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自らの難民経験から(1)
~インティサールさんが語る難民生活~

JVCイラク事業チーム補佐 中野 恵美 イラク事業担当/アフガニスタン事業担当 池田 未樹
2016年6月27日 更新

紛争や貧困によって苦しむ中東やアフリカから欧州への難民流入が続いています。死者も数千人に達し、欧州連合を中心に対策を講じていますが、加盟国間での意見は一致する様子はありません。難民に対する受け入れを反対する人々による暴力行為も発生するなど不穏な状況が続いています。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、ヨーロッパを目指す難民のうちイラク人は10%を占めます。

JVCの現地パートナー団体INSANの元スタッフであるインティサールさんは、2009年よりJVCとINSANがイラク中北部の都市、キルクークで実施してきた「子どもたちとつくる平和ワークショップ」の中心的なスタッフでした。彼女自身が難民であった経験を織り交ぜながら、現在イラクが抱える危機を次のように話してくれました(聞き取りは五月中旬頃)。

INSANの事務所屋上で行われた「平和のためのワークショップ」の一コマ。中央女性がインティサールさん。INSANの事務所屋上で行われた「平和のためのワークショップ」の一コマ。中央女性がインティサールさん。

『イラクの情況は、とても複雑です。人道的な面から見れば、何百万人もの人々が軍事作戦のために家を捨てて避難することを余儀なくされています。夢や思い出を捨てて、自分で持てるだけのものを持って子どもたちと一緒に逃げ、いつかまた家に帰れることを願っています。

ここでの最大の悲劇は、難民や避難民はイラクの北部や中心部に入ることを許されていないことです。行政当局は、難民や避難民の家族をIS側で戦っているテロの関係者とみなし、敵視しているためです。

政治的な面から見れば、イラクには様々な党派があり、状況を難しくしています。たとえば、スンニ派、シーア派、クルド、トルコマンの党派があり、これらの党派がイラクにおける紛争の原因になっています。

皮肉なことに、これらの党派の内部にも利権や利益をめぐる対立があります。彼らは、12年間というもの、さらなる紛争と憎悪に国家を向かわせ、国家はすべてを失いました。イラクはもともと豊富な石油資源を持った国ですが、いま私たちに残されたのは戦争と対立だけです。汚職と党派争いだらけの政党に属す閣僚たちのグループもあり、対立と問題が日々深刻になっています。

最後に、軍事的な面から見ると、外国部隊の軍事作戦の結果、イラクの3分の1の地域は武装組織の管理下にあります。イラク国内の不正義により、秘密の監獄に入れられている人々もたくさんいます。囚人たちは、拷問や虐待に苦しんでいます。

武装組織や民兵組織は、実際にはしていないことを、強制的にしたと告白させ、無実の人々を殺しています。人々を解放するための政府軍による作戦でさえも、武装組織によるものと同様に野蛮です。ISから街が解放された後も、人々は家に戻ることができません。武装組織は、家々に火を放ち、街にあるすべてのものを破壊したので、水も、電気も、学校も、病院もなく、人々はもう暮らすことができません。武装組織は、国の人口構成を変えようとしています。家を失った家族たちは、生き延びるための援助を得るために、難民キャンプか街の通りで暮らすしかないのです。人々は、どんな慈悲でも待ち望んでいます。人々を救い、平和の中で生きるために問題を解決する神の奇跡を。イラクの人々は、何年にもわたり戦争に苦しむことにもう耐えられません。

イラク議会内の対立により、状況はますます悪くなっています。

イラク人女性として私は長い間、いつか自分たちが救われ、幸せになると感じることができずにいました。私たちは、子どもの頃からずっと紛争や困難を経験してきたからです。』

(次回に続く)

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更新日タイトル
2016年8月 9日 更新自らの難民経験から(3)
~インティサールさんが語る難民生活~
2016年7月14日 更新自らの難民経験から(2)
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2016年6月27日 更新自らの難民経験から(1)
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