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2012年9月11日

9.11より11年を迎えて

イラク事業担当 原 文次郎
2012年9月11日 更新

イラクでは、2011年末の米軍完全撤退後も毎月の爆破や襲撃による暴力事件で300名前後の犠牲者が出ているが、9月9日にも爆破事件が頻発し、イラク全土で100名を越える犠牲者が出ており、1日当たりの犠牲者数では米軍撤退後最多となっている。

このような事件が起きるたびに、バグダードやキルクークなどに住む友人にメールや電話で安否確認をしているが、昨晩の電話ではバグダードのマフムードさん(仮名)は、「神様のおかげで私も家族も無事だ。現在気になっているのは明日のサッカーの試合の勝敗だ。」と思いのほか明るい。この明るさは、爆破事件に慣れてしまっていることや、安否を問う私を安心させようということもあるのだろう。

そんなマフムードさんをはじめとするイラクの友人に聞いても、9月11日ということには特別の感慨はないと言うか、むしろ2001年ニューヨークの911事件とは無関係なのだから、イラクを結びつけてもらっては迷惑という反応である。ここは9月11日ということは忘れて、純粋に今晩行われるサッカーのワールドカップ最終予選の日本対イラクの試合を楽しんだ方が良さそうだ。

911事件を機に当時の米国のブッシュ大統領はテロとの戦争を宣言した。そしてアフガニスタンへ攻撃が行われたが、この延長線上でイラク戦争を考える人も未だに少なくない様だ。

イラク戦争の大義名分のひとつがイラクのフセイン政権による大量破壊兵器の保有であり、これらの兵器がテロリストに渡って米国本土をはじめとする欧米に対する攻撃に使われてはならないとする米国政権の論理だった。

しかし、サダム・フセイン政権とアルカイダのようなテロリストの共犯関係は何ら証明されず、後にはイラクに大量破壊兵器が存在しなかったこともわかってきた。

つまり9.11事件とイラクは無関係だったわけだ。

しかし、現在も、「大量破壊兵器」の疑惑と「テロ支援」への対策を理由に米国の中東での軍事介入を正当化する論理は生き続けているらしい。

現在の米国のオバマ大統領は、今年8月20日の記者会見の席上で、内戦状態が続くシリア情勢に関して発言し、「シリア国内で化学兵器を移動したり使用したりすることは米国にとって一線を越える行為だ」とアサド政権に強く警告。化学兵器使用の場合、シリアへの軍事介入を避けている従来方針の見直しも辞さない姿勢を示したとされている。

この発言はシリア政府および反政府勢力との駆け引きの中で出てきた発言として、本気度は注意深く判断すべきと思われるが、独裁政権に対して化学兵器や大量破壊兵器を使用させない、テロリストにこれらの兵器が渡るのを何としても防ぎたいという米国の意志が読み取れる。

「テロ対策」を理由にした米国の軍事介入がさらなる状況の悪化を生まないようにと切に願う。そうでなければ安心してサッカーの試合を観戦している場合では無くなる。

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