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「ガザの経済と女性たち」

2007年12月20日 更新

「夫と一緒に、ウサギをカゴに入れて市場に売りにいくの。ウサギを売ったそのお金で、子どもたちが学校に必要なものや他の食料品を手に帰ってくるのよ」―ガザ南部、ラファに住むサバーさんは、誇らしげに言いました。この日は、ガザでローカルNGOの収入創出プログラムに参加する女性たちを訪問してきました。

2007年6月のハマスのガザ制圧以降、ガザとイスラエル間の封鎖が厳しくなり、多くのものについて輸出入が制限されるようになりました。例えばそれまで輸出していた果物は、農家が生産しても輸出ができないのです。この時季ガザは、ちょうどイチゴの収穫期。ガザ産のイチゴは大きくてとても甘くておいしいのですが、売ることができなければせっかくのイチゴも腐ってしまいます。また、今まではイスラエル経由でガザに入ってきていた食料費や日用品、医薬品も輸入が制限され、ガザのスーパーマーケットからは特定の商品(ガザで生産できないもの)が消えました。野菜以外の食料品は値上がりを続け、果物はほぼ倍の価格、チキンや牛肉も三割以上価格が上がっています。国連人道問題調整事務所(United Nations Office for Coordination of Humanitarian Affairs)によると、ガザでは現在、98%の人々が肉類を購入する量を減らしており、日用品も86%の人々が購入を減らしているそうです。一方、開発事業も含む建設業やその他の産業に必要な原材料もガザに入ってこないため、産業、建設業に関わる人を中心に仕事を失う人が増え続けています。民間企業で働く11万人の7万5千人が一時解雇され、産業においては6月以降に9割の工場が閉鎖に追い込まれ、その結果、以前雇用されていた3万5千人のうち3万人が職を失っています。ガザの経済は疲弊しており、ただでさえ現金収入がない人々には、値上がりを続けるお肉などは手が届かないのです。

赤肉が値上がりを続ける中、貴重なたんぱく源としてウサギの需要は高い 赤肉が値上がりを続ける中、貴重なたんぱく源としてウサギの需要は高い

サバーさんがウサギの繁殖とホームガーデンを始めてから1年。ローカルNGOの支援するプログラムに参加して、今ではウサギを売ることで生計を立てています。家の裏手にある土地を利用して作るホームガーデンでは、ズッキーニやモロヘイヤ、ナスなどを育てており、13人の家族が食べていく野菜はここから採っていて、買う必要はありません。夫が失業し、日雇いの仕事も失って以来、一家の収入はゼロでした。親戚から時々分けてもらう野菜や小麦粉に頼っていましたが、今は月に約350NIS(約10,000円)の収入を得ています。「1年目の今年得た経験を生かして、来年はもっと生産量を増やしていきたい。同じプログラムに参加する他の女性とも、問題点や解決方法などを話し合っているのよ」と意気込みを語ってくれました。採れた野菜やウサギは、今までお世話になっていた親戚にも時々あげているそうです。

ガザ中部、ディール・バラに住むハナンさんは、同じこのプログラムに参加するようになり、ご主人が家のことやホームガーデンを手伝ってくれるようになったと言います。このプログラムは、飼育の方法やマネージメントなどのトレーニングから始まりますが、トレーニングでしっかり学んで卒業できないと、プログラムに参加することはできません。それまでは一家の意思決定は男性が全て行っていたそうですが、家に帰ってもトレーニングで学んだことを真剣に復習するハナンさんの姿を見て、ご主人が家のことを手伝ってくれたり、一家のことを一緒に話し合う機会が増えたとのことです。今では、ホームガーデンなどをご主人が積極的に手伝ってくれています。

「毎日しっかりご飯を食べさせてあげたい」というお母さんと、元気いっぱいの子どもたち「毎日しっかりご飯を食べさせてあげたい」というお母さんと、元気いっぱいの子どもたち

厳しい状況が続き、また今後どうなるかわからないという不安もあるガザですが、人々は家族や親戚、皆で一緒にこの状況をなんとか切り抜けようとしています。訪問した家庭で見た逞しい女性たちや、その横で裸足で元気に走り回る子どもたちの姿に少し安心するとともに、私たちはガザを忘れてはいけない、と強く思いました。


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