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インターン12期生終了、それぞれの道へ。(vol.1)

タイ事業担当 宮田 敬子
2012年7月26日 更新

2011年8月末から始まった「タイの農村で学ぶインターンシッププログラム」は2012年3月末、12期生6名が終了した。

インターンの経験は人生の岐路になる。それほど自分自身を、生き方を、根本から見つめ直す強烈な体験をする。それは、その後の人生を大きく左右する。熱く、濃い気持ちを体験していない方にも共有したい。インターン生が様々な思い、決意を抱き帰国をして一ヶ月経過した最終報告から抜粋して掲載する。

タイでの経験を日本の生活に落とし込んでいく

佐藤 貴徳

国際協力には資金が大事だろうということは昔から思っていた。それは単純にテレビで募金を呼びかけているのを子供の時に見て強く印象に残っているからだ。それから専門的な知識、技術を持っている人の仕事だとも思っていたし、今でもそう思う。

多くの人が世界の問題に対して何かしたいと思っている人は多くいる。募金や寄付は手軽に関わり考えることができるきっかけだ。スタディツアーなどもわざわざ高い金を払ってまで現地に行くことはなく、そのお金をそのまま募金すればいいのではとも思っていた。

正直、自身が参加した今インターンシッププログラムについてそのあたりの葛藤もなくはなかった。情報は膨大ゆえ取捨選択が難しい。より質の高いより興味の湧く情報に目を奪われ、判断が鈍り決断に時間がかかる。人間は損得勘定で動くものなのだろう。自分が取った行動によるリアクションを求める。10万円を募金するよりもそれでスタディツアーに参加する。実際どっちが有益なのかは図りようがないがこれも国際協力・支援の形なのだろう。もちろん現地の人が望んでいればの話だが。

1万円で出来ることはたくさんあるが、現地に行って僕らに何ができるだろうか。数十万といえばなおのこと、お金では計れない価値を知るには遠回りにも思えてくる。変な話体験談を聞けば、予想通りの答えが聞けるだろう。その答えから多くの人は何を思うだろうか。

もしも体験談が予想されるものであれば、高額のお金を支払ってまで海外に行くことはない。しかし現在の潮流は気軽に手軽にボランティア、ハードルが低く誰でも参加できる、お金さえあれば。やはり自分自身で体験、実感したいのだ。

僕等には十分すぎるほどの情報が用意されている。テレビ、本、ネットから世界を知ることが可能だ。もしも世界にある問題の何か一つにでも強いイメージを持つことができるならばわざわざ海外に出向くことはない。現地で活動している人の話も講演等を通して聴くことができる。思いを巡らすその想像力が、現代に都会に生きる人間にはもしかしたら欠落しているのかもしれない。

考えは強制するものではない、求めるものをぶつけても手に入るとは限らない。だけど実感できる経験―食するという一連の流れや自然との触れあいなど―が少ない特に都会では他者を介しての経験からは導きにくいと思う。

隣人の顔を知らない、知らない人とは口をきけない今の社会では予定調和の人間関係を求める。個の尊重は壁を生み、他者への関心も薄れ、自分にとって都合のいいものだけを選べるようになった。

それでもどこかで人は人を求めている、もっと世界と関わりたいと思っている。だからそういった人たちにとって、気軽に参加できるスタディツアーはいいきっかけであるのだろう。結局は非日常、つまりは刺激があるから参加する。それでも意識の変革、価値観の変容が起これば日本での生活にも影響し、もしかしたら身近な人たちを巻き込める。

僕はタイでの生活の中で何を一番に伝えたいかと自問したが、今のところない。環境への負荷をいくらかでも軽減するために合成洗剤を使わないか減らしていくとか、必要以上のものを買わない、地域の活動に参加するなど考えることはできても自身がやるかどうか、やりたいかどうか行動に移るまでの助走が長いのだ。

日本での生活の中で改めて思い直す時が来れば、きっとそれが伝えたかったこと、大切だと思ったことだと思う。比較することで見えてくることもあるが、ないものねだりの感は否めない。それでも日本での暮らしにどう落とし込めるかが大切だ。

身近にできることから少しずつ四六時中考えなくてもいい、甘いかも知れないが長く続けていくには自ら始めようとする気持ちと、楽しめる要素が必要なのだ。時には辛い思いをしてまでも誰かの為に身を粉にして働いたり考えたり行動して自身の何かしらを犠牲にする覚悟も必要になるだろう。僕の理想はそこにあった。

確かに必要と思えることではある。でもそれで自分が楽しめるのか、笑顔でいられるのか。自分をもっと大切に思うなら少しの弱さや甘えも許されるのではないか。一番は長く続けていけること。言ってしまえば死ぬまで続けられること。家族を思い友人を思い故郷、国、そして地球のことを思い続けることが一番強いのではないか。

それは守るべきものがあってこその感情であり関わりの中にしか生まれてこない。同時にそれは僕自身が蔑にしていたこと。タイでの生活で僕はその煩わしさとかけがえのなさを感じることができた。国際協力とはなにか言ってしまえば、何もわからない。

自分の生活の見直しや心遣い、家族や友人たちとの交流、もっと自分に近いところから始められることがある。世界はつながりそのもの、今の暮らしの中で何ができるのかを本気で考えることも国際協力であろう。今はそう思う。

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