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ラオスMonthly report(2014年1月)

現地調整員 (個人名削除) 現地調整員 林 真理子
2014年2月 4日 更新

農業・農村開発

米銀行

米銀行の説明(日本語版)は、こちら

ラオスでは、11月下旬から12月にかけて米の収穫期を迎える。米の収穫を終えた村人は、1月になると米銀行から借りた米を返却にやってくる。収穫期直後の1月から数カ月は、ほとんどの村人にとって米が足りている状態であるが、毎年、5月頃になると、前年12月に収穫した米のストックが尽き始める。毎年6月1日に米銀行をオープンし、村人に米の貸出を開始する。利子は、村人の話し合いによって決められているので、村によって利子が若干異なるが、だいたい10%~15%である。100キロの米を借りた村人は、115キロ返さなければならない。

今月(1月)は、米の返却状況の確認のために対象村を訪問し、米銀行委員会のメンバーと会合を行った。返却率が高い村では、(1)村内の結束力が高いこと、(2)米銀行委員会の役員の責任感が強いこと、などの特徴があげられる。一方、返却率の低い村では、この逆の特徴が見受けられる。1月中旬に訪問したある村では、ほとんど誰も米を返却していなかった。その理由をたずねたところ、「たくさん米を借りた村長が、全然返却していないのだから、自分たちは返却したくない」という返事が返ってきた。その後、村長を訪問し、借りた米を早く返却するようにお願いしたところ、3回に分割して返却するとのことで、1回目の返却を行った。その後、その村では、他の村人も米の返却を開始した。

現在、米銀行の返却状況のモニタリングを行っており、未返済者には早急に返済するよう促している。度重なる督促にもかかわらず、返済しない村人に対しては、翌年度から貸出停止にするなどの対処方法も検討中である。2月には、各村で米銀行の返却状況の報告を行い、併せて、米銀行のルールの見直しなども行う予定である。

米銀行への返却に立ち会うスタッフ米銀行への返却に立ち会うスタッフ
米の返済率を記録・データ入力するスタッフ米の返済率を記録・データ入力するスタッフ

牛銀行

牛の親子牛の親子

2013年度から、牛銀行を導入することになった。アサポン郡とピン郡から1村ずつ選び、牛を村人に貸し出すシステムを導入する。アサポン郡の村で5頭、ピン郡で8頭の牛を購入し、牛銀行の開始に向けて準備を進めている。

ラオスの農村では、子どもの進学や結婚、あるいは、自然災害で農産物が被害を受けた時など、多額の現金が必要になる際に、牛を売ることで現金収入を得るという慣習がある。牛は、村人にとって、「まさかの時の財産」なのである。JVCの牛銀行は、牛を持っていない村人を対象に牛を貸し出すシステムである。

2013年12月~2014年1月にかけて、牛銀行のシステムや細かいルールについて協議を重ねた。牛銀行は、JVCがカンボジアでも実施しており、カンボジアでの牛銀行の経験を参考にしながら、ラオスの農村社会の事情にあったルールを作ろうと、JVCスタッフの間で意見を出し合った。カンボジア案は、母牛を借りて、子牛が生まれたら、子牛を牛銀行に返す。母牛が村人のものとなる。もう一つのJVCラオススタッフ案は、母牛を借りて、子牛が生まれたら、子牛が村人のものとなり、母牛を牛銀行に返す。この2つの貸出システムの間で、様々な角度から2案の長所・短所について議論が交わされた。その結果、「母牛を1頭借りて、借りた村人が子牛を2歳になるまで育て、子牛が2歳になったら子牛を牛銀行に返却し、その子牛が他の村人に貸し出される」というシステムに落ち着いた。母牛をもらった(借りた)村人が、子牛が2歳になるまで育てるということは、2年目に2頭目の子牛が生まれているはずである。すなわち、母牛を1頭もらって、子牛2頭を牛銀行に返すことになる。

この基本システムに加え、「牛が病気で死んだ場合、盗まれた場合などは、どのように対処するのか」・「ワクチンの接種はどのように義務づけるのか」・「牛銀行委員会は、具体的にどのような責務を担うのか」など、細かいルールの設置が必要である。牛銀行の開始にあたって、様々なルール作りを行っている。

深井戸の維持管理

井戸の修理費徴収方法を話し合うミーティング井戸の修理費徴収方法を話し合うミーティング

プロジェクトでは、浅井戸(深さ10メートル弱)と深井戸(深さ20~30メートル)の2種類の井戸の設置を支援している。土質によって、浅井戸と深井戸のどちらの掘削が適しているかを保健局のカウンターパートからアドバイスを得て決めている。浅井戸に比べて深井戸は壊れやすい。現在、故障中の深井戸をどのように維持管理していくかが大きな課題となっている。

深井戸が壊れたまま放置されているいくつかの村を訪問し、井戸管理委員会のメンバーと井戸の維持管理について話し合った。プロジェクトでは、深井戸を掘削する前に、将来の維持管理費に充てるということで、村人から一定額の現金を徴収し、銀行口座に貯金している。この維持管理費を徴収できた村に対してのみ、深井戸を掘削するようにしている。

深井戸から水をくみあげる女の子深井戸から水をくみあげる女の子

一つの村に、複数の井戸がある場合、井戸ごとに管理委員会を結成するのではなく、村ごとに一つの管理委員会を設置している。なぜなら、村人が日常的に使用している井戸が壊れた場合には、同じ村内の他の井戸を使用することになるからだ。村によっては、現在、銀行口座にあるお金は、将来、新しい井戸を掘る際のお金に使いたいので、現在故障している井戸の修理費としては、新たに村人から徴収したいと言う意見もあった。あるいは、深井戸が故障しているかどうかにかかわらず、毎年1回、村人全員から年会費を集め、その年会費は村内の公共の目的(深井戸の修理以外)のために使用し、深井戸の修理費としては、故障時に村人から修理費を徴収して賄いたいという意見もあった。アクセスの悪い村では、深井戸のスペアパーツを買いに行くまでに数時間かかり、深井戸の修理のためには、スペアパーツ代に加えて交通費もかかることになる。現在、対象各村で、修理費用の徴収方法を話し合い、ルールとして文書化する作業を進めている。

深井戸の故障が軽度の場合には、村人が自分たちで修理することも可能である。各井戸の使用者の中から修理ボランティアを選んでもらい、各村の修理ボランティアを集めて技術研修を実施する予定である。現在、ボランティアの選定と並行して、研修計画の作成と研修教材(修理マニュアル)の準備を進めている。

土地・森林活動

PLUP(参加型土地利用計画)

12月にピン郡の2村で開始したPLUPのデータ整理をした。

PLUP活動の手順は簡単にまとめると、1.村の林産物や土地利用について聞き取り、2.村の土地をGPSで計測、3.村人とどの土地を何の土地として使うか協議、4.GISを使って土地利用の境界線を確定、5.行政から土地利用に係る承認をもらう(=これにより土地使用の権利的なものが得られる)という流れだが、12月には1と2を実施したため、その情報およびデータ整理を行った。

Community Land Titleワークショップの様子Community Land Titleワークショップの様子

また、1月14日には森林チームリーダーのセンチャンと林が、ビエンチャンで開かれた「Community Land Titleワークショップ」に出席した。ワークショップには、土地・森林分野に関わるNGO関係者および援助関係者が多数出席し、JVCもコミュニティ・フォレストリーの活動について簡単なプレゼンテーションを発表した。

森林チームリーダーのセンチャンは、ラオス南部チャンパサックに事務所をかまえるGAPE(ゲイプ)というNGOからGPS/GIS研修の依頼を受け、1月27日から3日間半、研修を行った。

法律研修

今年で5年目となるカレンダーを使った法律研修。カレンダーの内容は、土地・森林に関わるNGOと数ヶ月かけて協議をし、11月末に確定したものの、ラオス政府(自然資源管理省)からの承認に1ヶ月ほどを要し、1月中旬にやっと印刷が完了した。JVCは対象村で配布するための1200部を発注した。

法律カレンダーは、土地に関する国の法律が条項と漫画でわかりやすく書かれているが、今年の中身は多くの部分をJVCが提案した。昨年弁護士の資格をとった森林チームのレノルが、NGO間の内容調整会議の中で様々な提案をし、現在JVCの対象村でも問題となっている契約栽培の問題なども盛り込まれた内容となっている。

また1月は、対象郡のアサポン郡とピン郡で、カウンターパート(行政官)を対象に、カレンダーに書かれている法律を教える研修を行った。これは今年が初めての試みで、これまで行政官から積極的な協力を得ることが難しかったこの活動について、きちんと目的、内容を理解してもらうことを目的に行った。参加者からは「こんな法律があるのは知らなかった」「法律を学ぶ機会がないので是非またやってほしい」と前向きな意見が多数でた。

2月に、対象村で村人への配布を行う予定である。

法律カレンダー法律カレンダー

演劇をとおした啓発活動

村人に自然資源管理や土地に係る問題を知ってもらうための啓発活動は、村人にわかりやすい形で伝える必要があるため、演劇や人形劇を行い実施している。演劇は民族学校の高校生を巻き込んで実施するため、高校の短期休暇にあたる1月の2週間に活動が集中した。

本活動を担当するスタッフのホンケオは、演劇の脚本のドラフトを3本書き、県行政から内容に係る許可を得た。高校が休みに入るとともに、昨年選出したピン郡民族学校の高校生10名と脚本の微調整、演劇の練習を行い、1月19日から27日にかけてアサポン郡の村々を回り、上演した。

夜の上演は、娯楽が少ないラオスの村には非常に好評で、夜には村の大人から子供まで皆が集まり上演を楽しんだ。

これまでもこの演劇は村人に人気があったが、その理解度をきちんと把握・整理するため、今回は簡単な評価シートを作成し、上演後、質問形式で簡単に村人の理解程度を確認した。2月にはこの評価シートを用いてチームで振り返りを行い、今後の更なる改善に務める。

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