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バグダッド・ボウリング

中東 パレスチナ最新情報 中東担当 佐藤 真紀 佐藤 真紀 佐藤 真紀
2003年2月25日 更新

2月4日は、バグダッドでボウリング大会が行われるという。はて、ボウリング場なんてバクダッドにあるのかと思いきや、ちゃんとホテルの裏側にあった。

アメリカの団体「辺境からの声」(voices in wilderness)のスミスさんとブレットさんが企画した。「アメリカとイラクがボウリングで勝負だ」と張り切る。会場で募金を募りお金は、子どもたちのためのプロジェクトをやっているフランスの団体「世界の子どもたち」に寄付される。

ゲームは3名づつ選手を選び合計の点数で勝ち負けを競う。アメリカ・チームは途中にいろいろな人がチャリティーでボールを投げるので、なかなか終わらない。一方でイラクチームはプロボーラーが来てあっという間に投げ終えて、ほとんどゲームにならない有様だった。

そんな中、生まれて初めてボールを投げた少年がいた。イラク人のハッサン君8歳だ。最初はなかなかピンに当たらなかったが、だんだんコツを覚えてきたらしくおおはしゃぎだった。彼の手が真っ黒だったのが印象的だった。「確かにボウリングのボールは黒いのだが、手が黒くなるわけもないな」などと考えていた。

あくる日なぞが解けた。ホテルの前で彼は、靴磨きをしていたのだ。
「ボウリング!ボウリング!」
ハッサン君が声をかけてくる。
「さあ、靴を磨かせて」

イラクでは、23.7%の子どもたちが学校に通っていない。彼らの多くは、外で働いて家計を助けているという。友人のジャーナリストは、「子どもたちはよく働きますよね。こないだ来た時はスニーカーでしたけど、今回は靴を磨いてもらおうと思って革靴を履いてきたんですよ」といっていた。

靴磨きをしながらも、明るいハッサン君靴磨きをしながらも、明るいハッサン君

ハッサン君も稼ぎを上げようと一生懸命だ。
「靴磨きはいいからお絵かきでもしよう」
私はかばんからスケッチブックを取り出してハッサン君に手渡した。
「何を描くの?絵なんて描けないよ。」
「じゃあ、ボウリングの絵を描いてみてよ」
ハッサン君は一生懸命描いてくれる。でも外国人が通りかかると、「悪いけどお客さんだ」と言わんばかりに絵なんかそっちのけで仕事へ戻る。子どもたちがきちんと学校に行って勉強できるような社会に早く戻さなければいけない。

イラクの子どもたち

僕がイラクに行くと定宿にしているホテルがある。ただし今回は、緊急事態にも備えて電話回線がちゃんとしたホテルに泊まることになってしまった。でも、ホテルの友人に会いにいった。

ホテルの経営者はクルド人なので、クルド人の溜まり場になっている。クルド人というとアメリカが打倒サダムフセインに利用しようと画策しているが、アメリカもどこまで信用できるかわからないというのが正直なところだ。1月27日にはUNMOVICの国連安保理への報告を受けて、クルド人がバグダッドに集結し、サダム政権支持を訴えた。UNDP事務所前には4000人のクルド人が全国からやってきた。

「ノーノー、ブッシュ。イエス、イエス、サダーム」
ものすごい勢いだ。この日は、さまざまなグループがデモにやってきて、コヒー・アナン国連事務総長あてのアメリカの武力行使反対の親書を提出したが、クルド人のデモがもっとも迫力のあるものだった。

クルド地区の北部は自治区になっており、イラク政府の管轄から離れてしまっている。イラク人は北部には入ることができないが、クルド人に関しては自由に行き来できる。人道的な配慮であるが、逆に情勢が緊迫してくると、スパイ容疑をかけられかねない。非常に微妙な立場におかれている。

ホテルに遊びに来ていた子どもに絵を描いてもらった。将来は何になりたいと聞くと「兵隊になってイラクを守るんだ」といった。そして友達と二人で戦車に乗っている姿を描いてくれた。戦争が近づいていることが子どもたちにも伝わっている。子どもたちは正義感と義務感が強い。子どもたちが兵隊にならなくても良いような世界を作っていくことが私たちに与えられた仕事ではないだろうか。

8歳の子どもが描いてくれた絵8歳の子どもが描いてくれた絵

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