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南相馬の仮設住宅では...- 南相馬通信4

震災支援担当/イラク事業担当 谷山 由子
2014年9月 2日 更新

「避難3年目、それぞれの夏」

仮設住宅のサロンに通うのが日課になったち語る利用者たち仮設住宅のサロンに通うのが日課になったち語る利用者たち

1ヶ月ぶりに仮設住宅の集会場にある"サロン※注(1)"を訪問した。避難生活を送っている人たちのための交流の場として、1年ほど前から地元のNPOとJVCが協力し開いている。

"サロン"は、今や住民の生活空間の一部になっている。毎日散歩の帰りに寄り、出してもらったお茶を飲みながらマッサージ・チェアの順番を待つ人たちとひとしきりしゃべった後、自分の仮設住宅の家にもどる。そんな日常のようになった風景が、うがった見方をすれば不安定な暮らしの中に編み出された安定のように見える。

そんな仮の安定に、さざなみが立ち始めた。ひと世帯、またひと世帯と仮設住宅を出ていく。原発から20Km以上離れた原町区や鹿島区に新たに土地を求め家を建てた人たちが引っ越しを始めたのだ。多くが旧警戒区域の小高区でも放射線量が比較的高い居住制限区域の住民だったり、津波で家を失った人たちと聞く。まだ件数はそう多くはないようだが、そうと知ると将来のことを考え誰もが浮足立つ。変えるのか、引っ越すのか、資金はどう工面するのか、全額補償など出るはずもない。それ以前に、除染が終わっていない。

変えるのか引っ越すのかの選択を迫られる市内の避難者同様、あるいはそれ以上に市外あるいは県外に避難している人たち※注(2)の暮らしは荒波の中にある。『原発事故子供・被災者支援法』が成立して1年がたった今年6月21日、参議院議員会館で開かれた原発被災者の話を聞く集会に参加した。福島市から母子だけで避難した方のように『県外に避難したことで二重生活による経済的負担も健康師団の費用も補助が出ず、物心両面の負担がのしかかっている』という深刻な状況が捨て置かれたまま、未だ法律は実施されていない。政府を始め日本に暮らす私たちは、原発再稼働の賛否を問う以前に、まずこの声に向き合う責任がある。

※注(1) 南相馬市の仮設住宅には2種類のサロンがある。ひとつは社協が週1回半日開くもの。もうひとつは定休日以外毎日開く常設のもの。前者は3,4ヶ所ある仮設住宅すべてで実施され、後者は鹿島区の7ヶ所で地元の団体などが運営(うち4ヶ所をJVCが支援)。常設では茶菓やマッサージ機のサービスのほか、ヨガや手芸教室などが定期的に開かれている。

※注(2) 福島県から県外への避難者数は、自主避難も含め2013年6月6日時点で約5万4000人(東日本大震災復興対策本部「震災による避難者の避難場所別人数調査」より)。南相馬からの県外避難者数は9508人。

本稿は雑誌『オルタ』2013年8月号に掲載された記事を再編集したものです。記載されている状況や情報は、現在と事なる場合がございます。ご了承ください。

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