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2012年8月22日

【映画評】
『モンサントの不自然な食べもの』

会報誌レイアウト・総務担当 細野 純也
2012年8月22日 更新

遺伝子組み換え作物について、その安全性や倫理性などに関して大きな議論/論争があることは、本誌を読まれている方ならご存知の方も多いと思う。この映画は、そうした遺伝子組み換え作物を取り扱っている「モンサント」という企業を取り扱ったドキュメンタリーである。

特定の除草剤とその除草剤に強い(枯れないように遺伝子操作をした)穀物の種の両方を販売する→その種と除草剤の両方使えば、雑草が一切生えなくて効率的だから。その種は遺伝子操作して作った「自社商品(特許取得済み)」なので、それを育てて得られる種を農家が自家採種することは許さない→(たとえ意図していなくても)それは「知的所有権の侵害」にあたるから。世界中の種子会社を買収し続けている→こうした種は生産性も高く食糧問題の解決策であり、またバイオ燃料の原料としても着目されている、これを世界中に広めたいから――。

私自身この映画を観るまで勘違いをしていたのだが、この映画は、「遺伝子組み換え作物」そのものを問うものではない。数十年をかけていまや遺伝子組み換え作物市場の世界シェア九割を握るまでにいたった一私企業「モンサント」の、その企業としての立ち振る舞いを追求するものである。

個人的には、遺伝子組み換え技術という新しい技術が、その活用の仕方によって、結果として関連産業の現場の主役であるはずの農家から生産手段、ひいては生活の選択肢を奪っていることが残念であると同時に、そら恐ろしさを感じる。

よくあるような、技術革新とそれに対する規制、利益追求と倫理や持続性のせめぎあいという観点から理解することもできるが、それにしても、人々が主食を食べることをためらわざるを得ないような、しかし「もうかる」仕組みの評価は、大きく分かれるところだろう。

そして、その評価が確定するまで待っていたら取り返しがつかないことになる(=在来の種が滅んで遺伝子組み換え作物に依存せざるを得なくなる)ということこそがこの問題の核心ではないだろうか。

【監督:マリー=モニク・ロバン/フランス、カナダ、ドイツ/2008年/108分】

2012年9月上旬以降、ロードショーが予定されています。詳しくは、配給会社であるアップリンクのウェブサイトから。http://www.uplink.co.jp/

※この記事は、JVC会報誌Trial&Error no.297に掲載したものです。

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