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選挙結果と女性たちの生活

パレスチナ現地調整員 藤屋 リカ
2006年2月 9日 更新

先のパレスチナ評議選の結果は、パレスチナの人々にとっても驚きだったようです。選挙そのものは、公正に行われ、透明性も高く。正当に代表者が選ばれました。

投票所入り口、様々な年齢層の人々が選挙に出かけた。投票所入り口、様々な年齢層の人々が選挙に出かけた。

朝日新聞の「私の視点」に、投稿記事が掲載されました。
132議席のうち過半数の74議席がハマス、ファタハは45議席でした。議席の半分の66議席は比例代表で政党を選ぶわけですが、その結果はハマスが28議席、ファタハが28議席、その他の政党が10議席でした。もう半分の66議席は中選挙区で候補者を選ぶわけですが、中選挙区においてハマスが圧勝しました。ハマスは「変化と改革」という政党名で政界入りしました。

選挙に出かけるハマス支持者。社会活動への信頼は大きい。選挙に出かけるハマス支持者。社会活動への信頼は大きい。

ハマスへの支持もさることながら、ファタハは候補者が乱立し票割れを起こしたなど、選挙への取り組みや準備の問題もありました。例えば、西岸地区のサルフィットは中選挙区では1議席なのですが、ハマスの候補者一人対して、ファタハは2人で、結果はハマスの候補者が6000票で当選、次点はファタハで5500票、3位もファタハで5000票という結果でした。

選挙2日後のラマッラの中心街。街は普通に日人々の営みがあった。選挙2日後のラマッラの中心街。街は普通に日人々の営みがあった。

ラマッラ地区ではキリスト教徒に割り当てられた1議席を除く4議席をハマスが独占しましたが、候補者の乱立や村落部の人口が多いことを加味すれば、納得できることでした。ラマッラ地区は5議席に対して30人以上が立候補する激戦区でした。中選挙区の投票では、地区の候補者の人数だけ投票でき、投票用紙には候補者の名前が番号つきで印刷してあるのですが、ハマスは4人の候補者が続き番号になり、投票する人がわかりやすいようになっていました。このような選挙への組織としての準備もしっかりしていました。

ラマッラの街角に張られたハマス候補者の選挙ポスター。ラマッラの街角に張られたハマス候補者の選挙ポスター。

 
ベツレヘムのベイトジブリン難民キャンプのハンダラセンターでも選挙後は選挙結果の話で持ちきりでした。
ある女性は、ファタハにもハマスにも投票しなかったとのことです。彼女は「私たちは選挙の結果を尊重します。私たちの代表として選ばれたということはわかっているはずです。新しい政権が私たちの願いと違う方向に向かうのならば、次の選挙では選ばれないでしょう」と、静かに力強く語っていました。

政権が変わり、米国やEUから「テロリスト団体」とされているハマスが政権を担うことで海外からの支援が止まる可能性は、人々にとっては死活問題です。人々のための人道支援は政権の違いに関わらず、必要です。

選挙の警備に当たっていたパレスチナ警察。選挙の警備に当たっていたパレスチナ警察。

ハンダラ文化センターの女性刺繍グループ(関連記事No.138No.139のメンバーの一人は、夫はパレスチナ警察で働いています。パレスチナ自治政府の関連機関で働く職員の給料はほとんど海外からの支援です。彼女は、今月は夫の給料が出たが来月からはわからないので、今月分のお給料は積み立てて欲しいとのことでした。

女性グループの刺繍の仕事量は、注文に応じて決まるので、女性たちのお給料は月々で異なります。普段は、刺繍が仕上がってから仕事量に応じて給料が支払われています。ラマダンやお祭り、急な事情等でお金が必要なときに、必要に応じてお給料を先払いすることもあります。

少し余裕がある女性たちは、ジャマイエ(組合という意味)という互助預金をしています。これは一人50シェケル(約1300円)などグループで決まった金額を毎月出し合い、月に1回、一人が順番に総額を受け取ります。例えば、5人集まれば、5ヶ月に1回、250シェケル受け取れるわけです。順番は出費が予想される時期等の希望を出して話し合いで決めますが、家族の病気等で急にお金が必要になったときは順番を変えて対応します。

女性たちに聞くと、刺繍の仕事で得たお金はできるだけその場で使わないようにして、子どもの教育費(義務教育は授業料無料だが、新学期には文房具や制服等様々な出費がある)や家族の医療費、カーテンを取り付けたりソファにカバーをかける等、家族にとって必要なものに当てるようにしているようです。

センターでのミーティング。センターでのミーティング。

女性たちは、不安定な政治・社会状況の中でも地道にがんばっています。


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