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南相馬の仮設住宅では...- 南相馬通信5

震災支援担当/ アフガニスタン事業担当 谷山 由子
2014年10月27日 更新

「小さな一歩、されど一歩」

今年も、南相馬市の原町区に子どもの遊び場『みんな共和国』が新しい姿でお目見えした。そもそものきっかけは、2012年2月、震災や原発事故で揺るがされた郷土の絆や誇りを見つめ直し将来を語り合おうと開催されたイベント"南相馬ダイアローグ"での若い親たちの訴えだった。

当時、市内を子ども連れで歩くだけで、なぜ避難しないのかと見られているようでつらかったという。「子どもをふつうに外で遊ばせてあげたい」という願いを叶えようと、ダイアローグから生まれた『みんな共和国』の遊び場づくりがその年の秋から始まった 。

除染が進んでいなかった当時は広い体育館など屋内施設を遊び場に仕立ててきたが、回を重ねるごとに形を変え、今回は水遊びのできる浅くて衛生的な池、"じゃぶじゃぶ池"が屋外に登場した。池が作られた高見公園は除染が済んでいるため線量も低く安心して遊ばせることができる。遊び場で当たり前の子どもの歓声が、2年前は聞くこともできなかった。南相馬の人たちの力が、将来にむけた道をまた一歩切り開いた。

原町区の中心から離れ田畑の広がる地域に目をやると、稲田が所々であおあおとした葉を茂らせている。昨年は殆ど見られなかった光景だ。地元の農家によると、昨年は規制があり試験田のみでの作付けだったが、今年は原発から20km圏外は希望を出せば実証田と位置づけ、収穫した米にセシウムが検出されなかった場合は販売していいことになったという。実証田の一部で、今年初めて太田川流域の水田11haを対象に、新潟大学農学部と協力し土壌・空間・米の放射能測定を開始したそうだ。上流から流れてくる水が土壌や稲のセシウム濃度にどう影響してくるかを探る。

二本松市の東和地区で同様の調査を行なっており、それに倣ったもの。農家が稲作を躊躇するのは、セシウムが出たらどうしよう、売れなくなるという心配もあるからだ。震災後ストップしていた集落単位の農家の座談会(JA主催)を再開させれば、測定の結果を踏まえて何に注意して稲作をすれば問題がないかを農家が知ることができる。また一歩、来年は少し前進するのではないか。農家と共に期待している。

本稿は雑誌『オルタ』2013年9月号に掲載された記事を再編集したものです。記載されている状況や情報は、現在と事なる場合がございます。ご了承ください。

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