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16年後、ガザでお見合いを

パレスチナ事業担当 並木 麻衣
2017年10月12日 更新

【7月時点で、現在育休中の並木が執筆した記事です。】

こんにちは、東京担当の並木です。
実は、4ヶ月後に出産を控えた私。お腹の中には双子の女の子がいて、無事に生まれれば我が家は3姉妹になります。
現地のパートナーNGOのスタッフたちは、連絡をするたびに「お腹の双子の成長はどう?」「娘さんは元気?」と仕事そっちのけで(!)質問の嵐。こちらは「妊娠7ヶ月目だけれど、もうお腹がはち切れそうよ(笑)」と答えながらも、遠い私のことをパレスチナから気遣い、子どもを何よりも大事にする彼らの温かさに、私も改めて人間関係の在り方を考えさせられます。

ガザで一緒に事業を進めている「人間の大地(AEI)」のプロジェクトコーディネーター、アマルは、去年結婚した息子さん夫婦に待望の男の子が生まれるのだとか。「こっちは9月に生まれるのよ」と心底楽しみな様子で、「あなたの娘と1ヶ月違いよ。大きくなったら結婚させるのはどう?(笑)」と気の早い打診。
「そうねぇ、まずは娘たちをガザに連れて行かなきゃ(笑)。20年後かしら?」と答えたところ、「あら、ガザだと結婚は早いのよ。16年よ、16年後!」とリアルな数字が返ってきました。

16年後。ガザは、どうなっているのでしょう。
ガザの封鎖が始まったのが2007年で、今年でちょうど10年です。10年でここまで状況が悪くなるなんて、一体誰が考えていたでしょうか。
この10年で、ガザからは輸出が出来なくなって産業は荒廃し、12万人の雇用を誇った製造業は7,000人ほどしか雇えなくなってしまいました。人々はガザを出てイスラエル側で働くこともできず、東京23区よりも狭いガザの中をぐるぐると回るタクシー運転手の月給は、良くても500ドル程度。10年前の3分の1以下だ、と運転手のおじさんたちは嘆いています。毎年1.8万人もの学生たちが、仕事が決まらないまま大学を卒業していきます。若者たちの半数が、ガザから出て行くことばかりを考えているといいます。
そして2014年の戦争開始から、今月で3年が経ちました。「これ以上、状況が悪くなることはない」と信じて生活を築いてきた人々の僅かな希望を裏切るように、今のガザでは電気も水道も使えない状況が本格化しています。ポンプが使えず、人々は身体を洗う水もわざわざ買って運び、下水も流せずに家に溜めていると聞きました。パレスチナの人々は概して清潔好きですが、このままでは病気が流行してしまうかもしれません。

そんな状況の中でもなお、「16年後、お見合いさせましょうね!」と冗談まじりの夢を語れるアマルやガザの人々。まだ生まれてもいない娘たちには悪いものの、その夢が何だか一筋の光のようで、「16年かぁ......」と少々本気で考えてしまう私です。
私の子どもたちも、ガザの子どもたちも、まずは無事に生まれてきますように。そして、あと16年で私たちは、ガザに衛生とインフラを取り戻し、封鎖を解除して、安全な普通の街と暮らしを創り直さなければなりません。
16年と言わず、今すぐにでも。そのためには、もっとたくさんの人たちとこの問題を話し合い、決定権のある人々の心と手を動かして、一つひとつの障壁を取り除いていかなければならないのでした。

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