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2012年5月26日

公立病院での長い一日

南アフリカHIV/エイズプロジェクトマネージャー 冨田 沓子
2012年6月20日 更新

さて、昨日(5月27日)受け取った紹介状を持って、今日は活動地域に住む歩行困難な14歳の女の子を連れて、病院へ。公共交通を使っての移動が難しいということで、付き添いを頼まれ、車で送り迎えを引き受けました。昼くらいまでに終わるからと言われていたけど、まさか・・・。家を出たのは朝6:30。帰宅したのは19:00過ぎでした。以下、公立医療システムのめんどくささを垣間見れる一日の、一部始終です。

昨日行ったクリニックの情報によると、今日はもう一つ近くのクリニックにお医者さんが来る日とのこと。村にあるクリニックに常駐しているのは一般的には看護師のみで、月に1度ほどお医者さんがクリニックにやってきます。

病院のドア越しに。一向に進まない列病院のドア越しに。一向に進まない列

朝一番に並ぼうと思い、クリニックに8時に到着。でも、すでに待合室は、大勢の患者さんであふれていました。体重、検温をすませ列に並んでから、2時間。一向に列が進みません。2時間たって、ようやく一緒にいたLMCCのボランティアが、「今日はお医者さんが来ていないならしい」と。え!?

事情を説明し、2時間で数人しか進んでいなかった列を飛ばして、看護師さんに会うことに成功。事情を話すと、この地域唯一の総合病院、エリム病院の医者宛てに新たな紹介状を書いてくれました。この紹介状がないと、お医者さんに会えないそうです。

新しい紹介状を手に車をとばし、エリム病院に着いたのが、11:00。 エリム病院はスイスの宣教師によって建てられた総合病院で、以前は私立病院として良質の医療を提供していましたが、近年公立病院になってからは、あまり評判がよくない病院です。しかし、このあたりでは一番大きな病院。コミュニティのクリニックには看護師しかいないため、細かい診察が必要となる患者はすべてここに来なければなりません。私も、足を踏み入れるのは今回が初めて。なるほど、見た目はとても立派な病院です。

到着すると、受付、体重、検温を再度繰り返し、そしてお医者さんの列へ。
クリニックよりは素早く列が動き、1時間ほどで診察を受けることができました。お医者さんの診察をうけると、医者の指示で、さまざまな検査が言い渡されます。

採血、検尿、レントゲン、カウンセリング・・・。 それぞれ、広い病院の別々の場所にあり、歩くのが困難な彼女を連れて、右へ左へ。そして、どこに行っても長蛇の列と、のんびりしたスタッフ。しまいには、13:00になると、「お昼休みだから」と言って、待っている患者はそっちのけで、受付の中でみんなごはんを食べはじめる始末。私たちはひたすらおなかをすかせて待つばかり・・・。う~~。ようやく14:00になり、お昼休みが終わると、のんび~りと仕事を再開です。

一つひとつの検査が終わるたびに、ナースセンターにその結果を受け取りに行かなくてはならず、15:30にようやくすべての検査を終えた頃には、ぐったり。ここから、再度お医者さんのところへ戻り診断を待ちます。

これで薬をもらって帰れるかな?と思ったら、どの検査の結果をみても、彼女の歩けない理由がわからない。骨、筋肉、関節は正常とのこと。採血の1種類は、ここでは検査できず、車で2時間離れた大きな街の検査室に送られらということで、その結果を来月まで待つことを告げられました。そして、そこから念のため、整形外科に行くようにと・・・。

整形外科では、療法士の治療を受けられたので、まずまず。しかし、療法士も、こんな状態は見たことないと、精神的な影響を疑われ、次はソーシャルワーカーに送られることに。

ソーシャルワーカーの事務所で待つこと30分。事情を話すと、これは自分たちの管轄ではなく、心理カウンセラーに会うべきと、提案され・・・。ここで、タイムアウト。16:30で病院が閉まってしまうということで、慌てて退散。すべてのドアはすでに閉められていて、最後は歩くことの困難な女の子をおんぶして、薬局へ駆け込んみ、とりあえずの痛み止め薬を受け取り、救急病棟を通って、カルテをあずけ、そこから退室しました。

精魂つきはて、お腹もペコペコ。仕方なく、近くで食べものを買って、腹ごしらえをしてから帰路についたときには、すでに17:00をまわっていました。

滞在時間6時間。結論、来月再検診なり。
悪名高い公立病院での一日はなかなかの経験でした・・・。これでも、お医者さんがいて、薬が無料で提供される南アの病院は、私が以前にいた西アフリカの医療事情よりは数段ましなほうです。しかし、患者が歩くのが困難なことなんかお構いなしの対応は、ひどかった。

ま、はじめは全然口をひらかなかった女の子が、一日一緒に過ごして大分しゃべってくれるようになったし、笑顔も垣間見れたから、良しとしよう。

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