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スタッフのひとりごと

ある大雨の日の出来事

震災支援現地統括 山崎 哲
2013年10月 8日 更新
ひとりごと:さとるさんイラスト/かじの 倫子

この8月に結婚をした。同時に7歳の男の子の父親となった。9月のある日、東京で働く妻と息子が私を訪ねて初めて気仙沼へやってきた。大雨の日曜日のほんの数時間ではあったが、今も残る大震災の爪痕の一部を車で見せて回った。

仮設商店街で遅めの昼食をとり、建物の基礎ばかりが残された平坦な市街地跡を抜け、その平野に不自然に座している大型漁船の前を通過し、校庭に建てられた仮設住宅団地を垣間見るなどした。

これらの光景が息子の目にはどう映ったのだろうか。それとなくたずねてはみたが明確な返答はなかった。何か言いたそうではあったが。

「募金はしないといけないんだよ!」翌朝の食卓で祖父母に対しこう語ったそうである。気仙沼で見聞きした事を伝える中で、自分にできることを考え見出した答えであるようだ。「家族が一緒にいられるのは奇跡なんだよ!」こんな大人びたことも語ったそうだ。

これらの事を電話越しに伝える妻は「自分が持ってる物とか、食べ物とか、自分の周りにある物や人が、自分には十分に足りてるんだってことを、あの子は感じたみたいだよ」と、心なしか嬉しそうに話していた。

彼の言う通り、私が妻と息子にめぐり合えたのはまさに奇跡である。周りの物や人々に恵まれていると感じてもいる。だが、そのありがたさを忘れてはいけない、と、自分に言い聞かせてはいても、子どもが自然に発する一言にはやはり勝てない。

物事を真っ直ぐに見つめ様々なものを感じ取る息子を、そして妻を、私はいつまでも大切にしていく。あの大雨の日の出来事は、私たち3人の絆を一層強いものにしてくれた。

No.298 「アラブの春」から改めて中東を考える (2012年10月20日発行) に掲載】

※後日、掲載年月別一覧を用意します。

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