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2013年1月15日

南アフリカ一周の旅

南アフリカHIV/エイズプロジェクトマネージャー 冨田 沓子
2013年1月30日 更新

新年のごあいさつが遅くなりました。今年もよろしくお願いします。

私は年末年始の休暇を使い、南アフリカをグルッと周る旅に出てきました。途中、隣国ナミビアに足を伸ばしたのも含め、南ア全9州を通り、走行距離約7500km。立ち寄った町や、国立公園などどこも思い出深く、みなさんに紹介したいのですが、今日は移動中に南アの歴史が垣間見れたお話しを少し。(立ち寄ったところは、日本の父に送るのに作った手作り地図(写真)を見て、是非調べてみてください!)

赤線が今回の旅路。青点は宿泊地。黒線、緑点は昨年内に訪れた地です。赤線が今回の旅路。青点は宿泊地。黒線、緑点は昨年内に訪れた地です。

旅の途中、ガソリンの給油や休憩などで、いろんな小さな町に止まりましたが、それぞれの町の雰囲気、そこに暮らす人、賑やかさ(産業や豊かさ)が、少し移動しただけでも大きく違うことに驚かされました。ある町は、アフリカーンス語(主にオランダ系白人であるアフリカーナの人々が使用)しか通じず、ガソリンスタンドで給油するワーカーの人も白人のおじさんだったり。

少し進むと、ラフな印象のカラード(混血の人びとを指す)が中心な町に当たり、また少し行くと、農場が広がり、その周りに黒人労働者が住むほったて小屋が並びます。このように、町や地域でそこに住む人びとが大きく違うのには、アパルトヘイの歴史が一部背景にあります。

南アフリカは、アパルトヘイト下にあった時代、黒人、白人、その他の人種が住む場所が分かれていたのは、みなさんもご存じだと思います。ソウェトなど、都市近郊のタウンシップ(黒人居住区)が有名ですが、もうひとつ大きな影響を与えた政策としてホームランドの設置があります。

これは、黒人人口をその部族ごとに指定された土地に住まわせ、南アから独立して自治させることで、南アの政治に参加する権利や社会保障を受ける権利を制限した政策でした。結果、8割を占める南アフリカの黒人人口が国土の約13%の特に不毛な土地に追いやられていきました。

JVCが活動するリンポポ州ベンベ郡も、アパルトヘイト下ではベンダ共和国として「独立」していた、ホームランドの一つでした。リンポポ州は、レボワ、ガザンクルなどその他のホームランドもあったため、現在の南アフリカの中で一番黒人居住率が高い州になっています。JVCが事務所を置く町・マカドは、過去地域を統治していた白人の住む町として栄えましたが、今では周辺の村(旧ホームランド)からの買い物客などで経済は成り立ち、白人人口は激減しています。

旅の話しに戻すと、ダーバンを過ぎ、東ケープ州の州境を超えたあたりは、その昔トランスカイとよばれたホームランドです。JVCが過去に事業を行っていた東ケープ州・カラも旧トランスカイにあります。ここを私が通過したのは、ちょうどクリスマス前の平日。

国道をそこまではスムーズに運転していたのですが、旧トランスカイに入ると、道は細くなり、高速道路(国道)のはずが、町の中心のショッピング街と合流。周辺の村からクリスマス前の買い物にやってきた人やタクシーで、ごった返し、全くの無秩序状態に。道が全く動かず、5 kmほどを抜けるのに、約1時間半かかりました。狭い地域に、多くの人が集中して住んでいる様子がうかがえました。

年を越して、北ケープ州からノースウェスト州を走行。ここは旧ボプタツワナで、近隣の農場に多くの労働者を供給していた地域であり、鉱山とくにプラチナ鉱山があることから、ホームランドの中でも比較的豊かと言われた地域でもあります。たしかに、広大な農地が続き、合間に出稼ぎにくる労働者の住むほったて小屋が立ち並ぶ地域を多く目にしました。

警備厳重な鉱山地域が長く続き、マネージャークラスが住んでいるであろう、高級住宅の集まる町とワーカーの住むホステルが隣り合わせに立ち並びます。鉱山は今でも南アの主要産業。地図上では、何もないようにみえるこの地域に、出稼ぎ労働者が集まり、南アフリカの経済を支えていることを実感しました。

観光地や主要都市を巡るだけではなく、車で長距離移動する間に見えてくる南アフリカの姿。この国の歴史やその社会への影響を垣間見れたことは、今回の旅行の一つの産物でした。昨年こちらに来てから、南アフリカ全9州に足を運んで、泊まりました。少しでも多くの場所へと駆け足の旅も多かった昨年。今年はじっくりとこの国を知る旅が(仕事の合間に)できたらなと、思います。

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