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ウシと菜園 ~その後のウォーターヤード

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2014年5月27日 更新

カドグリの郊外、東に5キロほどにティロ避難民向け住居(以下、避難民住居)があります。
紛争によって村を追われた230家族が、再定住の地として昨年7月に入居。水を汲み、畑を耕し、木材や藁を集めて家を増築し、生活を築いてきました。私たちは、昨年11月にウォーターヤード(電動ポンプ汲み上げ式井戸による給水施設)を支援、その様子はこの「現地便り」でもご紹介しました。そして1月からは、食生活改善と収入向上のために、共同菜園での野菜作りも支援しています。

今回から何回かにわたっては、ウォーターヤードのその後と、共同菜園についてお伝えします。
話は、いったん2月下旬までさかのぼります。

ウォーターヤードの仕組み。白い小屋の中に設置された発電機で起こした電気で、右端に見える井戸からポンプで青い給水タンクに揚水する。そこからの配管で、左側の蛇口や(写真には見えないが)家畜給水桶などに水が供給される。ウォーターヤードの仕組み。
白い小屋の中に設置された発電機で起こした電気を使い、右端に見える井戸からポンプで青い給水タンクに揚水する。そこからの配管で、左側の蛇口や(写真には見えないが)家畜給水桶などに水が供給される。

戦勝パレードとお葬式

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2014年5月27日 更新

南コルドファン州での武力紛争が始まって、早くも3年が経とうとしています。
この間、国連やアフリカ連合をはじめとする国際社会は手をこまねいて見ていたわけではなく、スーダン政府と反政府勢力とに停戦を求め、両者の交渉を仲介してきました。しかし、隣国エチオピアの首都アディスアババで何度か行われた交渉は、そのたびに頓挫。4月には、アフリカ連合の仲介団が「4月末までに停戦交渉をまとめる」と強い意気込みで交渉に臨みましたが、結局は政府と反政府勢力とが互いに相手を非難する展開となり、4月30日、またしても交渉は中断しました。

交渉が中断したちょうどその日、私はいつものようにカドグリ駐在スタッフと電話での業務連絡を取っていました。
「あれ、今どこにいるんだい?事務所の中じゃないよね」
スタッフに電話がつながりましたが、いつになく、周囲がざわついています。市場の中にでもいるのでしょうか?
「ちょっ、ちょっと待ってください」
と言うスタッフの電話口から、大きな音でサイレンが聞こえてきます。警察車両、それとも救急車でしょうか。あたりは混乱しているようです。交通事故でもあったのでしょうか。
「あ、あとでまた電話します」

心配しながら待っていると、5分ほどして携帯電話が鳴りました。
「何があったんだ?」
「政府軍の支援部隊が、今カドグリに入ってきたんです」
「えっ?」
そう言えば数日前の新聞で、ハルツームのあちこちで交通を遮断しながら、政府軍の大増援部隊が南に向かって出発していったという記事を読んだのを思い出しました。行き先は分かりませんでしたが、やはりカドグリだったか...。
JVCスタッフがクルマで移動していると、いきなり警察車両が現れて道路を封鎖。走行中、駐車中のクルマを追い出して部隊の通り道が作られました。そして、長い車列を組んだ部隊はメインストリートを威風堂々とカドグリに入ってきたそうです。

【乾季の菜園づくり】
緑いっぱいの畑

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2014年5月16日 更新

菜園づくりの研修を行ってから、早いもので2か月が経ちました。
そのあいだ、専門家のカッチョさんによる訪問アドバイスや、如雨露(じょうろ)の配布などを行ってきました。はたして、野菜の育ち具合と収穫はどうなっているでしょうか?

井戸のポンプで灌漑用の水を汲み上げ、<br/>手押し車で菜園に運ぶ井戸のポンプで灌漑用の水を汲み上げ、
手押し車で菜園に運ぶ

井戸の周りに、ポリタンクがぎっしりと並んでいます。トブ(一枚布の女性用着衣)姿の主婦が手慣れた要領でポンプのハンドルを上下に動かすたび、水がザアザアとポリタンクに流れ込んでいきます。そして満水になったポリタンクを頭に乗せて運んでいく...のが普通の光景ですが、ここでは少し違います。
集まった主婦たちはポリタンクをどんどん緑色の手押し車に積んでいきます。日本の工事現場で「ねこグルマ」と呼ばれる、あの手押し車です。ポリタンクを満載すると、車の把手をグイッと持ち上げて、井戸の周りに並んだ菜園に向かいます。

【乾季の菜園づくり】
ラシャシャを探せ

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2014年5月 2日 更新

JVC事務所からほんの5分も歩けば、そこはカドグリの「スーク」です。スークとは、アラビア語で「市場」。でも、それは市場というコトバから連想される露天商が集まる場所だけでなく、衣料品街、電気街、食堂街、それらを含む商業地区全体がスークと呼ばれています。

スークに足を踏み入れたJVCスタッフのタイーブは、乗り合いバスが客の呼び込みをしている一角を過ぎ、建築資材が山積みになった店を左に眺め、やがてガンガンと音楽が鳴り響く一帯に出ました。テレビや携帯電話の修理屋が軒を連ねる電気街です。そこも通り過ぎ、その先の衣料品街もやり過ごすと、ようやく目的のエリアです。
あちこちの店先で、金物職人が廃品のブリキ缶や針金から小型の湯沸し鍋、コーヒー用に注ぎ口が付いたポット、香木を焚くための台座などを作っています。
「このあたりだな」
タイーブは、ブリキの鍋が並んだ店に入って尋ねてみました。
「このへんに、ラシャシャを作っている人はいませんか?」

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