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オリーブの墓場

パレスチナ現地代表 小林 和香子
2003年11月 2日 更新

前回にひきつづき、オリーブ収穫についての報告です。

10月初旬から11月中旬、パレスチナはオリーブの実の収穫シーズンです。イスラエルによる封鎖政策により移動が困難となり、ましてやイスラエルに出稼ぎに行くことも出来なくなった多くの村人にとって、オリーブは唯一の生活の糧となっています。しかし、丘の上を占拠する入植者による妨害のため、その生活の糧を収穫できない村があります。

ナブルスの南部にあるエイン・アブス(Ein Abous)という村は、見渡す限りのオリーブ畑を抱えた美しいパレスチナの村です。その丘の上にはイッツァール(Yitzhar)と呼ばれる入植拠点があります。10月末にこの村の丘に近い斜面のオリーブの木250本が切られました。数日後、その様子の視察とその村のオリーブの収穫を助けるために、イスラエルの平和団体「人権のためのラビ」(ラビとはユダヤ教の教師のこと)のメンバー5人が村に入りました。しかし、彼らと村人は入植者に攻撃されました。頭に覆面をし、棍棒を持って丘から走り降りてきた入植者は、最年長の男性を集中的に攻撃しました。この男性は病院に運ばれました。

11月2日、この団体は村人からの依頼で再度この村を訪れることにしました。今回は数で負けないように幅広く呼びかけ、報道陣も含めた50人以上がミニバス2台で駆けつけました。50人は2つのグループに分かれ、前回襲われた斜面と、最も入植拠点に近い斜面の2箇所に進みました。

切り倒されたオリーブの木切り倒されたオリーブの木

私が参加したのは後者のチームです。みんな意気揚揚とオリーブ摘みを楽しみに、村人の案内で斜面を上がって行きました。ところが、斜面にたどり着いたとき動揺が起こります。そこにあるはずのたわわに実を着けたオリーブの木40-50本ほどが、全て切り倒されていました。丘の上からは棍棒を持った入植者達がこちらを見下ろしています。村人は悲痛な声で叫び始めました。すると治安警察が丘から数人降りてきました。この治安警察は村人が安全にオリーブを収穫できるよう保護するために送られたはずです。村人は治安警察に抗議します。しかし警察は、自分達は知らない、何も見なかったし聞かなかったと言います。そして入植者を刺激しないようにと、私達は丘の斜面を降ろされました。

1メートルほどの丈で切られたオリーブの木達。枝も葉も実もなくなり裸にされたオリーブの木の残骸。見渡す限り切り倒されたオリーブの畑は、まるでオリーブの墓場のようです。このオリーブを生活の糧としてきた村人はどうやって生きていけばよいのでしょうか。オリーブが再度育ち実をつけるまでの期間は、3年とも7年とも言われています。その間村人には収入がなくなります。たとえ3年後に実がなったとしても、安全に収穫できる保障はどこにもありません。

落ち込んだ私達でしたが、他の村人のオリーブ摘みを手伝わせてもらうことにしました。ほどなく学校が終わった子どもたちが大勢手伝いにやって来ました。オリーブ畑は一気ににぎやかになります。村の子どもたち・おばさんたちに「来てくれてありがとう」と言われて、少し救われた気がしました。

オリーブ摘みを手伝う村の子ども達オリーブ摘みを手伝う村の子ども達

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