
・
JVC代表理事 谷山博史
4月22日にJVCが内閣総理大臣宛てに提出した「イラク特措法改正についての公開質問状」に対する回答が、5月18日付けで内閣官房副長官補の鈴木秀雄参事官よりJVCに届けられました。回答全文はこちら(PDF:489kB)になります。
回答書では、イラク特措法の目的、国連イラク支援ミッションとイラク多国籍軍の派遣根拠と活動を説明した上で、自衛隊による国連や多国籍軍への支援がマリキ・イラク首相や国連からの高い評価を受けているとしています。
また治安の安定化と復興のためには「ある程度の時間が必要となる」ことを理由として、航空自衛隊の派遣には「ある程度長期の時間枠を設定する必要」があり、2年間の延長法案を閣議決定した旨が述べられています。
さらに今後の自衛隊の活動については「イラクの政治状況、国連・多国籍軍の動向及びイラクの復興状況等を見極めつつ適切かつ柔軟に実施していく」と述べられています。
一方自衛隊活動の情報公開については「公表による危険がまったくないとはいえない」とし情報公開を制限する必要がるとしています。具体的に空輸物資の総量と空輸回数は毎週公表、輸送する人員については国連要員のみ四半期に公表するとあります。
以上の回答は公開質問状の質問項目のうちそれぞれ「自衛隊の評価について」、「自衛隊派遣延長の効果について」、「自衛隊の出口戦略について」、「自衛隊
活動の情報公開について」に対応していると思われます。しかし質問状と回答書を合わせて読んでいただければわかるように、私たちが知りたいことに答える内容にはなっていません。特に多国籍軍の活動の評価には何ら触れていません。多国籍軍の活動についての主体的な評価・検証がないために多国籍軍を支援する自衛隊の評価すらできないのです。情報公開に制約が科されていることもあり、自衛隊の活動はまさにブラックボックスになっています。政府の敷いた規定のレールの先に何があるのか、私たちが強い危惧を覚えます。
イラク特措法改正案は5月15日に衆議院を通過しました。JVCはイラク支援を続けながら引き続き自衛隊派遣を含む政府のイラク政策の見直しを求めていきます。
|