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空き家に住む避難民

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2012年1月15日 更新

カドグリに続々と押し寄せている避難民は、いったいどこで生活をしているのでしょうか?

州政府の方針として、避難民キャンプは設営されていません。そのため、市内中心部の広場やその周辺では千人単位の人々が布やビニールシートで仮設テントを作って生活しています。当然ながら、衛生状態が問題になります。そこで、カドグリで活動をする多くの現地NGOが、この地区で水道の設置、トイレ建設などの活動を行っています。

避難民の家族。後ろに見える部屋に2世帯が同居している避難民の家族。後ろに見える部屋に2世帯が同居している

JVCが11月末から12月初旬に実施した第一次の食料支援は、この地区を中心に行われました。
そして、12月下旬の第二次支援。こんどは市内中心部ではなく、郊外が対象です。なぜなら、中心部は既に避難民で飽和状態になり、新しく到着した避難民は郊外に居場所を見つけていたからです。

昨年6月の市街戦を経て、カドグリからは多くの市民が安全な場所を求めて避難しました。その後、市内が政府軍に制圧されて落ち着きを取り戻すにつれ、戻ってきた人もあれば、そのまま州外の都市で親戚の家に身を寄せて生活している人もいます。

戻ってこない人々の家は空き家になっているのですが、そこになんと、新たにカドグリにやってきた避難民が入り込んで住んでいます。
「空き家という空き家は、どこも避難民で満杯さ」と言うのはJVCスタッフのユヌス。「JVC事務所の周りだって、隣の家も裏の家も避難民だらけだよ。事務所だって、もし誰もいなかったら避難民の家になってしまう」 聞くところによれば、市内で最大規模だった欧米大手NGOの事務所は、戦闘中に破壊と略奪を受けた末に、今は百人近い避難民が住み付いているそうです。

第一次の食料配布は、同じ村から逃げてきた避難民のグループ毎に、グループリーダー(村長)から提出してもらった名簿に基づいて実施しました。リーダーはなるべく多くの人に食料が行き渡るように名簿を作成したと見えて、結果的に2千5百人を超える人々が配布を受けましたが、一人あたりの配布量は半月分にも満たない量でした。そして私たちが聞き取りをしたところ、名簿の中にはカドグリに避難して2~3ヶ月経っている人もいました。

避難民の女性と屋外の調理場。調理器具は援助団体から支給された避難民の女性と屋外の調理場。調理器具は援助団体から支給された

もちろん、避難して2~3ヶ月経過したからといって支援の必要性がなくなった訳ではありません。しかし2~3ヶ月の中で、家事手伝いや炭焼きの仕事で多少の生活基盤を作っている人が多いのも事実です。限られた支援物資を有効に使うために、私たちは第二次支援の対象を、最も支援を必要としている到着後1~2日の新しい避難民に絞り込みました。用意したのは1ヶ月分の食料、千人分です。

新着避難民の登録を実施している州政府人道支援局から渡された名簿を手に、JVCスタッフはカドグリ市郊外に向かいました。対象となる避難民は、これらの地区の空き家に「入居」しているのです。

到着すると、事前に連絡を受けた人々が配布場所に集まっています。しかしカドグリに着いたばかりの人々は食料を受け取るバケツなどの容器も持っていません。私たちはソルガム(現地の主食穀物)や食用油を袋に入れて配りました。

配布場所から離れた地区では、空き家に住む避難民を1軒1軒尋ねて配布を実施した配布場所から離れた地区では、空き家に住む避難民を1軒1軒尋ねて配布を実施した

南スーダンとの国境に近いトロジ村から2日前に避難してきた年配の女性は「足が悪く、自分でカドグリまで逃げるのは無理だと思った。でも運よく政府軍の兵士に見つかりヘリコプターに乗ってきた」と話してくれました。カドグリ到着後は人道支援局の炊き出しを受け、衣類は近所の人に分けてもらったそうです。

食料を配布していると、ひとりの男性が近づいてきました。避難民ではなく近隣の住民です。「どうして地元の我々には何も支援をしてくれないのか?」とJVCスタッフのユヌスに話しかけてきました。

「自分はここで畑を耕して暮らしてきたが、去年は種まきの時期に戦闘が始まったため、収穫が全然なかった。どうして食べて行けばよいのか。自分たちも被害者だ」と訴える男性。ユヌスは「申し訳ない。事情は分かるが、今回の支援は村落部からの避難民だけを対象にしているので理解して欲しい」と説明するのが精一杯でした。

しかし、地域住民を含めてすべての人々が深刻な影響を受けたのは、紛れもない事実です。

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