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卒業生、それぞれの進路

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2010年6月 2日 更新

昨年12月に1年間の車両整備士養成コースを終えて卒業していった18人の研修生たち。5ヶ月が経った今、いったいどうしているのでしょうか?私のジュバ滞在を利用して、訪ねてみることにしました。

18人のうち5名は、卒業後にSCC整備工場(元JVC整備工場。現地便りNo78をご参照下さい)の整備士として正式採用され、働いています。新人ではあるけれど「プロ」の整備士になった彼ら。今は整備工場の中核として働くほか、新しく入ってきた10人の研修生に仕事を教える立場になっています。

「仕事を任されている責任は重いけど、それだけ勉強になるし、やりがいを感ずる」と話すのは電装システムを担当するイペ。実は、SCC整備工場にはベテラン電装技師が1名いるのですが、イペは昨年1年間の研修で多くの電装技術を習得し、実力ではベテラン整備士を追い抜いてしまったのです。工場長のサイモンさんもイペに信頼を寄せているらしく「卒業後もどんどん成長しているし、電装システムの修理はすっかり彼に任せているよ」と目を細めます。

真面目一徹、無口なイペ(左)は勉強熱心。真面目一徹、無口なイペ(左)は勉強熱心。

研修コースを主席で卒業したチャンディル。彼女は最初、SCC整備工場に就職しましたが、「大学で勉強したい」との意志が強く、奨学金が取れたのを機に工場を退職してジュバ大学に入学しました。久しぶりに会ってみると、ジーンズ姿ですっかり今風の大学生です。

聞くと、村落開発を専攻しているとのこと。「あれ、チャンディル?エンジニアになりたかったんじゃないの?」と尋ねると、「そうよ。でも、自分が希望する学科に入ることができないのよ。最初の1年で成績が優秀だったら希望の学科に移れるから、そうしたら機械工学をやるわ」

研修生当時のチャンディル。最近の写真がなくてゴメンナサイ。研修生当時のチャンディル。最近の写真がなくてゴメンナサイ。

5月に入り、私の元に知り合いの国際NGOスタッフからメールが入りました。ジョングレイ州の事務所で運転手兼整備士が必要になったので、誰か紹介して欲しいとのことです。すぐに私の頭に浮かんだのは、卒業生タバンの顔。彼は優秀な成績で卒業したのですがなかなか就職先が見つからず、ジュバの民間整備工場でアルバイトをしていました。

長身でおしゃべりのタバン。最近結婚した。長身でおしゃべりのタバン。最近結婚した。

「タバン、こういう就職先があるんだけど、興味あるか?」と電話すると「おお、サンキュー!そんな話を待ってたんだ!もちろん、仕事があるならどこへでも行くさ」との答え。さっそく先方に連絡し、面接を受けることになりました。

面接を終えた彼から電話が入りました。「いやあ、うまくいったよ。すぐ契約書にサインして、現地に赴任して欲しいって言われたよ」
「でも、今日は面接だろ。実技試験とかやらないのか?」と私が尋ねると、「技術的なことも色々質問されたので、全部答えたさ。そしたらOKだって」なるほど。おしゃべりでお調子者の彼のことだから、きっと面接でうまくやったのでしょう。無事、ジョングレイ州で活躍することを期待しています。

卒業生トモールの家は、市場の裏手にありました。元々童顔の彼ですが、出迎えてくれた顔は少しだけ大人っぽくなったように見えます。ウガンダ国境に近いカジョケジ郡出身なので、ジュバでは叔母さんの家に寄宿中。小学校3年生になる叔母さんの娘さんがいれてくれた紅茶を飲みながら話を聞きました。

童顔だが故郷に奥さんがいるトモール。左は同居する叔母さんと娘さん。童顔だが故郷に奥さんがいるトモール。左は同居する叔母さんと娘さん。

「卒業してから、どう過ごしていた?」
「しばらく職探しをしていたけれど、いい仕事がなくて・・だから整備士のアルバイトを始めたんだけどね」
「へえ。どこの整備工場で?」
「いやいや、整備工場なんて・・屋根のない整備工場(笑)」
「おお、路上整備士か(註)。どうなんだい、路上整備士って?」
「仕事がたくさんあればいいけど、新入りの自分になんかあまり回ってこないんだ」

どうやら競争相手が多くてあまり良い稼ぎにはならなかったようです。
「でも、ついに就職が決まったんだ。政府(南部自治政府)のドライバー。先週から働いているよ」
「おお、それは良かった。どうだい?」
「給料が300ポンド(約1万円)だけじゃ生活できないよ。それに、クルマが整備されていなくて、走るとタタタタ・・とヘンな音がするんだ。早く整備工場に持って行かないと」
「SCC整備工場に持っていったら?」
「でもさ、修理してもらっても政府に修理代を払える金があるかどうかが問題だよね」
「そりゃそうだ(笑)。SCC工場に迷惑かけちゃいけない」

何はともあれ、就職が決まって落ち着いた感じのトモールでした。

(次号に続く)

(註)路上整備士
整備工場を持たず、路上や駐車場で客のクルマの整備をする「個人営業」の整備士のこと。手工具以外には何の設備もないため、自己流のワザを駆使してクルマを直す(または壊す)。客が多ければ整備工場勤めよりも稼げるとのウワサだが、当然ながら収入は不安定。


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