます。

何か、エピソードはありますか?

カンボジアで日々の水汲みの大変さを体感する岩田さん。カンボジアで日々の水汲みの大変さを体感する岩田さん。

JVC気仙沼事務所の岩田くんがカンボジアへ来た時、植林をしている森を一緒に見に行きました。すると、そこには植えてはいけない外来種が植えられていました。それを見て、炎天下で立ったまま2時間ぐらい、スタッフと議論したことがあります。クメール語で話していたので、何を話しているか分からなかったとは思いますが、出張に来た岩田くんもびっくりしたでしょう(笑)

なぜ外来種を植えてはいけないんですか?

必ずしも植えてはいけないという訳ではありませんが、そこは、森林を再生することが目的で活動を進めてきた場所でした。ですので、もともと森にあった木を植えることが基本です。また、生育が旺盛な外来種を植えてしまうと、もともとあった木が育たなくなってしまったり、森で育つ動植物等の種類も変わってしまいます。

先ほどの話ですが、僕が炎天下のもと長時間スタッフと議論をしたのにはもうひとつ理由がありました。森に、苗木が入っていたプラスティックの袋がそのまま捨てられていたのです。僕は衝撃を受けました。そして、なぜ目の前で起きていることが良くないと思うのか、これからどのようにしていくのかについて、とことん話しました。そのままにしたくない、スタッフに分かって欲しいという気持ちがありました。スタッフは理解をしてくれ、ゴミは回収し、翌週にはスタッフ総出で植えてしまった外来種を抜きに行ったそうです。

カンボジア人スタッフへの説明には時間がかかりますが、まずは現場を一緒に見て、どうしてそのようにするのか彼らの話をきき、一緒に問題を見つける。そして目指す未来に向け、これからどうしていくべきかを話し合う。これが何より重要だといつも思っています。

カンボジアの方と結婚されていますが印象に残るエピソードはありますか?

ん~日々が印象的かなぁ。夫婦はどんどん似てくるね。彼女は人として面白く、尊敬しています。きっと、自分にはないものを持っていて、こういう人になりたいと思うから似てくるんだと思います。そう考えると、日本人とかカンボジア人とか関係ないんじゃないかな。日本人同士でもお互いの考えを理解する必要があるしね。言わなくても分かるでしょ、という感覚がないので、逆に楽です。ちなみに、僕の結婚式では現在、JVCラオス担当をしている平野さんが付添人として参加をしてくれましたよ。

カンボジアの結婚式には「付添人」がいるんですか?仲人のようなものですか?

付添人を務める現JVCラオス担当の平野さん。当時30歳。(2005年1月15日、カンボジア/スバイリエン州で撮影)付添人を務める現JVCラオス担当の平野さん。当時30歳。(2005年1月15日、カンボジア/スバイリエン州で撮影)

まあ、新郎新婦の世話役という感じですかね。新郎に男性3名、新婦に女性3名の付添人がつきます。付添人は独身で、新郎や新婦より背が高い人や肌が白い人は駄目と言われていましたが、多くの場合、新郎新婦の友人などが努めていると思います。当時、平野さんはカンボジアの別の団体でインターンをしていて、僕はJVCカンボジア事務所で働いていました。お互い、何か気があうところがあり、頻繁に飲みにいったりしていました。その後平野さんは一度NGOを離れ、イギリスの大学院へ留学に行きました。カンボジアで彼のお別れ会をしたときに、僕の嫁がジャスミンの花輪を買ってきて平野さんと奥様にかけてあげていたのをなぜかよく覚えています(笑)それから10年が経って、縁あって平野さんがJVCで働くことになり、いまは机を隣に並べて働いている。縁って面白いですね。当時はまったくそんなこと考えもしなかったです。

これからのキャリアで思い描いていることはありますか?

特にキャリアということは考えていませんが、のんびり生きていきたいですね。余裕がなければ面白いアイディアも出てこないし、良い仕事もできないと思います。いろいろな経験をして、知見を広めていくことも大切だと思いますので、そういう時間は欲しいです。でも、僕を必要としてくれる場所があればそういうところにいきたい。何か一緒にやりたいというところがあれば、可能な限りやっていきたいです。なので、結局は、忙しくなるのかもしれません。それでも、時間に追われて働くだけではなく、じっくり、感謝しながら生きて行きたいと思っています。

【インタビューをしてみての感想】

インタビューは始終、笑いっぱなしです!インタビューは始終、笑いっぱなしです!

私の中では、カンボジアといえば山崎さん。そんなミスターカンボジアのルーツを知ることができました。いつも冗談を飛ばして周囲を和ます山崎さんですが、話が本当に面白いので、インタビュー中だけでなく今この記事を書いているときもついつい思い出し笑いをしてしまいます。(清水)

※山崎さんがJVCの会報誌に書いたコラムがあります。ぜひ、こちらもご覧下さい。

【次回予告!】

さらっと書きあげたとは思えない、クオリティーの高さ...。色まで付けてくださいました!さらっと書きあげたとは思えない、クオリティーの高さ...。色まで付けてくださいました!

次回は、山崎さんが
「品行方正、寛仁大度」とおっしゃるあの方にインタビューします。乞うご期待!

■山崎が担当するカンボジア事業詳細、ご支援はこちらから

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