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パキスタン地震被災地 調査・支援経過報告  ■インド側:10月20日更新分■
2005年10月20日 更新
 

2005年10月19日
日本国際ボランティアセンター(JVC)

10月8日にパキスタンで発生した大地震に対し、JVCは甚大な被害を受けたパキスタン国内とインド・カシミール地方において緊急支援を開始しました。現在スタッフ2名がパキスタン、インドにて現地NGOとの連携のもと支援活動を行なっています。

特にインドでは寒さが本格化し雪が降り始めているため、雪や風から身を守るための仮設住宅の建設が急務となっています。現地ではJVCスタッフ下田寛典が調査・支援活動にあたっています。

インド支援状況(10月19日現在)

被害の大きいウリの3つの村にて、雪・風から身を守るのに必要な仮設住宅を建設するための資材と、毛布・ストーブの支援を開始しました。

支援内容:仮設住宅の資材、毛布・ストーブ:60〜70家族分

<1家族(5〜7人)のセット RS=ルピー>
(1) トタン板 18枚
(2) トタン板 4枚
(3) 防水シート 200ft*ft
(4) くぎ 4kg
(5) 金具 3kg
(6) 薪ストーブ 1台
 5,300
 800
 300
 140
 135
 300
1家族分合計 
RS 6,975 (約17,500円)

設計図設計図
■仮設住宅設計図

<建設用工具(1村あたり) RS=ルピー>
(1) 掘削用ロッド 10本
(2) 金槌 10本
(3) ハサミ 2本
(4) シャベル 10本
(5) 弓のこぎり 5本
(6) メジャー 2本
(7) 穴開け機 18本
(8) ナタ 8本
(9) ロープ 1束
(10) ノコギリ(小) 10本
(11) 斧 2本
(12) ノコギリ(大) 2本
(13) やすり 4本
(14) トタンカッター 2本
 2,500
 2,100
 300
 1,650
 400
 560
 720
 1,120
 1,000
 500
 300
 800
 400
 200
合計 
RS 12,550 (約31,375円)

現地レポート

JVCスタッフ 下田寛典

強風、降雪に耐えられる仮設住宅を。

降雪に耐えられるトタン板の仮設住宅が必要だ
■降雪に耐えられるトタン板の
 仮設住宅が必要だ。

JVCは地元NGOの連合体であるATH'ROT(*)と協力し、ウリのIsham,Nawarunda,Dardkodの3つの村に仮設住宅の建設の支援を行なう。テントではなく仮設住宅にしたのは、強風、降雪を数週間後に控え、テントではそれらに耐えることができないからだ。またこの地域の寒さをしのぐには暖房器具が必要で、現地の事情を考えると薪ストーブがもっとも有力な選択肢だ。布やビニールのテントでは、薪ストーブを使おうとすると火事の危険性がある。まずは、この村の正確な世帯数と家族構成の調査を行い、同時に仮設住宅のための建材を調達する。

※ATH'ROTはJammu & Kashmir地方の市民団体が、今回の災害復興のために結成した連合体。「JKCCS(Jammu & Kashmir Coalition of Civil Society)」「JKYF(Jammu & Kashmir Yateem Foundation)」などで構成。詳しくは、URL:http://www.athrot.org/を参照。

【1】カシミール州ウリ LAGAMAの様子

LAGAMAの人口は約390人(78世帯)。その大部分がヒンドゥー教徒で、ムスリムは少数派。建物の外観の損傷度合いは小さいように見えるが、建物内部に入るとヒビが入っており倒壊の恐れがある。外観の損傷度合いが小さいことから救援物資が入ってくることがなかった。JKCCSの救援物資がはじめてのチームだと言っていた。村の人々は、建物内部で寝泊りするのを恐れ屋外で寝ている。崩れかけた建物の中でも何とか商店を営んでいた。

タウンホールの外観とその内部の様子
■タウンホールの外観とその内部の様子

【2】カシミール州ウリ メインタウンの様子

メインタウンに入っていく直前から、徐々にインド軍(陸軍)の姿が多くなってくる。建物の被害は、ほぼ全壊に近い。以前、ショッピングセンターがあったという建物もすべて崩れて商店の運営は出来ていない。

ショッピングセンターの様子(左)、J&K Bankの様子(右)
■ショッピングセンターの様子(写真左)、J&K Bankの様子(写真右)

【3】カシミール州ウリSalamabadの様子

建物は全壊し、救援物資の中でも特にテント(もしくは仮設住宅)が圧倒的に不足している。道端で一人佇んでいた少女に話を聞いた。Roma Shahin(ルーマ・シャヒーン)ちゃん、12歳だ。

■ルーマちゃん(写真左)に話を聞く下田(写真右の右端)
■ルーマちゃん(写真左)に話を聞く下田(写真右の右端)

「私の村はここから歩いて3時間くらいのところにあるIshamという所なの。学校で勉強していたとき、突然強い揺れを感じて、すぐに外に出たわ。私の家族は25人家族で村で一番大きな家族。姉妹が7人で、弟が1人。お母さんは5年前に亡くなったの。お父さんは、農民で、小麦や豆、あとは羊を飼っていたの。Ishamは、もう雪が降っていて20センチくらいは積もっています。私は家を失ったから、雪の降っていないここまで歩いてきたの。お父さんは今、救援物資をもらいに行っていて、私はここで待っているの。普段はお米と野菜とパン、チャイ、それと時々、マトンも食べるけれど、今は車でやってくるひとが窓から投げてくれる食料をもらっている。今日は、チャパティーをもらったの。早くIshamに戻りたいけど、家がないから戻れない。それに教科書もなくしちゃったから勉強も出来ない。早く学校に行きたい。」

【4】カシミール州ウリSutandakiの様子

この村では300世帯、約1500人くらいが生活をしていたが、今回の地震で現在の所46名が死亡し、4人がいまだ行方不明である。

■カンコーゼンさん(奥)、倒壊した建物から使えそうな木材を取り出してきている。
■カンコーゼンさん(奥)、倒壊した建物から
 使えそうな木材を取り出してきている。

■Kankorzen(カンコーゼン)さん一家の話(庭で山羊使いとして生計を立てている)
「15人家族(5人女性、6人男性、3人子ども、1人赤ちゃん)で一番下の女の子は、地震から3時間後に救助された。脚に負傷を負ったので今はSurinagarの病院に居る。強い揺れを感じてすぐに家を出るように家族に言った。みんなすぐに出たが、彼女だけ逃げ遅れたのだろう。揺れを感じてから間もなく家は倒壊した。今は倒壊した家から使えるものを取り出して畑に仮設住宅を自分で建てているところ。軍はテントをくれたが、あんなもの小さいし、冷たい風をしのぐことも出来ない。15人家族なのに渡されたのは2つだけ。これでは、凍えてしまう。自分達の力で作るしかないんだ。薪ストーブも家から見つけ出したから、それを家に備え付けるつもりだよ。」

■カンコーゼンさんの家。隣の写真は軍から渡されたテント
■カンコーゼンさんの家。隣の写真は軍から渡されたテント
■薪ストーブ(写真左):家族総出で仮設住宅を作っている様子(写真中央):ジュートを床にひいている様子(写真右)
■薪ストーブ(写真左):家族総出で仮設住宅を作っている
 様子(写真中央):ジュートを床にひいている様子(写真右)

【5】カシミール州ウリ KamalKotの様子

地震後、URIの中では最も政府からの支援が集まったところ。URIの奥地で唯一、道路が土砂崩れなどで閉鎖されなかったために、援助が入りやすかったこと、また、メディアが入りやすかったことで、多くの援助が入ってきたそうだ。現在はCRPF(Central Reserved Police Force)が出動しテントの配給などを行っている。CRPFの話では、KamalKortのすべての住民にテントを配給する予定でいるという。

住民同士の救援物資(この場合テントと毛布)の奪い合いがそこかしこで繰り広げられている状況だった。怒声、泣き声が入り乱れ、騒然とした様相を呈していた。

 
 


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