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首都ハルツームの大規模デモ

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年9月30日 更新

黒い煙が、猛然と空に立ち昇っています。1本、2本、そして3本。

「タイヤを焼いているんだわ」
一緒にいたJVCスタッフのモナが言いました。今日は9月25日。私たちは、ハルツーム市内中心部で政府関係者との会合を終えて、ちょうど事務所まで戻ってきたところです。

「ついに始まったか・・」

煙までの距離は、ここから数百メートル、1キロ程度でしょうか。何が起きているのか見えませんが、政府に抗議する住民がタイヤを燃やし道路を封鎖しているのは間違いありません。既に、大通りの交通量は目に見えて減っています。

人々の怒りに火をつけたのは、政府によるガソリンなど燃料価格への補助金カットです。

2011年の南スーダン分離独立によって石油収入の大半を失ったスーダン政府は、「国民の反発が強いからやめた方がよい」という与党内の反対すら振り切って補助金カットを断行。9月22日にガソリン価格は1ガロン(約4リットル)当たり12スーダンポンド(以下ポンド。1ポンドは約18円)から21ポンド、一気に倍近くに跳ね上がりました。ディーゼルや家庭で使うプロパンガスも同様。翌日にはバス料金も40~50%の値上げが実施されました。

着実に進む新生活

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年9月24日 更新

空に浮かぶ真綿のような雲、大地を覆う緑のじゅうたん。山から吹く爽やかな風にあたっていると、ここが紛争地であることを忘れてしまいそうです。

ラマダン明けの休暇が終わった8月中旬、雨季の半ばの晴れ間を縫って、JVCスタッフ3人はカドグリ郊外、ティロ村近くの避難民向け住居を訪れました。種子を配布したあとの様子を確かめるため、10日ぶりの訪問になります。

なんと、避難民向け住居の敷地の中といい外といい、どこもかしこも畑になっています。作物が芽を出している畑もあれば、まだ種まき前で雑草刈りと地ならしをしている畑もあります。

畑から戻ってきた女性たち。この写真の撮影場所も実は畑の中畑から戻ってきた女性たち。この写真の撮影場所も実は畑の中

芽を踏まないように気を付けて歩いていると、農具を肩に担いで畑から戻ってくる年配の女性たちにすれ違いました。

「今日も雑草を刈って、また少し種をまいてきたよ。種まきはもうすぐ終わるね」
遠くまで見渡すと、あちこちで畑仕事をしている人々の姿が見えます。スタッフも安心しました。

ラマダン、種は間に合うのか

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年9月17日 更新

前回から続く

ティロ村近くの避難民向け住居での種子の配布は、8月6日に実施することになりました。いえ、なんとしてでも8月6日に終わらせなければなりません。
なぜか?

それは、その翌日にはラマダン(断食月)が明け、イードと呼ばれるイスラムの祝祭日に入ってしまうからです。この日を逃したら、配布は1週間以上も遅れてしまいます。そもそもギリギリのタイミングでの配布計画ですから、それ以上の遅れは許されません。

種子の調達先は、南コルドファン州のおとなり、北コルドファン州の州都エル=オベイドにある種苗会社です。8月3日、トラックで出荷したとの連絡が入りました。

エル=オベイドからカドグリまで約300キロ。バスならば5時間の道のりです。しかしトラックは事情が違います。ここは政府軍と反政府軍との紛争が続く戦地。道路上には何か所もの検問所が設けられ、トラックは停車させられて積荷の検査が行われます。不審物がないかどうか、軍・警察が目を光らせているのです。

それに加えて、トラックにはJVCの種子だけでなく様々な荷が混載されています。各駅停車のように沿道の町で停車しては、積荷を降ろしていくのです。

ウムダとの再会

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年9月13日 更新
周辺には農業の適地が広がる周辺には農業の適地が広がる

JVCカドグリ事務所に戻ったスタッフのアドランは、さっそく種子を配布する準備にかかりました。

しかしその前に、この時期の配布が遅すぎないかどうか、農業の専門家に確認しなくてはなりません。灌漑設備の少ない南コルドファン州では雨水に頼る天水農業が中心ですが、雨季が始まって早や2ヶ月半。あと3ヶ月もすれば乾季がやってきます。穀物の穂が出る前に雨が終わってしまったら、せっかく育てたものが台無しになります。

避難民向け住居、入居始まる

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年9月12日 更新
住居の扉の上には1番から230番までの番号が振られている。写真は218番(アラビア語の数字)。住居の扉の上には1番から230番までの番号が振られている。写真は218番(アラビア語の数字)。

「誰かいるのかなあ?」

クルマを降りたJVCスタッフのアドランは、ちょっと首をかしげました。ティロ村近くの避難民向け住居。「入居が始まった」と聞いて様子を見に来たのですが、意外にしんとしています。 レンガ造りの小さな家の間をしばらく歩いて行くと、いました、いました、何軒かの家の前で女性たちが炊事や洗濯をしています。

そのうちのひとりに話を聞くと、つい2、3日前に入居したようです。
「この前、ここに入る予定の人たち全員が役所に呼ばれてね、『くじ引き』で入居する家が割り当てられたんだよ。そのあと引っ越しを始めたのさ。ほかの人も、すぐに引っ越してくるだろうよ」
金だらいで泥だらけの衣類を洗う手を休めて、年配の主婦はそう教えてくれました。

それにしても、まだまだ大半の家は入居しておらず空き家です。種子の配布などの支援を行うには、もう少し待たなくてはいけないように思えました。

種まきのチャンスは今

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2013年9月 4日 更新
活動地ではすっかりお馴染みになったJVCのレンタカー活動地ではすっかりお馴染みになったJVCのレンタカー

雨でぬかるんだ道を、JVCスタッフを乗せた赤い小型車が走っていきます。雨季が始まって2ヶ月近い7月半ばにもなれば、カドグリ周辺の未舗装の道はどこもかしこも泥だらけ。JVCがレンタル契約しているクルマは四輪駆動ではないので、車輪が泥にはまらないよう道路の乾いた場所を選んで蛇行しながら注意深く進んでいかなくてはなりません。
そうこうするうち、到着したのが目的地のティロ村。JVCカドグリ事務所からは約20分です。
しかしクルマは村の中には停車せず、さらに数百メートル先へと向かいました。そこには、新しく建設されたばかりの、マッチ箱のようなレンガ造りの小さな家々が並んでいます。

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