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2012年5月25日

母親を亡くす、というリスク

南アフリカHIV/エイズプロジェクトマネージャー 冨田 沓子
2012年5月30日 更新

先日の14歳の男の子に続き、今日は14歳の女の子のお話しです。

LMCCはその活動の一環として、Drop-In Center(ドロップイン・センター)、日本の学童クラブのようなものを運営し、放課後に、特に家庭が貧しかったり、問題を抱えている子どもたちに食事やあそび場を提供しています。

そのセンターに昨年11月から通っている、14歳の女の子がいます。しっかりとした表情が賢そうな印象の彼女。しかし、最近はセンターに着くとずーっと泣いていて、2週間ほど前からは、歩くのが困難になり、学校に通わなくなってしまったということ。急きょ、クリニック(コミュニティにある政府運営の診療所)に連れていき、診察を受けることになりました。

この女の子も、数年前に母親を亡くし、今は貧困層向けに政府が建てた家に知的障害をもつ姉と、小学校低学年の弟2人で暮らしています。父親は、近くの別の家に暮らしているそう。クリニックに連れていくために迎えいくと、家の中には小さなベッドが一つある以外は、空っぽ。服がすみっこのタライの中に散乱し、床に置かれた皿にある食事には虫がわいていました。

クリニックに向かう途中も、腰から膝にかけて痛みがあり、一人では歩くことも、立っていることさえ困難そう。ただし、何かケガがあるわけでも、重いものを持ち上げたり、転んだりもしていないということ。

支えていると、身体の細さがよくわかる。クリニックからの帰り道 支えていると、身体の細さがよくわかる。クリニックからの帰り道

彼女を知るボランティアによると、性的虐待を受けている可能性があるのではないかと。しかもその相手が彼女にとても近い存在であるかもしれないことも示唆していました。そのせいで、身体に影響が出ているかもしれないのではと聞くと、看護師さんもその可能性を否定しませんでした。

翌日近くの別のクリニックで医者に会うようにと、紹介状をもらいました。医者に合わせて、ソーシャルワーカーにも面会することもすすめられました。

南アに限らず、アフリカでは子どもの面倒をみるのは、母親の役割です。

特に南アでは出稼ぎ社会が長年定着していたために、男性の「家庭」への関与は薄く、学校教育、食事、病気になったとき、悩みがあるときなど、子どもたちを支え守る役目は、多くの場合母親のみに依存しています。その母親を早くに亡くした子どもたちは、想像以上に大きなリスクにさらされます。

さらに、今回のように、まだコミュニティが形成されて間もない地域では、お互いを支え合う文化や関係も熟成していないため、子どもたちは頼るところもありません。その頼りどころの一つに、ドロップイン・センターがなっているとはいえ、ほんの入り口でしかないことを痛感しました。

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