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アフガニスタンに関する共同意見書 
2004年10月8日 更新
 

日本国際ボランティアセンター(JVC)

10月5日、アフガニスタンで活動する国際協力7団体が、10月9日の大統領選挙を目前に控えて、アフガニスタンの人々による復興への国際社会の協力と支援を求める共同意見書を小泉首相宛で提出しました。

この意見書は、再び国際社会がアフガニスタンを見捨てることのないよう、日本政府及び国際社会の長期的支援を求め、また内容においてアフガニスタンの人々の自立と強化を助ける協力・支援の必要性を訴えたものです。

この意見書に賛同したNGOのほとんどが、これまでJANN(日本アフガンNGOネットワーク)の場などを通じて、アフガニスタンの治安状況や復興について話し合ってきた団体であり、意見書にもそこでの議論も反映されています。すなわち、この意見書に提起されている諸問題は、現場で活動するNGOの視点から、現在のアフガニスタンの復興にとって極めて重要なものです。

また、イギリスでは、Christian Aidなど、やはりアフガニスタンで活動する14団体ものNGOが同趣旨の意見書をイギリス政府に提出しました。国際社会が、この選挙でアフガニスタンが再び混乱に陥らないよう、またその後も引き続きアフガニスタンへの支援を続け、再び「忘れさられた国」とならないようにと願っています。

以下に、共同意見書の内容を掲載します。


2004年10月5日

内閣総理大臣 小泉純一郎 殿

アフガニスタンの地域社会支援を通じた復興と
長期的関与への御願い

私たち、現場でアフガニスタンの人々と共に活動してきた国際協力NGOは、日本政府がこれまでアフガニスタンに対し人的、物的両面において多大な支援を行ってきたことを高く評価しています。しかしながら、今、アフガニスタンは10月9日の大統領選挙を迎えて、ますます政治的、社会的混迷を深めています。大統領選挙と議会選挙という二つの選挙を挟んだ期間を経て、アフガニスタンが再び混乱に陥り、多くの人々の困苦が増さないかと大きな不安を抱いています。私たちは、これまで日本政府がアフガニスタンの復興に対して行ってきた多大な努力を無駄にしないためにも、大統領選挙を目前に控えた今こそ、政府のアフガニスタンの治安回復と地域社会支援を通じた復興への長期的コミットメントを明らかにして頂きたく、ここに書面にて御願い申し上げる次第です。

アフガニスタンでは、10月9日、歴史上初めての大統領選挙が予定されています。そして、この民主選挙はボン・プロセスの終着点としても位置づけられています。しかしながら、私たちはアフガニスタンの治安が日々悪化し、人々の暮らしも制約が大きく、厳しくなってきたのを目の当たりにするにつれ、選挙を決して「復興」の終わりにしてはならないとの思いを強めました。選挙という政治プロセスの節目が、かつてのように国際社会によるアフガニスタンへの関心を失わせる契機となってはならないと考えます。いみじくも原口国連大使は2004年4月6日の国連演説で、「アフガニスタンを再建し、永続的平和を達成するための取り組みは、選挙の実施で終了する訳ではなく、国際社会の長期のコミットメントが不可欠」だと言明されたことに私たちも意を強くし、この約束を確実に果たしてくれるものと信じています。更に、日本政府は国際社会に向けて、長期的な関与の必要性を強く訴えて頂きたいと思います。

現在のアフガニスタンにおいて治安の問題は重要です。しかし、それ以上に重要なのは、アフガニスタンの人々の生活を困難にする教育や保健など様々な問題に取り組むことです。これまで国際社会の支援は、アフガニスタンの国家を確固なものにすることに主眼が置かれてきました。その一方、多様な地域社会に生きるアフガニスタンの人々の暮らしの改善は遅々として進まず、今年3月のベルリン会合で国際社会が示した貧困脱却のビジョンや国際合意である「ミレニアム開発目標(MDGs)」の達成までははるかに遠い道のりです。今、最も必要なのはアフガニスタンの人々が力づけられ、それぞれの地域社会に根ざした習慣と仕組みを尊重した復興計画に改められるべきと考えます。このことは、治安問題においても同様で、アフガニスタンの人々自身の理解と協力、そして意思決定への参加がなければうまくいきません。

こうした現状認識に立ち、私たちは以下のことを日本政府に提案します。

  1. 日本政府は、選挙後もアフガニスタンの人々を中心とした支援に引き続き関与することを明言し、G8の重要なプレイヤーとして国際社会に向けて長期的な復興と治安回復への取り組みを行うよう働きかけて下さい。
  2. 日本政府は、上記提案を実現するにあたって外務省にて、長期的視点から治安、武装解除、地域社会に関する支援政策を盛り込んだ国別援助政策をすみやかに策定して下さい。
  3. また、日本政府は、国際協力機構(JICA)にて、現在策定中の国別援助計画の中に、明確にアフガニスタンの人々を力づけ、地域社会の強化を目的とした支援策を盛り込むようにして下さい。
  4. 最後に、日本政府は、上記の提案を実現するにあたって、これまで日本政府が投じてきた資源がアフガニスタンの人々の生活を実質的に改善する優先的なプログラムに確実に使われるようにして下さい。また、その際には、「ミレニアム開発目標」の実現を指標に評価を行うなどして、アフガニスタン及び国際社会に対して説明責任を果たして下さい。

特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター
オックスファム・ジャパン
社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
特定非営利活動法人 日本紛争予防センター
特定非営利活動法人 インターバンド
社団法人 シャンティ国際ボランティア会(SVA)
特定非営利活動法人 ジェン(JEN)

CC: 町村信孝 外務大臣
緒方貞子 国際協力機構理事長

 
 


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