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帰らない命

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2015年4月28日 更新

「みんな、カドグリから逃げ始めている。バスは毎日予約で一杯だ。バスに乗れない人がトラックの荷台にあふれている。カドグリはもうすぐ空っぽだ」

電話口のマルガニさんの声は、切迫しているというよりは、何か怒りを抑えているように聞こえました。カドグリ市内で商店を営む彼は、ずっと以前、私がカドグリに駐在していた頃からの知り合いです。首都ハルツームの私にかけてきた久々の電話で、何かを訴えたかったのかも知れません。

「いったい何のための選挙なんだ」
「マルガニさん...」
「選挙なんて、争いのもとになるだけだ。4年前のこと、覚えているだろう」

4年前、州知事選挙を引き金に始まったカドグリの市街戦。私は無事に首都ハルツームに退避しましたが、彼は店を略奪され、財産を失いました。マルガニさんだけではありません。戦闘は州内に広がり、村々は空爆を受け、家は焼かれ多くの家族が引き離されました。それは南コルドファン州の人々の記憶に深く刻まれたまま、今また「選挙」が近づいてきたのです。

操作係は女には無理?(3)

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2015年4月22日 更新

前回から続く)

研修初日、操作パネルの使い方を学ぶ。カラフルな服装の二人ですが、後ろ姿の写真しかなくてすみません研修初日、操作パネルの使い方を学ぶ。カラフルな服装の二人ですが、後ろ姿の写真しかなくてすみません

10日間の研修が始まりました。

初日の今日は、ハリマさんもアワディヤさんもカラフルなよそ行きのトブ(スーダンで一般的な一枚布の女性の着衣)を着て水公社の事務所にやってきました。まだ学生のように見える若いムサさんも一緒です。JVCスタッフのアドランも付き添いに来ています。

「では、研修を受ける皆さんはこちらに集まってください」
担当の職員が、3人を部屋の中に案内しました。
「ええっ、あなた方、研修を受けるのですか」
女性二人を見て、職員は少し驚いたようです。

「なんてこったい!」
とは言いませんが、顔にはそう書いてあります。研修参加者については事前に水公社に伝えてあるのですが、担当者にはそこまでの情報が届いていなかったようです。

操作係は女には無理?(2)

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2015年4月22日 更新

前回から続く)

閑散としたウォーターヤード閑散としたウォーターヤード

カドグリでは雨季が終わりを告げ、どこまでも青い空の下で例年になく涼しい乾季を迎えていました。家庭での水の需要もさほどではないらしく、ウォーターヤードの給水所は少し閑散としています。

給水塔の下で椅子に座っているのは、井戸管理委員会リーダーのブシャラさんと操作係のアフマドさん。JVCスタッフのアドランがその横に腰掛けました。

「で、アドラン、話っていうのは何だ?」
「はい、ブシャラさん。実は、井戸管理委員会のメンバーにウォーターヤード操作の技術研修を受けてもらってはどうかと思っています」
「研修か。そりゃいいな」
「はい。今はアフマドさんがほとんど1人で操作を行っていますが、このまえのようにアフマドさんが用事で外出してしまうと、代わりの人がいなくてウォーターヤードが止まってしまいます。このあと暑い時期が来て、ウォーターヤードが止まってしまったらみんな困ります」
「わかった。で、誰を派遣する?」

操作係は女には無理?(1)

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2015年4月 9日 更新

(前回「ハリマさんの集金簿」から続く)

ウォーターヤード(揚水機・給水塔付きの井戸)。白い小屋の中に発電機があるウォーターヤード(揚水機・給水塔付きの井戸)。白い小屋の中に発電機がある

ハリマさんとアワディヤさんが集金をしたおかげで、ティロ避難民向け住居の井戸管理委員会に少しの資金が入りました。発電機を操作するアフマドさんが、さっそく燃料の軽油を買ってきました。

「これで、しばらくは大丈夫だろうよ」
白いトタン板の小屋に設置された発電機に給油をすると、アフマドさんは脇についているハンドルを回し始めました。ハンドルは重いため、はじめはゆっくりと、そして徐々に勢いがついて回転が速くなると、ド、ド、ドドドと大きな音を立てて発電機が始動しました。

「それ、アハマドさんが毎日動かしているんですか?」
脇で見ていたJVCスタッフのアドランが尋ねました。今日は、久し振りにウォーターヤードの様子を見に来ているのです。
「今はまだ涼しいから、毎日ってわけじゃないね。でも、これから乾季になって暑くなったら毎日動かさなくちゃいけなくなるな」

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