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アッバース君のこと その1

イラク事業担当 原 文次郎
2004年2月 3日 更新

バクダッドのセントラル教育病院の病棟を訪問

JVCは2003年8月以降、バグダッドにあるガンと白血病の専門病棟を持つ二つの病院に対して、治療用の薬品と機材の支援を続けている。

セントラル教育病院には、一時帰国をはさみ約2ヶ月振りの訪問になる。前回10月中旬に出会った患者さんに会い、その時に撮った写真を手渡したいと思っていた。しかし、ほとんどが病棟にはおらず、亡くなってしまったり、あるいは自宅療養で通院しているという状態なので、写真は主任看護婦さんに預けることになった。

そんな中で、ひとりだけ病棟にいるかも知れないとジャファー医師が言う。アッバース・サードク君だ。彼は10月の訪問の際に、アラブの象徴でもあるエルサレムの黄金のモスクの絵を描いてくれた。
「今朝から状態が深刻だったので亡くなっているかもしれない」と医師は事も無げに言う。

10月のアッバース君10月のアッバース君

しばらくすると、アッバース君(9歳)が抱きかかえられて運ばれて来て、ぐったりとした姿でベッドに横たえられた。急性リンパ性白血病だった。前に絵を描いてくれたときは、元気でパッチリとした目が印象的だった彼。今は見る影もなくやせて、頭の毛がなくなっていたのに驚く。
「彼の場合は放射線治療も受けているので、その影響もある」との医師の説明。朝の状態からは持ち直しているということだったが、体を起こすのも痛がっていて傷ましい限りだ。

何とか元気を出して欲しいと写真を渡すと、お父さんが受け取って本人に見せてくれた。
前はあんなに元気に絵を描いていたのに、色鉛筆はもうないのかとねだったのに・・・。
さよならの挨拶に手を振ったり答えたりする元気はもうない。

写真を見てわずかに表情が緩んだのがかすかに救いに思ったのは、こちらの勝手な思い込みだろうか。ジャファー医師は
「1年もここに居て、こういう風景に接していれば、じきに慣れてしまう。残酷なようだが、研修医にも、患者さんとあまり親しくしない方が良いと指導している。情が移ってしまう様だとこの仕事はやっていけないからね。」と言う。
現実を踏まえたことばの意味も重い。


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