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東エルサレム事業の成果報告(2013年9月~2014年9月)

パレスチナ現地代表 今野 泰三
2015年6月30日 更新
高さ8メートルの壁で分断された東エルサレム高さ8メートルの壁で分断された東エルサレム

2006年から開始した占領下の東エルサレムでの学校・地域保健事業は、今年で9年目を迎えました。これまで皆様からのご支援によって、この事業は支えられてきました。あらためて御礼申し上げます。

本事業では、国際法に違反して建設された高さ8メートルのコンクリート壁やイスラエル入植地によってコミュニティーが分断され、パレスチナ人住民の健康・教育などに対する権利が侵されるエルサレムで、学校や地域社会施設への支援を通じ、人々の健康を守り健康を促進させるための仕組みをつくり、発展させることを目標としています。

現在は、学校、幼稚園、地域社会施設などの協力を得て、学校生徒や教師へのトレーニング、子どもたちや保護者への健康教育と健康診断、地域青年たちへの救急法トレーニング、孤立した村での巡回診療などを実施しています。この事業によって、トレーニングを受けた子どもたちや教師たちが自発的に学校内外で活動するようになり、健康診断、巡回診療、サマーキャンプを通じ、パレスチナ人住民の健康管理と健康に対する意識向上にも貢献しています。

以下は、2013年9月から2014年9月までの活動に関する、簡単な成果報告になります。引き続きご支援のほど、どうぞ宜しくお願い致します。

2013年9月から2014年9月までの成果

1. 生徒のトレーニング

保健委員会へのトレーニングの様子。保健委員会へのトレーニングの様子。

前年度に続き、新たに4つの学校に保健委員会を設立し、そのメンバーとなった約70人の生徒に、栄養、衛生、救急法、プレゼンテーション・スキルなどの講習を提供しました。生徒たちは、トレーニング修了後、学校新聞の作成、朝礼でのスピーチ、リサイクル運動、校庭での植樹や清掃活動を主体的に行うようになりました。JVCは、こうした保健委員会の活動に対し、専門的なアドバイスや物資を提供しました。参加生徒たちは、占領下の厳しい生活の中でも、自分たちにできることがたくさんあることを学び、コミュニティーや学校のためにボランティアで活動することに喜びとやり甲斐を感じていました。

2. 教師のトレーニング

教師のトレーニングの様子。教師のトレーニングの様子。

38つの学校・幼稚園の45人の教師に対し、健康教育や救急法の講習を提供しました。トレーニングを受けた教師たちは、学校や幼稚園で月2回程度の健康教育の講習を生徒や保護者に行うようになりました。また、新たに10人の教師(8人の学校教師と2人の幼稚園教師)に救急法トレーニングを実施しました。これらの教師は、各校で応急処置を担当するようになった。JVCは、教師のトレーニング後も、教師への専門的なアドバイスや物資の提供などを行いました。

3. 学校に対する健康に良い環境づくりの指導

45の学校で、学校環境に関するモニタリングとアドバイスを行いました。45の学校で、学校環境に関するモニタリングとアドバイスを行いました。

45の学校に対し、学校環境(教室やトイレの衛生面、安全面など)に関するモニタリングと訪問指導を行った他、45人の教師に、学校の衛生環境についての講習を提供しました。助言を受けた学校では、トイレや教室の匂いや清潔さは改善されましたが、イスラエルの占領政策によって、教室が足りなくても学校を増築できない、パレスチナ自治政府が関与できないので改修費用や清掃道具が足りない、イスラエル政府に学校が「違法建築」とされて1階部分を全てコンクリートで埋められ使えなくなったなどの問題を、多くの学校が抱えていることも分かってきました。他方で、トレーニングを受けた教師たちは、学校環境における問題点や改善すべき点を理解し、生徒たちに掃除をさせ、自らも休憩中に校庭を掃除し、校庭に植樹し、壁を塗り替え、リサイクルのペットボトルで教室を飾り付け、校内の売店で売られている食品の内容を監督するようになるなど、問題意識の大幅な向上が見られました。

4. 生徒・幼稚園児に対する健康診断

幼稚園での健康診断の様子幼稚園での健康診断の様子

1,758人の生徒と957人の園児に、健康診断を実施しました。肥満や視力低下など親が深刻に受け止めないという問題がありましたが、健康診断で発見された健康上の問題のうち、約8割が専門医に適切に紹介され、子どもたちは治療を受けました。また、JVCおよびパートナー団体であるMRS(医療救援協会)と、学校、幼稚園、地域住民の間での信頼関係と連携が強まり、教師や生徒たちの意識向上が見られました。

5. 生徒・園児・親に対する健康教育

16,494人の生徒と940人の園児に対し、健康教育を提供しました。また、329人の保護者にも、健康教育を提供しました。健康教育のテーマは、栄養、衛生、学校環境、救急法、交通ルール、校内暴力、喫煙・麻薬の害などでした。

健康教育で血圧の測り方を教わる小学生。健康教育で血圧の測り方を教わる小学生。
幼稚園児への健康教育の様子幼稚園児への健康教育の様子

6. 地域青年に対する救急法トレーニング

具合の悪くなった住民の診断をする救急委員会のメンバーたち。具合の悪くなった住民の診断をする救急委員会のメンバーたち。

87人の地域青年に対し、救急法トレーニングを提供しました。さらに、その中から24人を選抜し、さらに専門的な救急法講習を実施しました。トレーニングを受けた青年たちは、エルサレム各地でJVCのサポートを受けながら、ボランティアの救急活動を始めるようになりました。ボランティアの青年からは、「これは私たちにとっての抵抗(レジスタンス)です。占領に抵抗したいからといって石を投げる必要はありません。困っている人の手助けをすること、祖国のために役立つことをするのもまた、抵抗の表明なのです」といった声があり、厳しい状況を改善するために引き続き支援して欲しいという強い要望がありました。

7. 地域住民に対する健康教育と健康診断

巡回診療の様子。巡回診療の様子。

違法なイスラエル入植地や高さ8メートルのコンクリート壁によって孤立状態に置かれた村落などの、1,527人の住民に対し、健康診断と個人カウンセリングを提供しました。また、612人の住民に健康教育を実施しました。健康診断で問題が発見された場合は、専門医に紹介したり、医薬品を提供したりしたほか、高血圧や糖尿病に関するパンフレットを配布し、健康に関する意識の向上と生活の改善も促しました。さらに、東エルサレム各地で開催されたサマーキャンプでは、333人の子どもたちに健康教育や救急法講習を提供しました。

■パレスチナでの支援活動は、皆様からの寄付に支えられています。郵便局やクレジットカードなどで、ぜひ活動にご協力ください。どうぞ宜しくお願い致します。※寄付はこちらからお願いします。

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