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涙の論文提出日

カンボジア現地駐在員 太田 華江
2014年9月11日 更新

ここ数年で一番私が慌てたのは、修士論文の提出日だった。私は当時、修士論文執筆に苦戦しており、論文が完成したのはまさに提出日の早朝だった。図書館も混んでいて、1部しかプリントアウトできず。しかし、大学院生は論文を3 部提出しなければいけなかった。しぶしぶコンビニへ向かった。

しかし、そのコンビニにあったコピー機は、手で一枚一枚スキャンしていくタイプ...。「間に合わない、本当にまずい...」残された時間はあと1 時間。その時、流しコピー可能なコピー機が学校に数台あることを思い出したが、私は学校のコピーカードのカウントを使い果たしていた。

本当に間に合わないという焦りで一杯だった時、私の前にママチャリに乗った救世主が現れた。ウズベキスタン人の友人がコピーカードを持っていて、助けてくれたのだ。そこからが速かった。印刷し、製本。知らない通りすがりの人も手伝ってくれて、3 人での作業が続き、なんとか時間ぎりぎりで提出することができた。提出後、緊張の糸が切れ、泣きながらその友人と通りすがりの心ある人に感謝した。友人は、子どもを一人抱えて日本に留学している。

「はなえちゃんはいつも日本で私のことを助けてくれたから、助けるのは当たり前だよ」と言われ、心が温かくなり号泣した。アメリカで思春期を過ごした私は、外国人が異国で生きることが大変なことを知っていたので、都内での外国人の子どもの支援や、留学生支援を行なってきていた。そんなこんなで、一ヵ月後にあった論文の審査も無事合格し、卒業することができた。それもこれも、あの時彼女が現れて助けてくれたからだと心から感謝している。

No.311 市民に押し寄せる紛争や分断の波 (2014年8月20日発行) に掲載】

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※後日、掲載年月別一覧を用意します。

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