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ナイルの恵み(スーダン旅日記その2)

JVCスーダン現地代表 今井 高樹
2009年8月 7日 更新

スーダン旅日記
第2回目、アッパーナイル州マラカル訪問記です。


マラカルは、ナイルの恵みによって発展したと言ってよいでしょう。ナイル川中流、首都ハルツームと南部の中心都市ジュバの中間点に位置するこの町は、スーダン南部と北部を結ぶ水運の中継点として、またエチオピア国境方面から流れ込むソバット川との合流点にあたる港町として古くから知られてきました。ナイル流域で捕獲される魚の産地としても有名です。「マラカル産の干物はうまい」そんな評判をジュバでも耳にすることがあります。

飛行機から見るナイル川とマラカルの町飛行機から見るナイル川とマラカルの町

港にはたくさんの運搬船が停泊し、男たちが荷おろしに忙しく働いていました。クレーンなどはなく、すべて人力による作業です。玉ねぎや砂糖など食品類、コカコーラ、ボトルウォーター、家具やベッドに至るまで、何でも船で運ばれてくるようです。

私たち(私と、東京事務所から出張中のスーダン事業担当の佐伯)が珍しそうに眺めていると、港の人たちも見慣れない外国人を見て「タマーム、タマーム?」(元気かい)と声をかけてきます。その中の一人に「この船、どこから来たんですか?」と尋ねると「コスティーだよ」との答え。コスティーは、ハルツームの玄関口になっているナイルの港町です。同じ南部スーダンでもジュバが物流を南側のウガンダ方面に頼っているのに対し、ここマラカルでは北のハルツーム方面に物流の大動脈が伸びています。内戦中、この地域で戦火から逃れた人びとが避難民として向かった先も、多くの場合はハルツームでした。

ナイル川の渡し船を見つけました。1人1スーダンポンド(約40円)。日本製エンジンを付けた長さ10メートルほどの船に地元の人たちと一緒に乗り込み、約200メートル先の対岸に向かいます。水は茶色く濁っていますが、川面を渡る風はなんとも気持ちいいものです。

対岸には、一面の放牧地が広がっていました。牛たちがのんびりと草をはんでいます。面白いことに、ジュバと違ってマラカルの牛には水牛のような大きな角をなく、日本の牛に似た短角牛です。地域により、民族グループにより、牛の種類もかなり異なるようです。

この地域(アッパーナイル州)で多数を占めるヌエルやシルックといった民族グループは「牧畜民」と呼ばれることが多いのですが、実際には雨季にはソルガム(モロコシ)やメイズ(トウモロコシ)などの農耕を行い、乾季には家畜に与える水や草を求めて移動し、同時に漁労も行う、といった生活を営んでいます。勉強不足の私には、魚獲りをする牧畜民というのは何とも新鮮な驚きなのですが、「牧畜民」という呼称は後付けの解釈であって、人々は昔から、周りの自然資源を上手に活かして生活してきたのでしょう。

実際、魚は人々の食卓に欠かせないようです。市場では、魚売場は買い物をする女性であふれかえっていました。近付いてみると、1メートル近くもあろうかという魚の解体が行われています。解体された魚はブツ切りにされ、並んでいる女性たちの買い物袋に次から次へと投げ込まれて行きました。

市内に事務所を持つ幾つかのNGOを訪れ、活動について話を聞いてみました。2005年の和平合意以降、北側から多くの国内避難民、また東のエヒオピアから難民が帰還してきており、水・衛生、教育、医療、また農具や種、漁具の支給など多くの支援が行われています。面白いことに、どの団体も自前の運搬船や高速艇を持っています。雨季には道路が寸断されるため、船がなければアッパーナイル州では活動ができないと言います。

「JVCさん、ジュバでの車両整備が終わったら、次はマラカルで船の修理をしませんか?」と、冗談とも本気ともつかない要望を受けて、私たちはマラカルを後にしたのでした。


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