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薬が届いた!

イラク事業担当 原 文次郎
2005年3月10日 更新

アンマンにて2月27日、この日はキングフセインガンセンター(KHCC)を訪問して打ち合わせる予定があった。この病院ではイラクから治療を受けるために来ている患者を受け入れている。

打ち合わせの準備で慌しい朝を過ごしている間に、バグダッドの子ども福祉教育病院のマーゼン医師よりメールが届く。メールのタイトルに「amphotericine B」とある。

この薬の名前は忘れようもない。苦い思いとともにはっきりと憶えていた。

問題の抗真菌薬問題の抗真菌薬

遡ること1ヶ月以上前、年末年始の一時帰国を終えて私がアンマンに到着した早々の1月18日のこと。この日の夕方、翌日からのイード休暇でイラクに帰省で戻る予定だという、ヨルダン滞在中のバグダッド出身の研修医、ハイダル医師にこの薬を託した。イラクに戻るついでに持ち帰ってバグダッドの病院に届けてもらう予定だった。

しかし、そのハイダル医師はその翌日、バグダッドに向かう途中で交通事故に遭い、亡くなってしまった。この事故の混乱で薬の行方もわからなくなっていた。(イラク・ヨルダン現地情報 No.93にて報告)

どうしてもその薬がないと困るので、もう一度送って欲しいという依頼のメールなのかと思い、マーゼン医師からのメールを読み始める。

しかし、どうも様子が違う。何と、事故に遭った薬が無事で前の日に病院に届けられたのだという。

メールは、受け取りの確認が必要だから、寄付を証明する書類を改めて送って欲しいという内容だった。送った37個のうち壊れていたのは1個だけで、残りは亡きハイダル医師の遺族が冷蔵庫に入れて保管していたとの話だった。

事故現場がバグダッドなどの都市から遠く離れていて連絡が悪い中で、事故の状況も詳しいことがわからない状態だったので、薬品の状況などわかる状態ではなく、まして、今回送った薬品は冷蔵保管を必要とする薬だったので、とてもダメだろうと思っていたところが、冷蔵箱入りだったことがかえって幸いしたようだ。事故の際の衝撃に耐え、行方不明にならずに見つけられたのは奇跡的だった。

この様なできごとがあると、やはりどこか神様の思し召しがあるのではないかという気持ちになる。

事故の説明書き事故の説明書き

交通事故の状況も、その後、新しい情報が入って来ていた。アンマンのガンセンターで治療を受けていて、ハイダル医師にもお世話になっていたイラクの少年がいたが、その父親が事故の当日に同じルートを逆方向のバグダッドからアンマンに移動していた。途中で見た交通事故は1箇所だけで、ヨルダン−イラク国境をイラク側に入ってすぐのところだったと言うのだ。

彼の説明によると、イラクからヨルダンに向かう方向の車線で、国境通過の許可待ちのコンテナ貨物車の長い車列が出来ていたという。これを迂回して先に出ようとした車があって、反対車線を走った。時間帯が早朝でまだ暗く、視界が利かないのにこの車はライトを点灯していなかった。運が悪いことに、そういう車が走ってきたところに、ハイダル医師の乗車するGMC(四輪駆動車)が居合わせてしまったらしい。気づいた時には間に合わず、正面衝突だったという。

ハイダル医師の死という最悪の悲劇の一方で、奇跡的なできごともあったと言うわけだ。ハイダル医師の冥福を改めて祈ると共に、彼が命を賭けて守った薬がガンで苦しむ人々の命を救うことを願いたい。


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