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9.11から13年
アフガンスタッフからのメッセージ

アフガニスタン事業担当 加藤 真希
2014年9月11日 更新

2001年にアメリカで起こった「9.11」事件、その報復としてのアフガニスタン攻撃の開始から、13年が経ちました。
この日に寄せたメッセージが現地スタッフから届いたので、ご覧下さい。

アジマール・フラム(1985年生まれ、JVC教育事業担当)

アジマール(写真中央)アジマール(写真中央)

9.11の時、私は中学校から卒業したばかりでした。当時、他の多くのアフガニスタン人同様、私は世界 のニュースに特に注目していませんでした。と言うよりも、私たちにはテレビが無く、世界で何が起きているかを知ることができなかったのです。

なぜなら、タリバン政権時代、テレビは厳しく禁じられており、テレビを持っているものは、タリバンによって公衆の面前で罰を受けていました。そのような事情もあり、私たちは9.11という、世界中の多くの人々の人生を大きく変えることになる悲劇的な事件についてほとんど知らなかったのです。

私はさらに上の学校で学ぶために物理の勉強をしていたのですが、野菜売りの友人からアメリカが私たちの住む地域の一部を攻撃し始めたことを聞き、とてもショックを受けました。私が家に帰ると、父親がボイス・オブ・アメリカという当時私たちにとって唯一の情報源だったラジオを聞いており、一方で母親は 家財道具を集めるのに忙しくしていました。両親は都市のジャララバードは危険だから田舎に行かなければならないと私に言いました。

9.11の前、ソ連がアフガニスタンを離れ、ムジャヒディン(イスラム聖戦士)がアフガニスタンを支配した時アフガン人は彼らを歓迎し、ようやく14年にわたる戦争が終わるのだと喜びました。しかし不運なことに、それは戦争の終わりではなくて、4年に及ぶ内戦とそして5年に及ぶタリバン政権の始まりだったのです。このソ連撤退後の4年間 の内戦とタリバン政権の時代に、アフガニスタンは完全に国際社会からの注目を失いました。そしてその間も、市民の犠牲は莫大でした。

9.11以降のNGOを始めとする国際社会の注目や、新政府の樹立によってアフガニスタンでは経済や教育など様々な変化が人々、そして私自身にも訪れました。私たちの生活に、ポジティブな変化もありました。すべてのことについて語るのは非常に長くなるので、教育に限って言えば、9.11以降、女子のための学校が開始され、500万人以上の男女が学校に通うようになりました。

そして数千の学校が全国で再開されましたが、その一方で田舎や治安の不安定な地域での女子教育はいまだに課題です。9.11以前は公立の大学や高等教育機 関は非常に少なかったのですが、現在ではほぼすべての県に公立・私立ともに教育機関があります。そしてより多くのアフガン人学生が海外で学ぶことができるようになりました。

しかしながら、9.11以降、アメリカとNATO軍が駐在しタリバンを標的にする中、彼らは「対テロ戦争」の名の下で空爆や無人機爆撃を行い、無実の市民をも殺害してきました。非常に悲しいことに、13年に及ぶ終わらない戦争と莫大な支出をもっても、アメリカは武力を見せつけることだけが解決法ではない、と気付くことができませんでした。間違いなく、外国軍の存在がアフガニスタンのより複雑な状況を作り上げました。多くの米軍やNATO軍がいることで、自 爆テロや爆弾、襲撃がアフガニスタンで日常となってしまったのです。

それから、ガザやシリア、イラクでの紛争はイスラム教徒への偏見や差別によるものです。近年、この傾向が強まってきていると感じます。このような 国々に暮らす人々は無実で、彼らの言葉が聞かれることはほとんどなく、あったとしてもメディアによって間違って伝えられています。

また、アメリカや他の国の人が何か間違った行為をしたときに、その人種やその人の信仰が取りざたされることは少ないですが、例えばイラクなどイスラム教国の人が悪事を行うと、「見ろ、彼はムスリムだよ、イスラム教がそうしろと教えているんだ」と言われます。このような誤解や偏見、差別は悪気のないイノセントな人々にも見られるので、これらの偏見をなくすためには、さらなるアドボカシーが必要だと思います。

アフガンに暮らす若者として、もう戦いや戦争には飽き飽きしています。そして罪のない人々が殺されることにこれ以上黙ってはいられません。アメリカは自らの国から遠く離れたイラクやアフガニスタンで戦争を行い、自国の土地で戦争を行ったことはありません。アメリカ人は空爆や夜襲、無人機の爆撃におび えることなく平和な環境で生きており、本当の戦争の恐怖を知らないのでしょう。アフガニスタンでは無実の人々が犯してもいない罪の代償を払わされています。我々にはテロ(恐怖)ではなく復興が必要です。アフガニスタンで自分たちの政治的な都合の戦争をしないでほしい。

最後に、アフガニスタンの若い世代が平和なアフガニスタンで暮らせることを願っています。彼らが「戦争」という言葉を実際にではなく、歴史の本の中でだけ見る時代が来ることを。

サビルラ・メムラワール(1976年生まれ・JVC総務/治安担当)

サビルラ(写真左)サビルラ(写真左)

9.11が起こった時、私は25歳で、アフガン・パキスタン国境近くのペシャワールにある難民キャンプで靴屋を営んでいました。その日、午後の6時に店を閉めて、幹線道路に近いとあるレストランで手を洗っていたら、ふと店内のテレビに事件の中継が流れていました。私もテレビに近づいて、なんだなんだ?と覗き込みました。当時私はあまり英語を話せなかったのですが、これはアメリカへの攻撃だということを理解しました。まだ誰も状況把握ができていませんでしたが、アメリカへの戦争が仕掛けられたようだと、ニュースが言っていました。

この911の事件の後、アメリカは1か月半でアフガニスタンのタリバン政権を倒しました。アメリカへの同時多発攻撃からタリバン政権の崩壊までは本当に早く、アフガニスタンの人々は、自国の明るい未来を描き始め、希望の光が見出だしていました。国際社会もアフガニスタンのゼロからの再出発を支援し、教育や保健の分野がどんどんと整備されはじめ、雇用の機会も増えていました。自分自身もこうして国際協力NGOであるJVCの職に就くことができ、高等教育の機会も得ることができました。

しかし、よりよい未来に向けた急激な変化が起こってきたのと同じ速度で、―それはまるで過去に戻っていくかのように―、911後に国際社会の注目を浴びたアフガニスタンは、今、急速に忘れられています。国際社会からの支援が引いていく中、治安は悪化しています。この13年間でせっかく築かれてきた状況改善の大きな成果が、この急激な支援撤退と国への関心の低下によって、また失われてしまいます。現在の状況はまるで、1990年にソ連撤退後に忘れ去られてしまったときのようです。打倒ソ連という目的を果たした米国とその同盟国は去り、その犠牲として残されたのは、アフガニスタンの人々でした。

世界のどこかの紛争は、遅かれ早かれ、全世界に影響を与えます。戦争はウイルスのように世界中に感染していきます。現在起きている紛争、―例えばアフガニスタンやガザ、シリア、イラクなどは、互いに何らかのつながりを持っているんです。だから、戦争のない社会を築くことが、グローバルな世界に住む人間にとって絶対不可欠です。

今、日本は平和のシンボル的存在であり、世界が必要としている平和の役割を担うことができると思っています。アフガニスタンを含む紛争国は、経済力にも支えられた中立なる善意の国・日本の、世界平和への貢献を大いに歓迎しています。

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